全国のドクター9,203人の想いを取材
クリニック・病院 158,615件の情報を掲載(2024年5月06日現在)

  1. TOP
  2. 大阪府
  3. 大阪市阿倍野区
  4. 松虫駅
  5. 潮見クリニック
  6. 潮見 満雄 院長

潮見 満雄 院長の独自取材記事

潮見クリニック

(大阪市阿倍野区/松虫駅)

最終更新日:2023/02/07

潮見満雄院長 潮見クリニック main

阪堺電軌上町線・松虫駅から徒歩3分、大阪メトロ御堂筋線・昭和町駅から徒歩10分の閑静な住宅街の一角にある「潮見クリニック」は、院長を務める潮見満雄先生の父が開業し、地域のかかりつけ医として地域住民の健康をサポートしてきた歴史あるクリニックだ。潮見院長の専門である消化器疾患を中心に内科全般の診療を行い、訪問診療や小児科診療にも積極的。また、忙しい診療の合間に、学校医や阿倍野区医師会の会長職も務めている。精力的に活動する理由は、自身のクリニックだけでなく医療全体の向上に重きを置いているからだという。生まれ育った街の人々に安心を与えたいと日々奮闘する潮見院長に、クリニックについていろいろな話を聞かせてもらった。

(取材日2023年01月23日)

かかりつけ医として内科・消化器内科・小児科に対応

まずはクリニックの特徴を教えてください。

潮見満雄院長 潮見クリニック1

当院は、内科・消化器内科・小児科を標榜する地域のクリニックです。小さなお子さんからご高齢の方まで、地域にお住まいのすべての方を対象とし、通院できない方に対しては、在宅医療やプライマリケアを提供しています。また、私は日本消化器病学会消化器病専門医および日本消化器内視鏡学会消化器内視鏡専門医であり、胃・大腸・肝臓・膵臓などの消化器疾患の検査や治療を専門としています。当院でも腹部超音波検査や胃・大腸の内視鏡検査、日帰り大腸ポリープ切除などを実施しています。ただ、現在は看護師の退職に伴い、月曜日と木曜日の検査は中止しています。体制が整い次第、再開したいと思っていますので、ご不便をおかけしておりますがいましばらくご容赦ください。

どのような患者さんが多いですか?

この辺りにお住まいの定年を迎えた方、ご高齢の方が多いですね。また時間が自由になる自営業の方も多いなと感じます。土地柄もあるでしょうが、ビジネスパーソンは少ないです。これはどの地域でも言えることかもしれませんが、現役世代はどうしても忙しいので「自分のことは後回し」にする人が多い印象です。ただ、皆さんわが子のこととなると別。多少無理をしてでも、子どものための受診はしっかりとしてくださる方が多く、皆さんが熱心に子育てに取り組んでいらっしゃる姿をまぶしく思っています。子どもたちのかわいい笑顔に元気をもらうことも多いですよ。主訴は、風邪や頭痛、腹痛などの急性疾患を中心に、糖尿病や高血圧など慢性疾患の管理、内視鏡などの検査、予防接種を希望される方も多いです。

診察の際、大切にしていることは何ですか?

潮見満雄院長 潮見クリニック2

まずは病気について理解していただけるように、できるだけ丁寧な説明を心がけています。今はスマートフォンやパソコンで事前にいろいろと調べている方も多いのですが、中には間違った情報も含まれています。病気について誤解したままでいると、治療について不信感や不満を感じることが増えます。元気になる第一歩は、ご自分の状態を正しく理解してもらうこと。患者さんの疑問に耳を傾けて、一つ一つ解決できるようわかりやすくお伝えするよう努めています。これはお薬や検査についてもそうで、自分が受ける検査はどんなものなのか、なんのために行うのか、毎日飲んでいる薬がどんなものなのかなどをきちんと知ってほしいと思っています。わからないことがあれば、自分で解決しようとせず、ぜひ気軽に聞いてください。

恩返しの気持ちを込めて、誠実に向き合いたい

病状や検査、薬について、しっかりと理解できていない人は多いと思います。

潮見満雄院長 潮見クリニック3

そうなんです。「医師に言われるままに検査を受けた」、「年齢とともに薬が増えて、気がつけばたくさんの薬を飲んでいる」という人は意外と多く、経緯や理由を適切に理解している人は少ないです。特に薬はその傾向が強く、睡眠薬や鎮痛剤が習慣のようになっている方もいらっしゃいます。当院では、薬は本当に必要な分だけと考えていますので、他院も受診されている場合にはお薬手帳などを用いて、ほかにどんな薬を飲んでいるかをしっかり確認してから処方しています。また、あまりお薬を飲みたくないとおっしゃる場合には、漢方薬をご提案したり、目標の数値を設けて生活習慣の改善で様子を見たりすることもあります。当院は院内処方なので、処方箋でなく実際にお薬を見ながら説明できるので、喜んでいただけることが多いんですよ。

