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野見山 宏 院長の独自取材記事

のみやま整形外科クリニック

(福岡市城南区/七隈駅)

最終更新日:2021/06/14

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油山観光道路長尾5丁目交差点から徒歩5分。七隈駅から車で5分の場所に「のみやま整形外科クリニック」はある。2001年に野見山宏院長が開院して以来、膝や腰などの痛みをはじめ、外傷、骨粗しょう症の診療、粉瘤や腱鞘切開術などの日帰り手術も行ってきた。整形外科は特に同じ疾患でも状態によって治療法が変化していくため、アプローチの仕方も豊富なバリエーションを持っていることが強みになるという野見山院長。その一つとして東洋医学にも着目し、漢方を処方することもあるのだそう。一番懸念しているのは、確証のない情報が正しい情報として浸透してしまうこと。そう語る野見山院長に、これまでの20年に加え、医師として伝えたいことも深く聞くことができた。
(取材日2020年11月26日)

大学卒業後はアメリカで人工股関節固定方法の研究も

幼少の頃から医師をめざされるまでのお話をお聞かせいただけますか?

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18歳まで大阪の池田市で育ちまして、運動よりも機械系の遊びに夢中になる子どもでした。もともとはロボット工学に興味がありまして、そちらの道も考えたのですが、親の希望もあり福岡大学の医学部へ進むことに。しかし、大学へ行っても機械への熱は冷めず、パソコンなどコンピューターの改造をしていましたね(笑)。その時に無線が得意な同級生がいまして、すぐに意気投合しました。そんなふうに、大学時代はコンピューターソフトを作ったり、教授に頼まれてコンピューターと電子タイプライターフェースを作ったり、小児科の先生と未熟児の呼吸管理をするソフトとハードを作ったりそういった研究ばかりやっていたものですから、医学部の教授がその熱心さを認めてくれて、アメリカに行ってみてはどうかと勧めてくださいましてね。そのご縁で、博士号を取得した後にアメリカのミズーリ州にある研究所で人工股関節固定方法の研究をしました。

ロボット工学に興味があった中、整形外科という分野を選択された理由は何だったのでしょう。

義手を作りたいと思ったのがきっかけでした。私が医学部へ入った時の教授は整形外科が担当だったので、人体につながった義手を作ってみたいと伝えまして。本当はその方向の研究をやりたかったのですが、なかなかその分野で研究できる機会がなかったんですね。ただ、ロボット工学と整形外科はつながる部分がありましたので、この分野を選択したんです。そして、整形外科の医師として、たくさんの症例を診ることができる救急病院をいくつか回った後に、開院する運びとなりました。

開院から約20年がたちますね。

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あっという間ですが、いろいろなご縁がありましたね。ここに開院した経緯も、医療裁判を担当する弁護士さんへ、医療に関する専門的な知識をわかりやすく解説する仕事をしていたことがありまして、その時に知り合った方がこの場所を勧めてくださり、開院することになったんです。患者層などはまったく考えずに開院しましたが、近くに小学校があることと、ご高齢が多い地域であることから、今も幅広い年代の方がおみえになります。ただ、割合からいうと、7割ほどは大人で、中でもご高齢の方が多いですね。

粉瘤や腱鞘切開術などの日帰り手術も可能

どのような症状を訴えて受診される方が多いですか?

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膝や腰の痛みですね。寒くなる時期と暖かくなる時期は首周りの痛みで来られる方が増えたり、冬はしびれを訴えられる方が増えたりと、季節によって症状にも変化が出てきます。当院は日帰り手術もやっておりますので、粉瘤や腱鞘炎など必要に応じて手術も行っています。そして骨粗しょう症を専門に診る診療枠も設けていますので、その相談や骨密度検査などで来られる方も多いですね。よく骨を強くするには何を食べたら良いかと聞かれるのですが、食べ物よりも一番は運動です。あまり歩いていない人は骨密度が上がりにくいんですね。いくら治療をやっても歩かなければ、骨密度は下がってしまいますから。

