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菊池 淳 院長の独自取材記事

菊池産婦人科

(世田谷区/経堂駅)

最終更新日:2021/10/12

菊池淳院長 菊池産婦人科 main

1955年開業という長い歴史を持つ「菊池産婦人科」。経堂の町に半世紀にわたって根付いた信用はとても大きい。「当院で生まれた人のお嬢さんが今は母となり、ここに通院されてますよ」と話すのは院長の菊池淳先生。4D超音波診断装置も導入し、「お子さんの顔を見ると、自分のことのようにうれしくなります」と明るく語る。女性の一生と深く関わるこの仕事はハードだが、その分喜びも大きいそうだ。真摯さと優しさを併せ持つ魅力的なドクターを取材した。

(取材日2010年5月27日)

ここで生まれた子が母に。歴史ある産婦人科医院

こちらの医院が開業したのは、1955年だそうですね。

菊池淳院長 菊池産婦人科1

はい。先代院長である父がこの地に開業して、もう半世紀になります。私が当院を引き継いだのは一昨年の11月。それまでは日本大学医学部付属練馬光が丘病院に勤務していましたが、父の訃報を受け、短期間のうちにさまざまな手続きを終え、当院の診療を再開したのです。患者さんからも随分安心していただきましたね。この経堂の町は私の生まれ育った地元。患者さんも50年前に当院で生まれた人の娘さんが通っておられます。父の時代と比べると、現在は産婦人科の医師にとって厳しい時代かもしれません。しかしずっと父の姿を見てきましたし、大学病院でもさまざまなシーンに立ち会いました。産婦人科を選んでよかったと思っています。

昔と比べて産婦人科をとりまく状況は厳しくなっているのでしょうか?

産婦人科を志願する医師自体が少ないですからね。人手が少ない分仕事量が膨大なんです。私も、勤務医時代は昼間の勤務はもちろんのこと、月の半分は当直でしたし、産科に始まり婦人科系の領域を一通り担当していました。肉体的にも、精神的にもハードでした。にも関わらず、こうして続けてこれたのは、それを上回るやりがいがあったからです。実は私、医師になった最初の3年間は麻酔科の医師だったんです。最終的には産婦人科の医師をめざしたのですが、なぜ麻酔科を選んだかというと、産婦人科ではお産を扱います。時には患者さんの容体が急変することもありますし、急変した患者さんがやって来るケースもあります。そこで何もできない医師では困ります。そのためまずは麻酔科で経験を積み、救急救命の現場にも頻繁に駆け付けました。このような経験が、今の私を支えてくれていると思います。

勤務医から開業医へ。何が大きく変わりましたか?

菊池淳院長 菊池産婦人科2

大きく変わったのは意識かもしれません。大学病院に勤務していた頃は、「大学病院」という看板があったわけです。患者さんも「とりあえず、大学病院に行っておけば安心かな」と考えて通院される人が多かったと思います。しかし開業医となったからには、事情は違います。当院に来てくださる患者さんは、あえて当院を選んでくださった人たちです。数多くの産婦人科医院がある中で、あえて「菊池産婦人科に行く」と決めて来院された方々です。なのでここに来てくださる患者さん一人ひとりに丁寧に、そして十分に診察すること。このことを常日頃心がけています。

各種不妊治療や、4D超音波検査も導入

不妊治療にも対応されていますね。

菊池淳院長 菊池産婦人科3

不妊治療には大きく分けてタイミング法、人工授精、体外受精というアプローチがあるのですが、当院ではタイミング法と人工授精を行っています。不妊については女性だけでなく、男性が原因の場合もあります。いわゆる男性不妊ですね。しかし今では現在、人工授精については精液の処理の技術が進歩し、男性不妊についても対応できる機関があるので、決して諦めないでほしいです。まずはご夫婦2人で検査を受けるようにしてください。

不妊治療を行う上で、注意していること、心がけていることはありますか?