患者さんを大切にされている気持ちが伝わってきますね。

良い医療を実現するためには、当事者である患者さんの希望を聞くことがとっても大切ですからね。ただ、だからといってなんでも言われたとおりにするのが良いとは限りません。時には患者さんにとって耳の痛いことを言うこともあります。とはいえ、このあたりは地元で、父の代からの患者さんもいらっしゃいます。この年になっても「先生」ではなく、「○○ちゃん」と呼ばれることもあるほどなので、なかなか説得がうまくいかないこともありますね(笑)。それでも回を重ねていけば、理解していただけることがほとんどなので、目を見て話し合うことの大切さは日々感じます。これからもお世話になった地域の方々へ、恩返しの気持ちを込めて、誠実に向き合っていたいです。

新型コロナウイルス感染症流行中の今、特に注力していることはありますか?

潮見満雄院長 潮見クリニック4

当院をかかりつけとしてくださっている患者さんを中心に、発熱時の診療も行っています。当院は古い病院で、隔離できる待合室を確保しているわけではないので、電話予約をいただいてからの対応です。また、感染症治療を専門とする病院ではありませんので、中等症以上の患者さんに高度な治療をしたり、迅速な検査をしたりも難しいです。ただ、これまで信頼関係を築いてきた患者さんが不安な時に「うちでは診られない」と放り出すわけにはいかないと思っています。使いやすい特効薬があるわけではありませんが、軽症であればある程度の対処はできますからね。新型コロナウイルス感染症かどうかというよりも、頼ってきてくれる患者さんを助けたい、少しでも安心してほしいという気持ちで奮闘しているところです。

時代が変わっても、変わらない安心を提供し続けたい

先生が医師をめざしたきっかけを教えてください。

潮見満雄院長 潮見クリニック5

このクリニックは私の父が開業し、私は子どもの頃から父が診療する背中を見て育ちました。今は情報も多く、患者さんは自分が望む治療を受けるために医療機関を選びますが、昔は具合が悪くなればまずは近所にある「かかりつけ医」を受診するのが普通だったんです。ですから、父のもとには昼夜問わずたくさんの患者さんが来ていました。通常の診療はもちろん、たとえ夜中や休日の急患でも嫌な顔一つせず、いつでも親身になって対応する父の姿を見ていましたので、ごく自然に「医師ってかっこいい仕事だな」と思うようになったのだと思います。内科の医師になったのは、自分に向いていると感じたからです。実際、日々患者さんと接しながら「医師になって良かった」「内科の医師になって良かった」と思うことが多いです。

診療スタイルなど、お父さまの影響を受けているなと感じることはありますか?

父と患者さんがやりとりする姿が、ずっと私の心に残っていますし、「地域のため、人のための医療をする」ことを教えてくれたのは父かもしれません。そういう意味では、父の影響を大きく受けていると言ってもいいかもしれませんね。ただ、医療は日進月歩ですし、患者さんが求めるものも時代とともに変わっていきます。父のことは尊敬していますが、だからといって父のような医師をめざしているわけではないんです。私は私ですし、今日まで医師として真面目に取り組んできました。だから今は、それでいいんじゃないかなと思っています。毎日患者さんに接しながら、私なりにアップデートしていきたい。すべてを完璧にとはいかなくても、目の前の患者さんに誠実にいたい気持ちは、医師でいる限りこれからも変わらないと思います。

最後に、地域の皆さんにメッセージをお願いします。

潮見満雄院長 潮見クリニック6

開業した当時と比べて、街の様子も人々の考えも大きく変わったなと感じます。特に近年は震災や感染症の流行などもあり、変化のスピードが速くなりました。私が歳を重ねたように、お住まいの皆さんも歳を重ね、一人暮らしができなくなって施設に入居された方もおられますし、他府県に住むお子さんのところへ移り住む方も多くなりました。それぞれの幸せのかたちに寄り添いながら、医師として変わらない安心を提供し続けたいと思っています。時代が変わっても、早期発見・早期治療の大切さは変わりません。気になる事があれば気兼ねなく相談していただけたらうれしいです。

Access