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渡場 孝弥 院長の独自取材記事

成城マタニティクリニック

(世田谷区/成城学園前駅)

最終更新日:2023/07/24

渡場孝弥院長 成城マタニティクリニック main

世田谷通り沿いにある4階建ての「成城マタニティクリニック」。「入院中はもちろん、充実した楽しいマタニティーライフを過ごしてほしい」と話す院長の渡場孝弥先生の言葉どおり、マタニティーヨガ、ピラティス講座が開かれるスタジオや、アロママッサージが受けられるトリートメントルームを完備。無痛分娩やフリースタイル分娩などお産の選択肢も多く、今の時代の妊婦のニーズに応えてくれるクリニックといえるだろう。終始穏やかな口調で取材に応じてくれた渡場先生は、これまで国立成育医療研究センターなどの病院で数多くの難しい症例に携わってきた経験を持つ。そんな渡場先生に産婦人科医を志した理由や、数々の難症例によって培われた、母体と胎児の異常を見抜く技術、安全な出産をサポートするクリニックの体制や特徴について語ってもらった。

(取材日2010年11月25日/情報更新日2022年6月9日)

どんなケースでも「必ず助ける」という気持ちで

産婦人科の医師を志した理由は?

渡場孝弥院長 成城マタニティクリニック1

医師になろうと思ったのは高校生の時。自分に技術があれば、どこへ行っても仕事ができる。その自由さが当時の私にはとても魅力的でした。生まれ育った北海道を離れ、大学は弘前大学の医学部へ進みました。そこで最終的に自分の仕事場として産婦人科を選んだ理由は、数ある科目の中で唯一、生と死が交錯している科だったからです。産婦人科はお産を扱うだけではなく、婦人科の病気を診るところでもあり、亡くなる方もいらっしゃいます。ある意味、女性の一生が凝縮されている科。今の医療はどんどん細分化されていますから、ゆりかごから墓場まで、人の一生を通して見られる科というのは、産婦人科以外になかなかないのではないでしょうか。きっとやりがいも大きいだろう、そう思ったんです。

卒業後の経歴についてお聞かせください。

渡場孝弥院長 成城マタニティクリニック2

卒業後は札幌医科大学の医局に入り、産科の研修医として現・大阪母子医療センター、2004年には現・国立成育医療研究センターで周産期診療を学ぶため再び研修医として入局。ちょうどセンターができたばかりだったので、その立ち上げに参加したかったんです。先端の医療を学びたいというのはもちろん、新しい情報や治療法を発信する場に身をおきたかったというのも入った大きな理由です。もともと産婦人科医になった時から、周産期医療を専門にしたいという気持ちがありました。その理由はやはり「生まれる喜び」です。命が誕生する感動的な瞬間に立ち会いつつ、その前後を見守っていきたいと思っていました。どちらも高度な技術で知られるところですから、一般の産科の医師が一生に見るか見ないかというような、希少な症例にも多く携わりました。危険なだけにそれを乗り越えて無事生まれたときの喜びはとても大きかったですね。

無痛分娩、フリースタイル。さまざまな分娩に対応

開業の意志はいつ頃からお持ちだったのですか?

渡場孝弥院長 成城マタニティクリニック3

国立成育医療研究センターに勤務して2年ほどたった頃から、開業への意欲がだんだんと出てきました。大きな病院ではどうしても細かい配慮まで行き届かないところもあります。そうすると、「自分だったら妊婦さん、患者さんに対してこうするのに、ああするのに……」という思いがどんどん蓄積されていきました。それを実現するためには、自分のクリニックを持つことが必要だなと考えましたね。

当時のクリニックでは珍しく、産科を設けたのはなぜでしょう。

当時は、分娩ができるクリニックは世田谷区内に10件くらいしかなかったのではないでしょうか。当院は世田谷区で約20年ぶりにできた分娩のできるクリニックでした。私は、お産によって一つの命がこの世に誕生する瞬間に立ち会えるのが本当に好きだから、「産科を標榜したクリニックを開業しよう」と思っていました。お産の素晴らしいところは、生まれた瞬間にみんなで喜びを共有できるところですよね。とても大きな達成感を味わうことができます。人それぞれにお産は違いますから、日々いろんなドラマがあるところも、私にとっては魅力なんです。

