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岸田 健 院長の独自取材記事

岸田内科クリニック

(西宮市/西宮北口駅)

最終更新日:2024/02/09

岸田健院長 岸田内科クリニック main

阪急神戸本線の西宮北口駅南改札口から南へ歩いて3分ほどのところにある、「岸田内科クリニック」。院長の岸田健先生は、往診や在宅医療にも力を入れており、開業前にはケアマネジャーの資格も取得したという。大学時代はアメリカンフットボール部に所属し、現在はトライアスロンやフルマラソンの大会に出場するスポーツマンだが、それもこれも「夜中に患者から呼ばれてもいいように、体力をつけておきたい」と考えているから。患者の人生の最期まで考えているからこそ、「自分自身が培った経験や知識を患者さんに還元したい」と話す岸田院長。地域のホームドクターとして頼れる存在をめざす岸田院長に、医師を志したきっかけや在宅医療、内視鏡検査のことなどについて、大いに語ってもらった。

(取材日2019年7月23日/情報更新日2023年2月7日)

内科医師だった父の背中を見て育ち、自然と医師の道へ

まずは、先生のご経歴を教えてください。

岸田健院長 岸田内科クリニック1

1984年に東京にある東邦大学医学部を卒業後、地元である兵庫県に戻り、神戸大学医学部附属病院第二内科に入局しました。その後は医局人事に基づき、さまざまな病院で勤務医を経験させていただきました。どの病院もとても良い環境の中、勉強させていただきました。特に埼玉県立がんセンターでは日中は消化器内科の外来診療、夕方から深夜まで実験を行うなど朝から晩まで勉強していました。まだ30代で体力があったからできたことだと思いますが、医師として密度の濃い経験ができてありがたかったですね。その後、現在当院のある辺りが再開発されることになったのをきっかけに、思いきって開業へと舵をきりました。ちょうど40歳の時で、経験もそれなりに積んで、今考えるとちょうど良いタイミングだったと思いますね。

消化器内科を選んだきっかけは何だったのでしょうか?

私の父も内科医でした。私が在学中に亡くなりましたが、父の影響は大きかったですね。「医師になれ」と言われたわけでもなく、自分自身、大人になったら医師になることはごく自然なことで家業を継ぐものだと思っていました。私が在学中に在籍していたアメリカンフットボール部OBが外科医師ばかりだったこと、もともと外科的処置が好きだったことから、内科の中でも外科的な要素がある消化器内科に魅力を感じて、専門にしようと決めました。

勤務医時代はずっと消化器内科専門だったのですか?

岸田健院長 岸田内科クリニック2

今の時代は自分の行きたい所は自分で選べますし、医局に属さず大きな病院に行くこともできますが、自分の時代はそうではなかったので、ずっと消化器内科だけ診るというわけにはいきませんでした。当時の県立加古川病院や高槻病院は内科が分野ごとに細分化されていなかったので、白血病や心疾患なども幅広く診ましたし、胃内視鏡も握りました。実際開業しても消化器内科だけを見ているわけではないので、幅広く診てきたこの経験が今に生かされているのだと思います。

発熱患者の入り口を設け、導線分離を徹底

患者さんと接する時に心がけていることはありますか?

岸田健院長 岸田内科クリニック3

できるだけわかりやすく丁寧に説明するよう心がけています。紙に書いて説明するとわかりやすいようなので、紙に書いたものを患者さんに持って帰ってもらうこともありますね。他に心がけていることですが、自分が元気で体力にも余裕を持っていることです。医師が元気じゃないと患者さんが不安になるでしょう? トライアスロンやマラソンなどで体を鍛えているのも、夜中に往診に呼ばれた時でも問題なく患者さんのもとへ行ける体力をつけておくことにもつながり、そしてもともとスポーツが好きなので、それが役立っているのだと思います。そして基本的には自分が患者さんの立場なら、こうしてしてほしいということを還元できるよう心がけています。ただ、人によってしてほしいことが違うので、一つのやり方に固執せず、このやり方が違うと思えばまた違うやり方を試してみて、それぞれの患者さんに合う方法を考えるようにしていますね。

ここ最近変わったことはありますか?

新型コロナウイルス感染症の感染拡大で、本来は発熱と慢性疾患が一緒に待合室にいるとなると不安な人も多いですよね。病院に行ったのに風邪をもらって帰ってくるなんてことがあってはいけないと思っています。当院では慢性疾患の方も多く来院されるため、そういった方も安心して受診ができるよう発熱の方へ専用の入口を作り、完全に導線を分けるようにしました。また、陰圧室で1人の患者さんしか診ないようなスペースを用意しております。予約制ですが、一対一で診れるような体制を整えてますので、慢性疾患の方もご安心ください。

やりがいを感じるのはどんな時ですか?

岸田健院長 岸田内科クリニック4

何よりも一番やりがいを感じるのは、やはり患者さんが元気になられた時、病気を克服してくれた時です。やりがいの感じ方が、私自身の年齢によって変化してきたように思います。若い時は重症の患者さんを救うことにやりがいを感じていました。でも今は、患者さんの人生をご自身がどう「生きたい」と望まれるか、その希望をかなえてあげられた時、良かったなと思えます。私自身で母を看取ったこと、自分自身も年を取ったことで、人に生き方、そして幕の引き方を改めて考えるようになったからこそ、そんな気持ちの変化につながったのだと思います。

理想は患者の「こうしてほしい」をかなえること

在宅医療にも注力なさっているそうですね。

岸田健院長 岸田内科クリニック5

往診や在宅医療は開業当初から手がけることが当たり前だと思ってこれまできました。往診ができるほうが患者さんのお役にも立てるでしょうしね。勤務医時代から、長年患者さんを診ていて、きっと在宅医療が必要になる人が出てくるだろうと思っていました。開業前には「患者さんの役に立つと良いな」と思い、ケアマネジャーの資格も取得しました。

先生が思われる理想の診療とは?

患者さんが「こうしてほしいな」と思っていることをかなえてあげられること。そしてがんなどの病気が進んで深刻な状態になってしまう前に気づけることが理想です。がんが進行してから気づくのではなく、何か気になることがあればすぐに検査し、できるだけ初期の段階のうちに見つけてあげたいと思います。ただ、高齢になってからがんになったら、積極的な治療を希望しないという人もいますので、その場合は患者さんの意志を尊重するようにはしたいですね。ずっと診察していたら患者さんが望まれることがわかりますしね。

最後に読者へメッセージをお願いします。

岸田健院長 岸田内科クリニック6

将来的に在宅医療を希望されているのであれば、できるだけ自宅から近場でかかりつけ医を探すことをお勧めします。まずは近場で相性が良い先生を見つけるのがベターかと。医学的なことがわからなくても、相性は何となくわかると思うので、まずは足を運んで、ドクターと話してみて、相性の良しあしを直接確かめてみてはいかがでしょうか。良い先生は親切で、優しいと思います。たいてい「何かあったら言ってね」と言ってくれるはずです。インターネットに書いてあることの中には、間違っていることや古い情報も多いので、それだけをうのみにはせず、まずは自分でクリニックへ足を運び、自分の目で確かめることをお勧めしたいです。

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