菅沼 信也 院長の独自取材記事
腎内科クリニック世田谷
(世田谷区/千歳烏山駅)
最終更新日:2026/01/15
千歳烏山駅より徒歩5分の場所にある「腎内科クリニック世田谷」は、人工透析用のベッド51床と先進の装置を備え、質が高く快適な透析治療を追求している。院長の菅沼信也先生は、東京女子医科大学病院の腎臓病総合医療センターで、腎臓病および透析医療に一貫して携わってきた経験を持つ。腎疾患と透析医療において専門性の高い医療を提供する同院は、2024年5月に美容皮膚科を開設。腎疾患や透析とかけ離れているように感じるが、菅沼院長は「長年透析治療をしている患者さんの皮膚が徐々に黒ずんでいくのを解決したい」との思いから開設に踏みきったのだという。体の健康のためだけでなく、患者や地域住民の精神的な健康にも携わっていくことをめざし、新たな取り組みを始めた菅沼院長に話を聞いた。
(取材日2025年9月12日)
「元気で長生き」をめざし、先進の透析治療を提供
腎臓病の治療に特化したクリニックだと伺いました。

造血や血圧調整に関わるホルモンの分泌、血液中の老廃物や余分な水分を体外に排出する尿を作るなど、腎臓には多くの役割があります。しかし糖尿病腎症、慢性糸球体腎炎や腎硬化症といった病気になると腎機能は低下し、慢性化すると末期腎不全に至って機能が失われてしまいます。この場合に必要となるのが、血液から老廃物などを人工的に取り除くための透析治療です。日本の透析患者数は2024年の統計で約34万人に達しているとされています。当院では糖尿病・生活習慣病に特化した外来を週2日設け、薬物療法や管理栄養士による食事指導などさまざまなアプローチを通じて腎機能の低下を防ぐことに努めています。また、透析が必要となった患者さんには、安全性・快適さを重視した治療を提供します。
こちらでは通常よりも長めの透析時間を推奨しているそうですね。
栄養状態が良く、筋肉量が多く、透析量も多い患者さんのほうが「元気で長生き」が見込めるという数多くの報告があるため、当院では「しっかり食べて、しっかり動いて、しっかり透析」を基本に透析治療を行っています。特徴としては、平均透析時間が5時間超であることと、透析液を直接補充液として大量に使用し、ろ過と拡散を組み合わせることで通常の血液透析では除去しきれない分子量の老廃物を効率的に除去する「オンラインHDF」はもちろん、「間欠補充型HDF」も取り入れています。
どのような透析に対応していますか?

当院では、無酢酸の高レベルの清浄化がなされた超純粋透析液と呼ばれる無酢酸透析液を使用する装置や、先にお話ししたオンラインHDFに対応した先進の透析装置を備えています。また、長時間でも患者さんの負担にならないような透析方法も提案可能です。通院による血液透析は週3回で1回につき4~6時間程度ですが、透析時間が長いと困るという方や負担の少ない長時間透析をご希望の方のために、深夜帯の睡眠時間を利用して1回で8時間行う「オーバーナイト透析」も実施しています。金曜日の夜から行うことで次回の透析までの空白時間を短縮し、身体的負担がさらに軽減できることも利点です。ほかにも、腹部にカテーテルを埋め込んで1日4回各30分ほど自分で透析液を出し入れできる「腹膜透析」や、ご自宅に機械を設置して就寝中に行う「在宅血液透析」など、ライフスタイルに合わせた透析法にも注力しています。
患者のウェルビーイング実現のために美容皮膚科を新設
美容皮膚科を新設されたそうですね。

