女性の「産み、育てる力」を引き出す
産前・産後のサポート
石田レディースクリニック
(福津市/千鳥駅)
最終更新日:2023/04/05


- 保険診療
おなかに赤ちゃんがいる。そうわかってから出産まで約10ヵ月、妊娠期間中はただ幸せなだけではない。急激に変化していく自分の体に戸惑い、赤ちゃんが順調に成長していてほしいと祈るような気持ちで健診の日を待ち、不安で押しつぶされそうになるときもあるかもしれない。「お母さんのあるがままを受け入れ、妊娠から出産、産後までしっかりサポートしていきたい」と話すのは、「石田レディースクリニック」の石田清院長。出産の時のパートナーである助産師ら約20人のスタッフとともに、地域の周産期医療を守っている。出産についての基本的な話から、どんなサポートをどんな思いで行っているのかまで、石田院長と同院助産師の崎田真理子さん、村山礼奈さんに詳しく聞いた。
(取材日2023年3月1日)
目次
産前から産後まで心を尽くしてサポート。医師、助産師、看護師、臨床心理士など多くの人で見守る「出産」
- Q分娩方法にはさまざまな種類があるのですね。
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A
▲患者の希望に合わせて自然分娩と和痛分娩を選択できる
【石田院長】基本的には経腟分娩と帝王切開の2つがあり、経腟分娩は自然分娩と、無痛分娩や和痛分娩、陣痛促進剤を用いた分娩などの医療処置が必要な分娩に分けられます。さまざまな種類がありますが、当院では自然分娩が主で、患者さんのご希望や状態によっては、痛みを和らげるために麻酔などを使う和痛分娩や、帝王切開も行っています。和痛分娩の大きなメリットは、痛みの緩和を図ることで心身ともにリラックスして出産に臨めること。ですが、もちろん麻酔のリスクはありますし、体にたくさんモニターをつけての出産となります。医師とも相談の上、ご自分に合った分娩方法を選択してくださいね。
- Q自然分娩について詳しく教えてください。
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A
▲妊婦の小さな変化も見逃さないよう、気をつけている
【石田院長】自然分娩とは医療介入を行わず、自然の流れに沿ったかたちで分娩を行うことです。陣痛の感覚が約10~15分おきになる、破水したなど、お産の始まりの兆候が見られたら入院していただきます。お産が進む中で、一番意識していただきたいのは呼吸です。痛みをコントロールし、赤ちゃんに必要な酸素を送ることができるよう、妊娠中から効果的な呼吸法を練習しておきましょう。自然分娩のメリットは産後の体調回復が早いこと。デメリットはいつ終わるかわからない陣痛に耐えなければならないことでしょうか。それでも出産翌日から軽く産じょく体操を始め、早い方で4日目には退院となります。
- Q入院中のサービスや施設にもこだわりがあると伺っています。
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A
▲栄養バランスに配慮した食事を用意している
【村山さん】洗面、トイレつきの個室で、基本的に母子同室で過ごしていただきます。和室も2部屋あります。入院中は私たち助産師が授乳の介助をしたり、どれくらい飲めているかチェックしたりして、退院後も母乳育児をスムーズに進められるようお手伝いしています。入院中はタブレットを貸し出しますので、赤ちゃんのケアの仕方を動画で学んだり、今後のスケジュールをチェックしたりすることもできます。また、食事は入院中の楽しみの一つだと思いますので、和洋中問わず、バラエティー豊かな料理を提供しています。一日3食以外におやつ、お夜食も用意していますよ。
- Q妊娠中から助産師さんと関わることがあるのですか。
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A
▲さまざまな領域のスタッフが、妊婦の不安に寄り添う
【崎田さん】当院では月2回の母親学級に加え、妊娠32週前後には妊婦さんと助産師がマンツーマンで30分程度、お話しする機会を設けています。事前にアンケートに回答いただき、お一人お一人の状態に合わせて具体的にアドバイス。強い不安感のある方などには、当院に週1回来ている臨床心理士につないで見守ることもあります。私は、赤ちゃんの人生の始まりの場面に携わっていることを重く受け止め、女性の「産む力」を引き出すようなお産になるよう全力でサポートしています。妊婦さんには、「産ませてもらう」のではなく「自分で産むんだ」という気持ちを持っていただきたいなと思っています。
- Q退院後のフォローにも力を入れているそうですね。
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A
▲産前・産後のフォロー体制も整っている
【村山さん】1ヵ月健診の前、生後2週間目に小児科の医師による健診を実施。その頃にはお産を担当した助産師がお母さんにお電話して、退院後の様子をお伺いします。気になる方には臨床心理士含めフォローにあたります。私自身子育て中ですが、子どもはかわいいだけじゃないことを実感する毎日です。お母さんたちといろいろお話しできるとうれしいです。
【崎田さん】産後体調が良くない、サポートしてくれる人がいないなど、困ったときは当院の産後ケア事業も利用してください。助けてもらうことは悪いことではありません。甘えられる場所として、当院のことを思い出していただけると光栄です。