こちらのクリニックならではの特徴はどういうところでしょう。

渡場孝弥院長 成城マタニティクリニック4

一番の特徴としては、普通分娩、無痛分娩、フリースタイル分娩、いろんなお産のスタイルが選べるということです。以前は、まだフリースタイルで産むという選択はありませんでしたが、今はそれが可能になってきています。自分の望むお産をしたいと主張を持った女性が増えてきたのは、そういった施設ができてきたことが理由にあるからかもしれません。クリニックにおいでになる方はご近所にお住まいの方がほとんどですが、無痛分娩をしたいと、大田区や目黒区などからも来られます。1人目の出産ですごくつらい思いをしたせいでお産に対して恐怖心を持っておられても、2人目を無痛分娩で産んでから「もう1人産んでもいいわ」と考える方もいるようです。今無痛分娩を希望する妊婦さんはとても増えていますね。

こちらではまだ珍しい胎児検査や遺伝相談なども行っていらっしゃいますね。

通常の妊婦健診の超音波検査では、胎児の心臓がきちんと動いてるかどうかをチェックしますが、さらに血流の向きなどの細かいところまで診る検査も行っています。検査は2回、20週目と30週目に行い、基本的に当院の妊婦さんたち全員に受けていただくようにしています。細かいところまでしっかり見た上で健康ですよと言われると、妊婦さんにとっては一番うれしく安心できるのではないかと思います。遺伝相談とは、例えばお母さんが高齢のため、赤ちゃんの健康が心配だとか、上のお子さんや親きょうだいが何か障害のある場合に随時相談ができる外来です。遺伝相談に関しては、実際利用される方はそんなに多くはありませんが、心配になったときにこういう相談ができる場所があることで、妊婦さんにとって安心につながればいいと思います。

数多くの分娩を経験して得た診断力と対応力

先生の得意とする治療分野についてお聞かせください。

渡場孝弥院長 成城マタニティクリニック5

赤ちゃんの超音波検査が得意です。通常であれば見過ごしがちな小さな異常も見過ごさないようにしっかりと検査をしています。当院には先進の4D超音波検査装置もありますが、やはり2Dが一番よくわかりますね。当院を開業するまで、さまざまな症例を経験してきたからこそ、診断することができるのではないでしょうか。なので、滅多に見ない希少なケースを数多く診てきたセンターでの経験は、今の私にはとても生かされていますし、大きな強みになっていると思います。

渡場先生が心がけていることはなんですか?

一番心がけているのは、お母さんと赤ちゃんに安全で優しいお産です。できるだけ気持ち良くお産をしてもらいたいと思っています。これまで私は、いろんな病院で数多くのお産を経験しながら満足するお産とは何なのだろうとずっと考えてきました。そして自分なりに見つけた答えが「安心」でした。中には異常が見つかるケースもありますから、そういう場合は私が以前在籍していた国立成育医療研究センターに迅速にご紹介します。また、お母さんと赤ちゃんのつながりを大切にしているため、母子同室・母乳育児・カンガルーケアを推奨しています。カンガルーケアとは赤ちゃんが生まれたらすぐお母さんにだっこしてもらうことです。出産後のお母さん自身の体力回復はもちろん大事ですが、おうちに帰ってからできるだけスムーズに子育てができるような状態で退院できるよう、当院では私とスタッフとでサポートするようにしています。

最後に、患者さんへメッセージをお願いいたします。

渡場孝弥院長 成城マタニティクリニック6

妊婦さんの中にはマタニティーブルーなど不安を抱えている方も少なくありません。ですからクリニックでは外来の保健指導、スタッフと話をする機会を頻繁に設けています。また、当院の助産師はとてもたくましく頼りがいがあるメンバーばかりです。スタッフ全員患者さんへのご対応も本当に丁寧にしてくれています。最近ではありがたいことに患者さんも増え、私としても自分のクリニックでの仕事にやりがいを感じています。今後もより安全で安心なお産をサポートする技術をより極めていきたいですね。当院では、婦人科のがん検診にも力を入れています。何か気になることがあれば気軽に相談や受診をしていただきたいです。

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