時間を無駄にしないことです。これまで私が対応してきたケースでは、人工授精は3回ぐらいで成功する方が多いんです。逆に5回、6回と挑戦しても残念ながら結果のでない場合、患者さんのご希望をお聞きして次のステップである体外受精に進めるよう、専門の医療機関に紹介の手続きをとっています。大切なのはだらだらと治療を長引かせるのではなく、時間を無駄にしないこと、そう考えています。不妊治療は事実とても根気がいる治療ですが、しかし妊娠なさったときは本当にうれしいです。患者さんもうれしいですし、私自身も「やった!」と心の中でガッツポーズしてますよ(笑)。

4D超音波検査も人気のようですね。

菊池淳院長 菊池産婦人科4

赤ちゃんの様子をリアルタイムで見ることができますからね。皆さん感動されてます。遠くからわざわざやって来られる方も多いですね。20週から30週の方が対象ですが、クリアに赤ちゃんの様子を見られるのは24週から28週の間。お撮りした後は必ず録画した動画をDVDにしてお渡ししています。中には赤ちゃんの顔の向きや羊水の量によってうまく見えないこともあるのですが、そのような場合は日を改めて無料で撮り直ししています。おなかの中にいる赤ちゃんの顔って、本当にかわいいんです。指をしゃぶっているシーンに出会うこともありますよ。子どもと同じような仕草をしてますからね。患者さんも喜んでますが、私自身が一番楽しんでいるかもしれません(笑)。

女性の一生と付き合い、「命」について考える診療科目

忘れられないエピソードはありますか?

菊池淳院長 菊池産婦人科5

勤務医時代のことです。産科の病棟と婦人科の病棟がドア一枚で隔てられていました。婦人科の病棟にはがんの患者さんも多く入院しておられ、中にはお亡くなりになる人もいました。一方で産科の病棟では今にも赤ちゃんが生まれそうな妊婦さんがおられました。お亡くなりなる患者さんと、出産をする患者さんが、1日に何人も重なることも多かったです。片方で人が亡くなり、片方で人が生まれる……。やはり産婦人科というのは、人間の誕生から最期の瞬間まで、女性の一生を見ていく診療科目なんだと痛切に感じたこともあります。あらためて「命って何だろう?」と考える機会に恵まれましたね。

休日はどのようにリフレッシュされていますか?

わが家には男の子がいるので、休日にはよく公園で遊んでいます。最近、息子は虫に興味を持ち始めていて、先日も公園で虫を捕まえたのですが、あいにく妻が虫が苦手で家に置いておくことはできません。なので「じゃあ、虫ちゃんたちをお家に帰そうね」と、二人でとぼとぼと公園に戻りました。こうやって一緒に過ごす時間が何よりのリフレッシュ。子どもの顔を見ると仕事でつらいことがあっても頑張れます。私自身子どもを授かったのが遅く、それもあって不妊治療が成功すると本当にうれしいんですよ。ちなみに妻も私と同じ産婦人科の医師。互いに情報交換もできますし、また女性の心理についても教えてくれ、毎日の診療にもとても役立っています。

女性の読者にメッセージをお願いします。

菊池淳院長 菊池産婦人科6

子宮頸がんの検診や予防ワクチンをぜひ受けていただきたい。子宮頸がんは20~30代で急増していますが、検診とワクチンで確実に予防できます。そして、低用量ピルを上手に使ってもらいたいです。日本で販売されてもう10年ぐらいになりますが、中用量ピルに比べ、低用量ピルの副作用は大幅に軽減されています。それでもまだピルの服用に抵抗のある人はいるかもしれませんが、一方で望まない妊娠をする人は今もなお後を絶ちません。ピルは安全に使える薬の一つです。そして最後に、当院ではデリケートになりがちな内診の診察をできるだけ患者さんが痛みを感じないように行っています。私が麻酔科出身ということもあって、人が痛がることに耐えられない性分なんです。なので安心して受診していただきたいです。妊娠や不妊だけでなく、生理痛やおなかのしこりなど、気になることがあれば気軽にご相談ください。

自由診療費用の目安

自由診療とは

子宮がん検診/5500円

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