ワクチンやがん検診、生理痛の外来など
婦人科のかかりつけ医を
成城マタニティクリニック
(世田谷区/成城学園前駅)
最終更新日:2023/07/24
- 保険診療
分娩をはじめ妊婦検診や婦人科の診療も行い、女性のさまざまなライフステージに寄り添った診療を行っている「成城マタニティクリニック」。お産がメインの産婦人科でありながら、婦人科の診療にも力を注ぐ。「産婦人科領域には、女性の一生が凝縮されている。ゆりかごから墓場まで、人の一生を通して診られる科。婦人科のかかりつけ医をもち、10代から通い利用することで、受診のハードルを下げてほしい」と話す渡場孝弥院長。そこで、同院が行う婦人科の診療や、かかりつけ医を持つことのメリットについてなど、詳しく教えてもらった。
(取材日2022年9月15日)
目次
女性の一生を通して診ていく婦人科。症状は我慢せず気軽に利用することで、疾患の早期発見と治療がめざせる
- Qこちらでは、婦人科の診療も行っているそうですね。
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A
当院はお産メインのクリニック。どうしても産科のイメージを持たれる方が多いでしょうが、子宮頸がんワクチン接種や子宮がん検診、生理痛など、婦人科での受診も積極的に受けつけています。特に多いのが、20~30代の方の生理痛や生理不順の悩み。診療では、患者さんのバックグランドを意識しています。例えば、20代の方であれば将来の妊娠や出産も視野に入れて、今どういう選択をするのがベストなのかを配慮します。また、初回の診察で来られた方は緊張もするし、初めて内診台に上がられる方も多いです。怖がったり、激しく動揺される方に対し、看護師が隣で手を握りながらお声がけをして、恐怖心や羞恥心に寄り添うことを心がけています。
- Q最近ではワクチン接種が再推奨される動きがありました。
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A
HPVワクチンは接種の対象年齢が小学6年生から高校1年生までとなっています。再推奨されて安心感があるのか、高校生ぐらいの方が1人で来院されることも多いですね。現在、キャッチアップ接種といって、ワクチン接種の機会を逃した若い世代の方たちにも期間限定で公的補助が出ます。接種のメリットは、子宮頸がんの予防の期待ができ、同じHPVウイルスが原因となる尖圭コンジローマの予防にも期待できます。副作用は、軽いアレルギーが出ることがありますが、どんなワクチンでもリスクはありますので特筆すべきデメリットではないでしょう。社会的に心配されていた多様な副作用との直接の因果関係は医学的に否定されています。
- Q生理痛で悩んでいる患者さんも受診されるのですね。
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A
生理痛には子宮内膜症という病気が関わっている可能性があるので、放っておくと生理痛がどんどんひどくなり、月に何日間か動けなくなってしまう日が出てくることも。また、内膜症がひどくなることによって、不眠になる、卵巣が腫れて手術をしないといけなくなるなどのリスクがあります。我慢できない生理痛に対しては、まず鎮痛剤を処方します。さらにひどくなり鎮痛剤が効かなくなる痛みに対しては、低用量ピル(低用量エストロゲン・プロゲスチン配合薬)を使った治療が必要になってきます。生理痛が軽減されることで「人生が変わった」という言葉が聞けたらうれしいですね。我慢するのではなく専門である当院にまず相談されるといいでしょう。
- Q子宮がん検診は、どのタイミングで受けたらいいですか?
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A
子宮がんは、初期のうちは症状はほぼありませんので、自分で体を管理するのは少し難しいかもしれません。ですから、定期的に子宮がん検診を受けていだくのが一番だと思います。子宮頸がんは若い人の方が多いと言われています。20歳以降で性交渉の経験がない方は、無理にお勧めしませんが、20歳以降で性交渉の経験がある方には、必ず2年に1回の頻度で子宮がん検診を受けていただきたいですね。早期発見し、早いうちに手術を行えば、命に関わることがない病気です。20歳を過ぎたら、定期的な子宮がん検診をお勧めします。
- Q婦人科のかかりつけ医を持つメリットは何ですか?
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A
婦人科の受診はどうしてもハードルを高く感じてしまいがち。だからこそ、若いうちからかかりつけ医院に通っていると、先生の人となりがわかっているので、何か困った時に相談しやすいというメリットがあるでしょう。最近は、ご自身の娘さんを連れてこられる患者さんもいるんですよ。婦人科は女性の一生を通して診られる科です。婦人科受診のハードルを少しでも下げるために、中学生や高校生の頃に1度は子宮頸がんワクチンを受け、それから20歳になったら子宮がん検診を利用しながら、何か体の不調や生理痛があれば我慢しないで、かかりつけの婦人科へかかるといった流れが理想です。もちろん妊娠、出産、更年期時にも頼ることができます。