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上野 員義 院長の独自取材記事

うえの耳鼻咽喉科クリニック

(鹿児島市)

最終更新日:2021/10/12

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青空のようなブルーにピンクのかわいいゾウのイラストが描かれた看板が印象的な「うえの耳鼻咽喉科クリニック」。2001年の開業以来、幅広い年齢層を対象に地域医療に貢献し続けている。整理整頓された院内は清潔感あふれ、患者手作りの小物や子どもの患者からの手紙が掲示してあるなど、アットホームな温かみが感じられる。院長の上野員義(かずよし)先生は、鹿児島大学医学部を卒業後、同大学病院に勤務しながら大学院で博士号を取得。その後、米国の大学や研究所でリサーチフェローや客員研究員を務めて研鑽を積んできた。開業後は、身近なかかりつけ医として診療に力を入れる上野院長に、診療方針や多い主訴、医師をめざしたきっかけなどたっぷり話を聞いた。

(取材日2021年6月25日)

耳・鼻・喉の診療で患者のQOL向上をめざす

クリニックの看板にあるピンクのゾウのイラストが印象的ですね。

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これが当院の一番の特徴かもしれません。耳も鼻も大きなゾウをイメージキャラクターにしている耳鼻咽喉科のクリニックは多いと思いますが、当院のゾウはちょっと変わっています。この原画は、僕の息子が小学1年生の時の動物園遠足で描いた絵で、目が大きくて2本足のゾウさんです。もうその息子も耳鼻咽喉科の医師になって東京で勤務医として働いています。大人が見るとこの絵はまるでオオアリクイのようですが、子どもにはすぐゾウさんとわかるようで、「ゾウさんの病院」と覚えてくれるようですね。

こちらの診療方針や先生の専門分野などについてお聞かせください。

赤ちゃんからお年寄りまで、耳・鼻・喉を中心とした診療を行って、患者さんのQOL(生活の質)の向上をめざすことが診療スタンスです。鼻と喉、耳も入れた上気道の感染症の治療を中心に行っています。感覚器の不調はすぐにQOLの低下につながっていくことが多いですし、上気道の感染症は風邪などの病気につながります。僕のもともとの専門は上気道病態で、学位もその分野で取得しました。24歳で医学部を卒業後、約20年間大学で勤務しながら臨床と研究に従事しました。その間に2回、米国のオハイオ州立大学とジョンズ・ホプキンズ大学に研究のために留学しました。43歳で開業して2021年8月1日で20年です。自分の人生を考えてみると、20年が一つの節目のように思えます。この先の20年もここで診療を続けていきたいと思っています。

患者さんの年齢層や主訴などについて教えていただけますか?

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開業して20年たつと、3世代を診ているご家族もいますし、小さな頃から診ていた子が、結婚してお子さんを連れてくることもあるんですよ。加齢によって主訴も変化しますし、この20年で鼻詰まりやアレルギーの患者さんが増えましたね。子どもに多い鼻詰まりは、詰まりを良くしていくことによって中耳炎の予防にもなっていきますし、咽頭炎や風邪などの予防にもつながっていきます。学校でプールが始まるこの時期は外耳炎も多いですね。外耳炎は耳かきのし過ぎが原因のこともあります。耳垢には役割がありますので、水分を取るだけでも十分なんですよ。綿棒で何度も拭くと外耳道を傷つけ、そこにばい菌がついて炎症を起こしてしまうこともありますので、タオルで耳や耳の周りをさっと拭いたらドライヤーの風を当てるのがいいでしょう。高齢の患者さんは難聴の主訴が多いですね。当院では週2回、予約制で補聴器のご相談の時間を設けています。

「未病」の観点から、必要に応じて漢方薬を処方

補聴器の相談について教えてください。

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補聴器をつけると、最初は音がうるさいと感じるため嫌がる人も多いですが、常時使うことで慣れていきますし、脳も活性化していきますので認知症の予防にもなると言われています。聞こえなくなると外出がおっくうになって家にこもりがちになる方が多いので、外へ出るためにも聴こえは大切だと考えています。軽度の難聴の場合は、家庭でテレビの音が大きいと指摘されたり、コミュニケーションがうまくいかず、けんかになったりすることで家族が気づくことが多いですね。難聴は軽度のうちに対策を始めていくことが大事です。当院では、検査やカウンセリングの期間を長く取り、患者さんに合わせた補聴器を選んでいきますので、気なる方はご相談ください。

