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大江 秀美 院長の独自取材記事

名古屋甲状腺診療所

(名古屋市中区/上前津駅)

最終更新日:2022/01/13

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上前津駅2番出口から1分ほど歩くと、ガラス張りのモダンな建物が見えてくる。2004年の開業以来、甲状腺疾患の検査・治療に力を注ぐ「名古屋甲状腺診療所」だ。2021年4月より同院の3代目院長を務める大江秀美先生は、甲状腺内科を専門に約20年の経験を積んだベテラン医師。女性患者が多くを占めるといわれる甲状腺疾患において、妊娠・出産などの患者一人ひとりのライフイベントに合わせた治療を心がけている。「自分にできる最大限の治療をしていきたい」と熱い想いを穏やかな口調で語る大江院長。今後は甲状腺に関する情報を発信にも力を入れたいと意気込んでいる。そんな大江院長に、これまでの経歴や診療所の特徴、これからの展望について話を聞いた。

(取材日2021年5月25日)

3代目院長を務める、甲状腺内科のベテランドクター

院長に就任されて2ヵ月だそうですね。まずはこれまでのご経歴を教えてください。

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出身は岡山県です。香川医科大学(現・香川大学医学部)に進学し、卒業後は研修医として市中病院の内科で経験を積みました。その後、神戸の隈病院に勤務し、甲状腺内科の医師としてのキャリアをスタートしました。2001年のことです。後に米国のVA Greater Los Angeles Healthcare Systemに2年半ほど留学し、甲状腺に関する研究を行いました。帰国後は2010年から当院の系列である東京の伊藤病院で働き、2018年から当院での勤務を開始、2019年に副院長となり、2021年4月に院長に就任しました。

医師を志し、甲状腺内科を専門にしようと思われたきっかけは何ですか?

子どもの頃から漠然と専門職に就きたい、人の役に立つ仕事をしたいと思っていました。医学部をめざそうと決めたのは高校生の時で、身内に医師がいたことも興味を持つきっかけになったと思います。大学卒業時に内分泌のグループに入局したのですが、甲状腺内科の道に進んだのは、ホルモンという体の中のほんの少しの物質が、人の様相や体型を大きく変えるほどの力を持つことに興味を抱いたことがきっかけです。

甲状腺疾患は女性の方に多いと聞きました。診療所には日々どんな患者さんがいらっしゃいますか?

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はい、当院の患者さんもほとんどが女性です。年齢層は幅広く、下は小学生から上はご年配の方までいらっしゃいますが、最も多い年代は20~40代。愛知県だけではなく、岐阜や三重からも通院されています。ホルモンの過不足による不調を訴える方が多く、症状としては倦怠感、動悸、体重の増減などです。インターネットでご自身の症状を検索して甲状腺疾患を疑って受診される方もいますし、最近は人間ドックなどの検診で血液検査や触診、頸動脈エコーを受けた結果、受診を勧められたといったケースがよく見られます。ほかには、不妊専門のクリニックからのご紹介で来られる方もいらっしゃいます。

甲状腺疾患の治療は長期にわたることが多いのでしょうか。

慢性の患者さんが多いのが甲状腺疾患の特徴です。慢性疾患で治療も長期にわたるため、中には調子が良くなったからといって治療を自己判断でやめてしまう方もいらっしゃるんです。なので、そういった事態にならないよう、診療の際は治療を中断したらどういう状況になるかをお伝えし、もし当院に通うことが負担だという訴えがあれば、自宅に近い通いやすい場所にあるクリニックをご紹介することもあります。治療方針を先々までお話しして見通しが立つようにこちらからお伝えすることも治療のモチベーションを保つためには大切だと感じています。

診療体制・検査機器を整備し、幅広い治療に対応

普段の診療で心がけていることは何ですか?

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患者さん一人ひとりの生活やライフプランに沿った丁寧な治療を心がけています。例えば甲状腺疾患の一つであるバセドウ病の患者さんの場合、妊娠中に使用する薬の選択にも配慮が必要ですし、出産の際にも病状によっては母子ともに包括的に診てもらう必要があるので、総合病院をご紹介するケースもあります。また、スポーツをしている学生さんに対しては、より早い段階でいい状態へ持っていけるように、治療内容を配慮しています。患者さんのことを大切に想い、私ができる最大限のことをして差し上げたいと常々思っています。

2階には検査室があるのですね。検査機器の多さに驚きました。

当院は「伊藤病院と同等の診査診断が行える設備を」というコンセプトのもと設備が整えられています。例えば甲状腺疾患の疑いがあり、倦怠感が強い方に対して、検査をして結果を1週間後に伝えるとなると、治療もその分遅れてしまいますよね。そうならないためにも、血液検査や超音波検査などある程度の段階までは検査結果を即日でお伝えできるようスピード感も大切にしています。また当院では、アイソトープを使った検査や治療も可能ですので、バセドウ病や甲状腺がんの診断・治療も行うことができるのが強みだと思います。一方で放射線治療は受けたくないという方には外科的な手術を選択することもできますので、患者さん一人ひとりのご要望や状況にできるだけ沿うかたちで治療方針を決められます。

スタッフ体制について教えてください。

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医師は常勤・非常勤合わせて12人、看護師、臨床検査技師、診療放射線技師、ほかに事務などのスタッフ総勢20人ほどで力を合わせて診療にあたっています。診察の最後には「何か困っていることはないですか? 質問はないですか?」と患者さんに声をかけ、通院が苦痛になってしまわないように気配りを忘れない、患者さん想いの先生もいますし、看護師にもいつも助けられていると感じています。診察室には医師のほかに看護師が1人つくのですが、専門知識も豊富ですし、医師が説明しきれなかったことを補足してくれたり、診察中に動揺されている患者さんのフォローをしてくれたり、力になってくれています。伊藤病院とのオンラインでの勉強会や地域のウェブ講習に参加するなど、スタッフも研鑽を積んでくれています。感染対策をとりながら部署ごとのミーティングも適宜行っており、問題点や改善点は全体で共有しています。

早期発見につなげるため、甲状腺疾患の啓発に取り組む

印象に残っている患者さんはいますか?

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神戸の隈病院で診ていた、当時高校生だった患者さんが結婚を機に東京へ引っ越しをされたんです。私も同じ頃、伊藤病院へ移りましたので、神戸だけでなく東京でも私が診察を担当したんです。その方は治療を続けながら出産をされて、今は3人のお子さんのママとなりました。10代の頃から彼女の人生をずっとそばで見てきたので、長くお付き合いが続いていることをとてもうれしく思っています。

今後の展望についてお聞かせください。

以前から前院長の椿先生が甲状腺に関する講演会やセミナーをされていたのですが、今は新型コロナウイルスの感染拡大の影響で開催を見合わせており、状況が落ち着いたら、私も継承していきたいと思っています。甲状腺というものの存在自体ご存じない方や病気に気づいていない方もいらっしゃいますしね。今後、甲状腺疾患や治療について皆さんにお話しできたらと思っています。

最後に、読者へのメッセージをお願いします。

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甲状腺疾患は心疾患や更年期障害、糖尿病などほかの疾患と自覚症状が似通っていることも少なくないので、患者さん自身で病気に気づくことは容易ではありません。また、疾患の原因など解明されていない要素もあり、予防も難しいのが現状です。ですので、正しい診断をして初期の段階で治療につなげていくことが、症状を悪化させないためには重要です。少しでも異常が見受けられたら、まずは検査を受けることをお勧めします。検査の結果、何も問題がないなら何よりですので、どうぞ気軽にご来院ください。

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