透析患者さんの中でも、ある特定のタンパク質の数値が高いことと皮膚の色の黒さとの関連が報告されています。当院では「しっかり食べて、しっかり動いて、しっかり透析」をモットーにしていること、そして、HDF療法を導入していることで、肌の明度をキープできるよう配慮していますが、透析歴が長くなるにつれて、尿量減少にも伴う尿毒素の蓄積でどうしても皮膚は少しずつ黒ずむことがあり得ます。また、末期の腎不全の方や抗がん剤を使われている方は皮膚の色が黒くなりやすい傾向にあります。そのようなお悩みを少しでも解消できればと、美容皮膚科の新設を決めたのです。
健康面だけでなく精神面にもアプローチするという考え方ですね。
はい。特に末期の腎不全やがんの患者さんは、どうしても気に病んで内にこもってしまいがちです。しかし私は、ただ治療だけをして生きるのではなく、QOLをも高めて、患者さん一人ひとりが心身ともに豊かな人生を送るべきだと考えています。ですから当院では、幸福で肉体的、精神的、社会的すべてにおいて満たされた状態である「ウェルビーイング」を、透析治療と美容医療を通してかなえられたらと思い、日々の診療に取り組んでいます。当院の基本は腎臓病・透析治療ですが、病気でない方でも美容のお悩みによって気持ちが後ろ向きになってしまうこともあるでしょう。そうした方々のQOLを高めるためにも、新設した美容皮膚科が役立っていくことを願っています。
美容皮膚科ではどのような施術を提供していますか?

皮膚の黒ずみのケアとしては、皮膚の奥深くにある色素細胞にアクセスして色素沈着の改善を図るピコレーザー、ほくろやイボの切除には先進の炭酸ガスレーザーを活用しています。当院には、経験豊富でボツリヌス毒素製剤やヒアルロン酸の注射も可能な形成外科専門の医師もいますので、施術の面でもご安心いただければと思います。また、当院には皮膚の明るさ・白さを数値で表す装置があります。透析治療中の患者さんに限らず皮膚の色素沈着のケアの前後に使用することで、変化を実感していただけたらと思っています。
より良く生きるための治療を今後も追求していく
美容皮膚科の新設にはもう一つの背景があるそうですね。

私は長野県飯田市にある祖父の代から続く菅沼病院の長男として生まれて、ずっと「3代目」と言われて育ちました。しかし父親の専門である消化器内科ではなく腎臓内科を選択したことで実家は継がず、弟に任せて東京に残りました。ところが一昨年に帰省してみると、なんと美容医療を提供していたので驚きました。地域の皆さんにとても喜ばれていると聞き、私も取り組んでみようと思ったんです。
先生ご自身も美容医療に興味があったのですか?
学生時代から人工臓器や美容医療に興味を持っていました。実は人生の転機となる出来事があり、それをきっかけに眼瞼下垂の手術や脱毛など、さまざまな美容医療について学ぶようになりました。美容医療によって心が明るくなり、人生が楽しく、充実した日々を送っていただきたいと思っていますので、気になることがあればまずはお気軽にご相談ください。
読者へのメッセージをお願いします。

当院は、学術的裏づけのある世界水準の治療を通じ、単に透析を行うにとどまらない、患者さんのQOLを高めて良好な生命予後につなげられる医療機関でありたいと考えています。開院以来、よく食べて、よく動き、元気で長生きをめざす「しっかり透析」を追求してきましたが、透析をすることになっても生活を諦める必要はなく、多様な選択肢があると知っていただけるよう、今後も努力を続けてまいります。さらに美容皮膚科の開設によって、患者さんの心の健康も追求していきたいと思っています。腎臓病・透析の患者さんはもちろん、美容に関するお悩みを持っていらっしゃる方にもご利用いただきたいですね。都心まで行かずとも先進の美容医療を受けられる施設があることを知っていただいて、どなたでもお気軽にいらしていただきたいと思っています。
自由診療費用の目安
自由診療とは皮膚の色素沈着のケア/1万1000円~、ほくろの除去/8250円~、イボの除去/2500円~、ボツリヌス毒素製剤の注射/7700円~、ヒアルロン酸の注射/5万9800円~