歩くことで骨にどのような作用があるのでしょう。

衝撃です。骨というのは衝撃を与えると電気が流れるんですよ。電子ライターをカチッとつける様子をイメージしてもらえるとわかりやすいかもしれません。運動量が少ないと衝撃も減りますから、必然的に骨密度も下がるわけです。今年は新型コロナウイルスの流行で運動しづらい環境だったことが、骨密度の低下につながっています。ただ、患者さんの中には家にずっといたにもかかわらず骨密度が上がった方がおられたので、何をされていたか聞いてみると、テレビドラマを見ながら毎日足踏みをしていたとおっしゃるんです。本当は外を散歩するのが良いのですが、その患者さんのように家で足踏みすることでも骨密度アップにつながります。ポイントは毎日続けること。これなんです。

また、貧乏ゆすりに着目したジグリング運動も重視されているとお聞きしました。

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変形性股関節症が進行して痛みを伴ってくると、人工関節にする以外あまり治療法がないというのが実情なんですね。しかし、手術をせずに何とか痛みを軽減する方法はないかと研究発表などを調べて、少しでも改善がみられればということで一部の方に取り入れたのがジグリング運動なんです。この「小刻みに揺らす」という運動は血流を促進するため、変形性股関節症に限らず、健康維持という側面も期待できるのではと思います。私が最も皆さんにお伝えしたいのは、確証のない情報に飛びつかないでほしいということ。当院は膝や腰などに痛みを感じておられる高齢の患者さんが多く、「痛みに効く」といったような話には敏感です。よくよく話を聞くと、膝の痛みに良いと聞いたからと、逆効果のことを熱心にされていた方もいますので、試される前に、まずは医師など専門知識を持った人へご相談いただければと切に願います。

寝たきりにならないためにも毎日「歩くこと」が大事

自己判断をしないということですね。では、予防も含めお勧めのトレーニングは何でしょう。

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やはり、「歩くこと」ですね。これは先ほどの骨粗しょう症だけなく、健康維持にもつながりますから。30分でも良いので毎日続けること。これがなかなか難しいのですが、骨折しにくい体づくり、健康のため、そしていつまでも人の手を借りずにご自身で歩くことができるように、多くの方に実践していただきたいですね。そもそも体の構造は歩くことを前提にできていますから。例えば寝たきりで、筋肉をまったく使わない状態だと、1日で3%から5%筋肉が落ちるといわれています。それが10日続いた場合を考えると、元の状態に戻すためには、数ヵ月のリハビリテーションが必要になりますので、寝たきりにならないためにも毎日コツコツと歩いていただきたいなと思います。

漢方でのアプローチを試みる場合もあるそうですね。

整形外科ですから痛みに対し、さまざまなアプローチをすることが多く、筋肉痛などでも漢方を処方する場合があります。これも正しい知識としてお伝えしたいのですが、漢方というと体に優しい、緩やかな改善というイメージを持っている方が多いんですね。しかし、漢方には副作用も、即効性が期待できるものもあります。一緒に飲んではいけない組み合わせもありますので、そこはしっかりと注意しなければなりません。勤務医時代は、なかなか東洋医学を取り入れる機会がなかったのですが、救急病院ではさまざまな手段を身につけることができましたので、その対応力は開院してからも非常に生かせています。特に整形外科は同じ疾患でも状態によって治療法がどんどん変化していきますから、アプローチの仕方も豊富なバリエーションを持っていることが強みになります。漢方もその一つですね。

最後に地域の方や、足腰の痛みなどでお悩みの方へメッセージをお願いします。

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今後も患者さんに正しい知識を持っていただけるよう、きちんと検証された確証のある情報をお伝えしていきたいと強く思っています。一番怖いのは、確証のない間違った情報が正しい情報として浸透してしまうこと。スクワットもやり方を間違えると膝を壊してしまいますから。膝に負荷がかかる運動ですので、やり方には気をつけなければなりません。体に良いことであってもやり方を間違えると逆効果になることを、今後も多くの方へお伝えしていけたらと思っています。そして、膝に打つ注射の痛さの有無は医師の経験でかなり違うと考えています。そういう意味では、救急病院勤務時代も含めかなりの本数を扱ってきましたので、来院への迷いやご不安を感じていらっしゃる方は、そこも判断の材料にしていただければと思います。

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