安積 祐実 院長の独自取材記事
あづみ眼科クリニック
(世田谷区/世田谷駅)
最終更新日:2026/01/05
東急世田谷線世田谷駅からすぐの「あづみ眼科クリニック」。清潔でナチュラルな雰囲気の待合室には観葉植物やアートが飾られ、リラックスできる空間だ。院長の安積祐実先生は、「患者さんの目を守りたい」という強い思いから、地域に根差した診療を提供し、特に緑内障治療に注力。20年以上の経験を生かし、幅広い年齢層の目の不安の解消を図り、「来て良かった」と思ってもらえるような温かみのある対応を心がけているという。明るく穏やかな口調から誠実さがにじみ出る安積院長に、新しく導入した機器や日々の診療、患者に伝えたいことなどを聞いた。
(情報更新日2025年12月9日)
安心して受診してもらえる雰囲気づくりを
眼科の医師になろうと思った経緯を教えてください。

父の仕事の関係からアメリカで生まれて5年を過ごし、ドイツ・フランスを経て小学校3年生の時に日本に戻りました。小学校高学年くらいで「人の役に立つ仕事をしたいな」と思い始め、海外で生活していたこともあり外交官を考えた時期もありました。しかし、風邪を引きやすくて小児科に通うことが多かったため、医療のありがたさや重要性にふれていくうちに、医学の道をめざそうと決意しました。眼科を志したきっかけは家族が目の病気になったことが大きいと思います。その頃は詳しい知識もなく、「失明してしまう病気では?」と怖くなり、眼科に興味を持ち始めました。
医学の道に進んでからのご経歴をうかがえますか?
東京女子医科大学在学中に、ベルギーのブリュッセル自由大学へ交換留学生第一期生として留学し、現地で小児科や脳外科、救命救急を学びました。東京女子医科大学卒業後は、同大学病院の眼科に入局。手術用顕微鏡を用いて微細な手術を行うマイクロサージャリーに興味があり、白内障の手術が一人でできるようになるまで糖尿病網膜症の分野で知られる堀貞夫名誉教授に指導していただきました。結婚後は、主人が在籍していた島根大学でいろいろな手術に携わることができました。その後、現在もときどき緑内障専門の外来の手伝いに行っている、東京女子医科大学病院の眼科へ戻りました。オリンピア眼科病院と、当院の近くにあった柳沢眼科の外来も手伝っていたところ、柳沢眼科の院長から継承を依頼され、場所を新たに2020年3月にここで開院しました。
こちらではどのような診療をされているのですか?

診療内容は、白内障、緑内障、黄斑疾患、ドライアイ、結膜炎、甲状腺眼症、小児眼科、眼鏡・コンタクトレンズ処方など幅広く、赤ちゃんからお年寄りまで年代を問わず対応しています。設備に関しても、継承後は視力検査機器を2台に増設し、患者さんをお待たせしないように体制を整えました。視野検査機器もバージョンアップしています。視野検査は、視界の中心を注視しながら周辺の光が見えたらボタンを押すものですが、周囲の光がわかりやすいときもあれば、意地悪な光り方をするときもあり、患者さんの中には緊張して中心部分から目を離して光を探してしまう方もいらっしゃいます。そうすると検査の信頼度が下がるので、患者さんのストレスが少なく済むようにレンズの大きいものを導入しました。他にも、網膜神経線維層の状態を詳細に把握できるOCT(光干渉断層計)を導入し、緑内障や加齢黄斑変性などの早期発見に役立てています。
クリニックについて気を配っていることはありますか?
幅広い年齢層の方がいらっしゃるので、車いすの方でもご利用しやすいように、トイレの入り口を広く設計しました。また、患者さんが怖がらずに安心して受診していただける雰囲気づくりを大切にしています。治療に力を入れている緑内障は早期発見・早期治療が重要なだけに、怖いからと敬遠するような場所ではいけないと考えているからです。リラックスして受診できる環境づくりのため、スタッフとはコミュニケーションを密に取って、患者さんに関する情報を細かく共有します。こうした日々の連携の積み重ねが、通いやすい雰囲気をつくると思っています。
若年層にも増えている緑内障は早期発見が肝心
注力されている緑内障の診療で気をつけていることはありますか?

