全国のドクター9,097人の想いを取材
クリニック・病院 161,402件の情報を掲載(2020年3月29日現在)

  1. TOP
  2. 東京都
  3. 世田谷区
  4. 千歳烏山駅
  5. 腎内科クリニック世田谷
  6. 菅沼信也 院長

菅沼信也 院長の独自取材記事

腎内科クリニック世田谷

(世田谷区/千歳烏山駅)

最終更新日:2019/08/28

13375 df 1 main 1382412062

京王線千歳烏山駅北口から商店街の中を歩いて5分ほどの所にある医療法人社団菅沼会「腎内科クリニック世田谷」は、腎臓病、糖尿病と人工透析治療施設として専門性の高い医療を提供するクリニックだ。瀟洒なマンションのような佇まいの建物は2013年4月に増築工事を終えたばかりで、菅沼信也院長が思い描く理想の透析医療実現の場が完成した。最新鋭の全自動透析装置を導入し、6時間の長時間透析や夜10時までの夜間透析にも対応するなど最新治療を積極的に取り入れることで「元気で、長生き」を目的とした透析医療を提供。食事療法や薬物療法を中心に、あらゆる治療で腎機能を低下させない透析予防にも力を入れている。地域の腎臓病・糖尿病・透析専門医療施設として世界最高水準の診療レベルをめざし、常に進化を続けるクリニックについて、菅沼院長にお話しを伺った。
(取材日2013年9月18日)

最新の設備と治療法で、透析患者の「元気で、長生き」を支える

どのような主訴を持つ患者のためのクリニックですか?

13375 df 1 1 1380880440

腎臓は血液中の水分や老廃物を尿として排出し、水分・血圧の調節などの働きがあるほか、ホルモンを分泌する内分泌系臓器として骨を維持する、血液を作るといった重要な役割があります。糖尿病腎症、慢性糸球体腎炎、腎硬化症といった病気になると腎臓の機能が低下していき、慢性腎不全から腎機能が失われた末期腎不全の状態になると人工透析(維持透析)が必要になります。現在末期腎不全のために透析治療を必要とする患者さんは日本全国で年々増加していて、2011年末で30万人を超え、人口に対するその比率は台湾に次いで世界第二位に達しています。私は大学卒業後に、透析医療でも世界的に有名な東京女子医大の腎臓内科に入局し、全国から集まる多くの患者さんの症例を目にして来ました。当院は、腎臓疾患の早期発見・早期治療に努め、食事療法・薬物療法を中心にあらゆる治療を実施することで、腎機能低下防止に全力を尽くし、透析が必要になった患者さんには、これからも元気で長生きできるよう安全で快適な質の高い透析治療を提供しています。

施設の増改築で改善された点は?

2008年10月に開業した当初は人工透析を行うベッド数は7床からスタートしました。その後29床まで増床しましたが満床になることが増え、新規で患者さんをお受けできない状態になってきました。そこで2013年4月に新棟を建設し第2透析室を設けてベッド数を46床まで増やしました。ベッド数を増やしたことで、これまで透析時間の最長が5時間10分でしたが、6時間透析も可能になりました。透析治療においては透析量が多い程、治療効果が高いと言われています。透析時間が長ければ時間あたりの除水量が減り透析中の血圧低下も起こりにくくなり、より体への負担が少ない治療になります。私の夢であった長時間透析が可能になったことで、患者さんに更に質の高い治療を提供できるようになったことはとてもうれしいことです。開業から5年でこのような発展を遂げられたのは、支持していただいた多くの患者さんら多くの皆様のおかげであると感謝するとともに、当院の患者さんが元気で長生きして透析治療を続けていらっしゃる証だと思っております。

提供する透析医療の特長を教えてください。

13375 df 1 2 1380880440

当院では最新の設備を導入し、目覚ましく進歩を続ける最新の治療法を取り入れていて、患者さんには治療の選択肢を広く提供しております。例えば、透析と言えば血液透析と考えられているように日本では透析の95%が血液透析(HD)ですが、腎機能が残存している場合は腹膜透析(PD)を行うことで腎機能が保持される効果があります。PDであれば月に1〜2回の通院で済みますが、長期の実施は推奨されないため段階的にHDへの移行が必要になります。このようなPDファースト、週1回のHDとの併用療法も治療の1つの選択肢として患者さんに提案することができます。HDは通常週3回行われますが、当院では個人用透析装置を使用した在宅血液透析(HHD)にも対応し、二日空きをなくした頻回透析も可能となり透析液も自由に選択していただけます。日中に仕事をされている透析患者さんの社会復帰を応援するため、週3日(月水金)夕方5時からの夜間(準夜)透析にも対応しています。帰宅後にすぐに就寝するため、体が楽になったとおっしゃる方もいます。又、定期的に血液ガス分析や身体組成分析等の検査も行い、結果に応じて透析及び薬物処方内容の見直しや調整を行っています。糖尿病患者さんにおける血糖コントロールの指標としては過小評価されやすいHbA1cではなくグリコアルブミン(GA)値を用いたより正確な評価を行い治療に役立てています。

「しっかり食べて動いて、しっかり透析」が、良好な治療成績を実現

全国平均に比べて、透析治療成績が良好な理由は何でしょう。

13375 df 1 3 1380880440

一番の理由は当院の基本的な方針にあると思います。多くの施設で見られることとして、透析患者さんは食事制限が厳しいイメージがありますが、私は間違っていると思っています。栄養状態が良い方の方が長生きされているのです。食事を制限するよりは塩分以外はむしろしっかり召し上がっていただき、たくさん食べることで上昇する尿素窒素、カリウム、リンの数値のコントロールは、透析量を増やすことで対処が可能です。透析量は全国平均に比べ34%位高いことが、当院の良好な治療成績の最も大きな要因のひとつだと思っています。

具体的な治療法としては?

