森田 修 副院長の独自取材記事
森田眼科
(川口市/西川口駅)
最終更新日:2024/07/10
JR京浜東北線・西川口駅から徒歩4分。2023年11月にリニューアルオープンした「森田眼科」は、間もなく開院25年を迎える。リニューアル後に診療に加わった森田修副院長は、母である小田典子院長とともに地域に貢献したいという思いから、クリニックの強みとなる診療技術を身につけるべく、確かな目的を持って研鑽を積んできた。柔和な笑顔と気さくな話しぶりが印象的な森田副院長は、「患者さんにとって、信頼できる目のパートナーでありたいんです」と語る。親しみやすい中にも一本芯の通った真摯さをうかがわせる森田副院長に、診療方針や患者への思いについてたっぷり語ってもらった。
(取材日2024年6月10日)
生まれ育った地に貢献したいという思いで、診療に合流
地域に根差した診療を続けてこられたと伺いました。
そうですね。当医療法人は西川口で50年以上、3代にわたって診療を行っています。西川口は私自身にとっても生まれ育った場所ですし、ゆくゆくは地元に貢献したいという気持ちを持っていました。川口市では白内障手術をしているクリニックはあっても、緑内障手術や網膜硝子体手術に対応するクリニックは少なかったので、そうした勉強をすることが、母が院長を務める当院の強みになると考えました。とはいえ、きちんと患者さんに貢献できるだけの技術を身につけなければならないので、大学卒業から10年をかけて経験を積んで、2023年から当院で働き始めました。
現在の患者層について教えてください。
当院は医師2人体制で、院長は一般的な眼科疾患や小児を対象とした近視抑制への助言を、私が緑内障や白内障、網膜硝子体手術を担当しています。小さなお子さんから80代の方まで、年齢層はかなり幅広いですね。長年この地域で診療していることもあって、患者さんはこの周辺にお住まいの方が中心です。私は今も大学病院でも働いていますので、1時間以上かけて通院される患者さんをたくさん診ていますが、「都内まで出なくても手術が受けられる」ということで当院にお越しいただく方も少なくありません。年齢を重ねて付き添いが必要な方や、術後の負担を感じやすい患者さんを診ていると、身近な場所で手術にも対応できるクリニックをつくれて良かったなと感じています。
先生が医師を志したのは、ご家族の影響が大きいのでしょうか?
私は代々医師の家系に生まれ、両親も祖父も医師でした。家族が働いている姿を見ていて、自然と医師をめざしたように思います。また、自分の意欲のために行う仕事よりも、目の前の困っている人のために頑張れる仕事に魅力を感じていました。学生時代は救急診療科に関心があったのですが、「人を喜ばせるような仕事をしたい」という気持ちが強かったので、患者さんと長くコミュニケーションを重ねながら機能回復に向けて関わることができる眼科に進みました。眼科は目の機能にダイレクトに関わるので、患者さんに笑顔で帰ってもらえるやりがいを感じます。その反面、これ以上の視機能の回復が見込めないような厳しい状況に直面することもあります。だからこそ、患者さんが私を頼ってくださる気持ちに応えられるよう、知識をアップデートすることを忘れないようにしたいですね。
一般眼科から緑内障・白内障・網膜硝子体手術にも対応
先生の診療方針について教えてください。
やはり、「患者さんファースト」が私の診療方針だと思います。私が考える「患者さんファースト」とは、医師が患者さんのためになることを常に考えて、患者さんの目線に立ち、症状に対して適切な医療を提供することです。せっかく医師になったのだから、目の前の患者さんのためになることを、医師としてしっかりと応じたいです。医師と患者も人間同士ですから、どちらが上だとかではなく対等な信頼関係を結んで、目の病気に立ち向かうパートナーとして手を組みたいと考えています。医師だけが頑張っても良い治療結果にはなりませんし、患者さんだけが頑張っても同様です。なので、私は患者さんの目のパートナーでありたいと考えています。
クリニックでは、日帰りで緑内障や白内障の手術が受けられるそうですね。