難聴の場合、耳鳴りにも悩まされるケースが多いとよく聞きます。

耳鳴りというのは、耳で音が鳴っているのではなく、脳内から起こるものがほとんどです。聞こえにくい音があると、脳がそれに反応して聞こうとします。加齢により、血流が悪くなることで耳の機能が一時的に低下していたり、性格的に神経質だったりする方も起こりやすいのです。過労やストレス、頸椎の異常が原因の場合もあります。現在、耳鳴りだけをピタッと止める治療法はありません。当院では、過労やストレスが原因であれば、漢方薬を使いながら体調を整えていく場合も。耳鳴りがすると十分な睡眠が取れないことも多いため、そこからアプローチしていく場合もあります。

めまいやふらつきなども耳鼻咽喉科の診療範囲なのでしょうか?

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そうです。梅雨の時期は患者さんめまいなどが多くなります。漢方の考え方からすると、めまいは多くの場合、水分がたまることが原因と考えられています。漢方ではそれを「水毒」と呼んでいて、発汗がうまくいかない場合に、体内の水分バランス崩れてめまいなどにつながっていくことがあると考えられています。メニエール病は何らかの原因でバランスを崩した内耳にリンパ液がたまってしまう内リンパ水腫を起こして発症すると考えられています。漢方については開業してからいろいろ勉強しました。「未病」の観点から、必要に応じて積極的に取り入れています。漢方はめまいやふらつき、更年期など、さまざまな症状に対してお使いいただけます。

鼻詰まりを治療して鼻呼吸を促し、感染症を防いでいく

診療で大事にしていることはありますか?

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患者さんとコミュニケーションを取りながら情報を集め、患者さんの要望に応えることを大切にしています。また、地域の医師と協力して連携をしっかり取ることにも力を入れています。特に小児科、内科ですね。医療は一人でできるものではありませんから、連携がとても大切です。そうした診療をしながら地域に貢献するとともに、スタッフが働きやすい環境を整えることにも力を入れています。当院は患者さんはもちろん、スタッフのQOLも高めることを大事にしてきました。開業からずっと勤務しているスタッフが2人いるのですが、当院は定年がありませんので、僕と同じようにできるところまで頑張ってほしいと思っています。

医師をめざしたきっかけや耳鼻咽喉科を専門にした理由などをお聞かせください。

医師の家系ではなく、父は郵便局員でした。初めて医師の世界を身近に感じたのは、小学校の時にスポーツ大会の競技で着地に失敗して骨折をしたときです。その時に、治療してくれた医師の姿を見て「いいな」と思ったのがきっかけです。耳鼻科を選んだのは、数ある科の中で耳鼻科に魅力を感じたのと、教室の雰囲気が良かったからですね。その時の教授の「これからは耳鼻科だ」という言葉にも影響されたと思います。

お休みの日の過ごし方、今後の展望などお聞かせいただけますか?

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休日はゴルフに行くことが多いですね。医師のゴルフ仲間と行ったりしますし、ゴルフクラブに行けば誰かしらとゴルフをすることができます。ゴルフは頭を使いますし、仲間といろいろ話ができて情報交換にもなります。今後は可能な限り「生涯現役でいたい」と思っていますので、これからも体を動かし、リフレッシュして体調を整えながら、地域医療に貢献していきたいですね。

最後に、耳鼻咽喉科のかかり方、そして読者へのメッセージをお願いいたします。

風邪で小児科や内科に行ってもすっきりしないという方が、耳鼻咽喉科に来院されるケースも多いですね。鼻と喉の間、つまり上咽頭がウイルスや細菌に最初に接するところですので、上咽頭の炎症を治療することが大事になります。そしてここを診るのが耳鼻咽喉科です。先ほども話しましたが、小さなお子さんは鼻が詰まると呼吸をするために口が開きます。口が開くと感染症にもなりやすくなりますので鼻呼吸が大切です。また東洋医学的には、冷たいものや甘いものを食べて胃腸が冷えると肺が冷え、そうすると肺を暖めようと鼻が詰まるともいわれています。口や喉につながる鼻は呼吸だけでなく、脳にもつながっていてさまざまな働きをしますので、耳・鼻・喉を大事にしていただけたらと思います。

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