基本方針として「しっかり食べて動いてしっかり透析」を特に推奨しています。栄養状態の良い方、筋肉量の多い方、透析量の多い方がもっとも長生きされています。患者さんにはよく歩くことを薦めている他に、透析中に運動することで透析効率があがることから下肢エルゴメーターという機器を導入し、透析しながら足こぎ運動をしてもらうことで血管年齢も若返り、動脈硬化が改善し非常に調子が良くなった方もいらっしゃいます。また、透析量を増やすために、在宅血液透析(HHD)に対応し、透析回数を増やすことで毒素の蓄積を防ぎ、合併症の防止にもつながります。ベッド数を増やしたことで6時間の長時間透析も可能になりましたし、透析器を通る血流量を増やすため当院ではポンプの速度を平均より約1.5倍に上げて毒素の排出効果をあげています。血流量を上げると心臓に負担がかかり、透析中の血圧が下がると言われていますが、それは全くの迷信です。高血流を行った方が透析中の血圧が保たれ、最も長生きするというデータは、海外でも実証されています。全国平均の数値に比べて、当院の患者さんは平均年齢が4歳程高いにも関わらず、5キロほど体重が重く、筋肉量(%CGR)も15%ほど高く、栄養状態が良い方が多い。中には透析歴40年を超えている方もいらっしゃいます。血流を高くとって透析量の数値(Kt/V)が高いことが、患者さんの元気で長生きにつながっているのです。

患者さんの顔色がとても良いことに驚きました。

13375 df 1 4 1380880440

それはとてもうれしいことですね。透析患者さんは血色が悪く、顔色が黒ずんでいるという一般的なイメージがありますが、当院の患者さんは色白で血色も良いと言われることがあります。当院に来て10キロ以上体重が増えた方もいますし、当院で治療を受けるようになって「とても元気が出た」「食欲が増えた」「血圧が下がった」と喜ばれることも多く、患者さんのそういった変化が見られることが非常にうれしくてやりがいを感じる瞬間です。栄養状態を維持もしくは改善することが患者さんの寿命を延ばすことがわかっていることから、無酢酸間歇補充型血液透析濾過(AF I-HDF)及び前希釈大量液置換オンラインHDF双方が実施可能な生理食塩水の代わりに超純水逆濾過透析液を用いる画期的なJMS社製全自動透析装置GC-110Nによる十分な量の透析を実施しております。欧州でも大量の点滴を行いながら透析を行う大量液置換オンラインHDFで高い生命予後改善効果があるという報告が続々となされてきており、当院ではそうした最新の透析治療に積極的に取り組んでおります。

世界水準の透析治療を広め、全国の透析患者のQOLを高めたい

休日はどのようにお過ごしですか?

13375 df 1 5 1380880440

ドライブ、小旅行や食事等を楽しんでいます。私は長野県飯田市出身で、大学時代は北海道旭川市で過ごしました。冬はアルペンスキー、夏はゴルフを通じて、医師としてのハードな生活を支える基礎体力がつきました。今はスポーツをゆっくりと楽しむ時間がありませんので、腹筋や腕立て伏せといった筋トレを時々行うくらいですね。当院の治療について全国から講演の依頼をいただき、講演活動も行っております。当院の治療法が全国に広がって、透析患者さんが今よりも長生きしてもらえる状況につながれば何よりうれしいことだと思っています。

これから力を注いでいきたいことはどのようなことでしょうか。

透析治療に関しては、開業以来、東京一質の高い治療を提供することを目標として取り組んできましたが、夢の実現のための環境は整えられて、理想の医療に近づいたと思っています。透析治療がなかった時代、末期腎不全になってしまったら、生きる道は残されていませんでした。透析技術が普及したことで腎不全によって命を落とすことなく、健康な人に近い状態で生きていられる時代になりました。それはすごいことだと僕は思うのです。透析で救われた命を、より元気に、より長生きに。これは東京女子医大での方針でしたし、腎臓内科の専門医としての僕の使命だと感じています。世界水準の透析治療を提供できるクリニックとして、ただ透析をするために患者さんがここに来るのではなく、患者さんのQOL(クオリティー・オブ・ライフ)を高められるような医療を提供していきたいですね。そして、今後は透析治療の導入をさせない予防治療、遅らせるための保存的加療にもさらに力を入れて行きたいと考えております。

透析治療に至らないために、若い世代へのアドバイスをお願いします。

13375 df 1 6 1382412062

20〜30代で透析する方は少ないので、自分のこととして考えることは難しいかもしれませんが、将来的なリスクは誰にでもあるものです。年に1度は健康診断を受けていただき、尿蛋白を認める、あるいはCr(クレアチニン)の数値が高く腎機能が低下している結果が出たら必ず専門医を受診してください。また、腎機能を低下させるものとして、高血圧、糖尿病や鎮痛剤の飲み過ぎには注意が必要ですし、喫煙も悪い影響を与えます。また腎臓は脱水に弱い臓器ですので、特に暑い夏に脱水状態にならないように気をつけてください。女性は妊娠に伴い尿蛋白や高血圧を認める方もいらっしゃいます。当院ではNPO法人 腎臓病早期発見推進機構に協力して、慢性腎臓病を早期に発見するための腎臓病検診を年に4回無料で実施しておりますので、活用していただきたいと思います。

Access