私は現在も大学病院に勤務しており、難治性の白内障手術や緑内障手術に多く取り組んでおります。特に緑内障手術に関しては大学病院で責任者を務めており、緑内障手術に関する講演や発表、論文の執筆も行っています。大学病院での診療や手術と同じ質の医療が地元で受けられることは、患者さんの安心にもつながっていると思います。白内障は、加齢などによって目の中のレンズである水晶体が濁って、視力が低下していく病気です。緑内障は視神経の障害により視野が狭くなる病気で、40歳以上の約20人に1人が抱えているにもかかわらず、ご自分の症状に気づいていない方が大半です。緑内障は失明にもつながりますので、自覚症状がなくても定期的に眼科検診を受けていただきたいです。当院では、状態にもよりますが、緑内障の日帰り手術にも対応していますので、目のかすみや見えづらさを感じている方は、まずはご相談ください。
網膜硝子体手術も受けられると伺いました。
加齢や病気によって目の奥にある硝子体や網膜の状態が変化することで、網膜剥離や硝子体出血などの症状になり、見え方が変わってしまったり、失明の危険が生じたりする場合があり、そういった患者さんの手術を行います。網膜剥離の場合は目の中に空気を入れるので、術後はうつ伏せで過ごしていただかないといけません。当院では対応が難しい状態の場合は、私が勤めている大学病院で手術を行うことも可能です。診察から手術、術後の経過観察まで一貫して一人の医師が責任を持って担当できるのが、当院の強みです。もちろん、他の病院での手術をご希望の場合には責任を持って紹介状をお書きします。その場合でも術後のフォローは当院で受けることができます。普段から同じような手術を行っている医師が前後のフォローをするだけでも管理の質が異なり、より安心して通院できると考えています。
めざすのは、身近な「目のパートナー」
患者さんに接する時に、どんなことを心がけていらっしゃいますか?
当たり前のことかもしれませんが、気持ちのいいあいさつをして、なるべく目を見てお話しするように心がけています。私は患者ファーストであることを大切にしていますが、時には医師としてはっきりと厳しい現実をお伝えしなければならない場合もあります。ですので、診察終わりにはなるべく視線を合わせて、和やかな雰囲気でお声がけするようにしています。基本的に、医療機関は楽しいポジティブな場所ではありませんので、患者さんが少しでも安心して、次に来院しやすい雰囲気づくりを忘れないようにしたいです。
今後の展望について教えてください。
一般眼科の診療から手術まで対応できる点は当院の強みではありますが、実のところ、めざしているのは「何かちょっと気になることがあった時に、患者さんの頭に思い浮かぶ眼科クリニック」なんです。3代にわたって西川口で診療し続けていますが、より身近な存在でありたいなと思います。そのためには一人ひとりの患者さんに向き合いながら、診療以外の環境も整えていくことが大事だと考えています。その上で、自分自身が腕を磨き、知識をアップデートしていくことを常に忘れないようにしたいです。医療への情熱を持ち続けることが、患者さんのためになると信じています。
最後に、読者へのメッセージをお願いします。
私は、医師と患者さんは、心身の悩みに対してともに向き合っていくパートナーだと考えています。目に関して何か気になるな、困ったなと思った時に当院を選んでいただけたら、スタッフ一同、患者さんと一緒に手を取り合って立ち向かっていきます。悩んでいて相談できずに症状が悪くなってしまうのが一番良くないことですから、ちょっとしたことだからと遠慮しないでほしいと思います。まずは少しだけ勇気を出して、足を運んでみてください。当院は駅からも近いですし、19時まで診察しているのでお勤めされている方も通っていただきやすいと思います。医師は毎日何十人という患者さんを診ますが、患者さんにとっては医師から診療を受けられる大切な時間です。一つ一つの診療の場を大切に、誠意を胸に向き合っていますので、まずはお悩みについてお話を聞かせてください。