緑内障は視神経が傷んでいく病気で、一度失われた視野は元には戻りません。そのため進行を遅らせるための治療が重要です。失明のリスクを心配される方も多いので、薬の必要性を丁寧に説明し不安を和らげるよう心がけています。治療の継続には時間的・経済的な負担もかかるため、その点も十分にお話しします。特に若い方は転勤や引っ越しが多い方もいるので、転居先でも必ず眼科受診を続けるようにお伝えしています。緑内障に限らず、目の病気は患者さんご自身が思うよりも深刻に進行してしまうことも少なくありません。目の病気になった私の家族も働き盛りで忙しく、決められた通院ができなかったり、点眼を失念したりして視野障害が進行してしまいました。家族のようなケースを防ぐためにも、緑内障の患者さんには眼圧を下げられればどれくらい視野を保つことができるか、そのための通院と点眼がどれほど重要かをお話しするようにしています。
緑内障はどのような治療を行うのですか?
まずは眼圧を下げるための点眼薬を使用します。緑内障治療は日々進歩し、点眼薬の種類も豊富で、最近も新しい点眼薬の処方を開始しました。一つの薬が適さない場合は他のものを組み合わせて対応します。副作用が出る場合や、心疾患や喘息を抱えた方が使用できない薬もありますが、患者さんの状態に合わせてご提案しています。点眼薬だけで進行を抑えるために重要なのは早期発見。点眼薬だけでは進行が止まらない場合には、レーザー治療や手術も検討します。
緑内障は若い人にも増えていますか?

30代の患者さんも当院には何人かいらっしゃいます。一般的に40歳以上の20人に1人が緑内障といわれていますが、診断されていない方が多いのが現状です。40歳未満だと眼科にかかる機会が少ないことも一因でしょう。若い方の緑内障は特に強度近視がある場合にリスクが高まります。また、血縁に緑内障の方がいる場合も発症リスクが上がるため、30代でも一度眼科検診を受けることをお勧めしています。コンタクト販売店などに通っている方も視神経まで詳しくチェックしていないケースも多いので、特に強度近視や家族歴がある場合は、眼科専門の医師にかかり、目の奥まで検査することが大切です。最近は日本眼科医会の啓発の影響もあってか、「40歳を超えたら眼科受診を」という認識は広がりつつあります。緑内障は一度検査を受けると経過がある程度見通せるので、検査を受けることで安心していただけると思います。
40歳を超えたら、症状がなくても一度眼科受診を
バセドウ病に合併する甲状腺眼症の診療も可能だとか。

私はバセドウ病専門のオリンピア眼科病院に非常勤で勤務していました。そこは大学病院で対応が難しいケースも集まる場所で、一般的には診る機会が少ない甲状腺眼症にもたくさんふれてきました。そのため治療が必要か、経過観察で良いか、MRI検査が必要かなどの判断を迅速に行い、適切な対応につなげることが可能です。例えば「目が出てきた」「目の大きさが違う気がする」といった主訴がおありの方の顔や状態を診て、純粋な目の不調なのか、甲状腺疾患が関係している可能性があるのか判断し、内科で甲状腺検査を受けるようご案内することもあります。必要に応じてオリンピア眼科病院とも連携して対応しています。
他によく受ける相談はありますか?
世田谷区立桜小学校の校医をしていて特に気になるのが、お子さんの近視。高学年の約半数が眼鏡をかけていて、デジタルデバイスの使用が増えた影響を感じます。「暗いところで本を読まない」「目と本の距離を30センチ以上保つ」「漫画やゲームは30分ごとに休憩する」などが大切なので、お伝えしています。また、私と同年代の方からは「近くも遠くも見えづらくなった」というご相談も増えています。今は遠近両用のコンタクトレンズなどもありますので、若い頃のような見え方をめざして、その方のライフスタイルやシチュエーションに合わせた度数調整で対応しています。見え方が変わって喜んでもらえたらうれしいですね。
読者へのメッセージをお願いします。

患者さんの気持ちに寄り添い、恐怖心や不安を少しでも軽減して、元気に帰っていただけるよう努めています。今後も「来て良かった」と感じていただけるよう、きめ細かく温かい対応を心がけてまいります。40歳を目安に一度受診いただきたいですし、その他気になることがあれば、何でもご相談ください。

