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飯塚 浩 院長の独自取材記事

メディカルストレスケア飯塚クリニック

(米子市/富士見町駅)

最終更新日:2022/07/25

飯塚浩院長 メディカルストレスケア飯塚クリニック main

皆生温泉の旅館やホテルなどが立ち並ぶ海岸沿いから、南へ徒歩7分ほどの米子環状線沿いにあるのが、2001年開業の「メディカルストレスケア飯塚クリニック」だ。院長の飯塚浩先生は、豊富な臨床実績を持つベテランドクター。2022年4月に著書を出版するなど、情報発信にも精力的に取り組んでいる。診療では「薬に頼らない治療」をモットーに掲げ、薬物療法を中心とした保険診療に加え、多方面からのアプローチを実践、切り離すことのできない心と体の問題の根本的な解決をめざしている。「ストレスのある状態を当たり前と思わないで心が楽になるために工夫をしてほしい」と語る飯塚院長に、さまざまな話を聞いた。

(取材日2022年6月22日)

ゴールを示し、一人ひとりのペースで治療を進めていく

先生が医師になろうと思ったのはなぜですか?

飯塚浩院長 メディカルストレスケア飯塚クリニック1

意外に思われるかもしれませんが、大学入試の直前までは全然別の道へ進もうと思っていませんでした。ただ、進路を考える中で「医療は『健康』という”相手にとっての良い状態”へ実直に取り組める仕事だ」と気づいたのです。若者らしくない考えですが「損得を考えてせこせこ働くよりも、その方が心穏やかじゃないか」と。数多の診療科から精神科を選んだのは、その複雑さに惹かれたから。診断がついたら治療がある程度決まっているような疾患と比べると、精神科領域の疾患は未解明な部分がまだ多く、研究やアプローチの余地を感じたのです。実は、精神科領域を専門に選ぶ前には、一度研究職にも携わらせていただいたりもしていたのですが、そのおかげで「自分は人と関わる臨床が向いている」と気づけたという点も、この道を選ぶきっかけになりましたね。

先生が診療の際に大切にしていることは何ですか?

患者さんにとって必要な情報を「受け取りやすい量と、受け取りやすい言葉で届ける」ということですね。昔の私は、とにかく正しい情報をたくさん伝えなくてはと思いこんでいました。しかし、日々の診療で患者さんと向き合う中で「どんなに良いアドバイスであっても、相手が受け止めてくれなければ何も結果は生まれない」と気づいたのです。これは自分が考えを改める必要があるなと思い、今はポイントを絞って、患者さん一人ひとりに合わせて伝えていくことを心がけています。ほか、治療の見通しをしっかり立てることも大切にしていることの一つですね。ゴールを示したほうがモチベーションを保って頑張りやすいはずですから。

患者さん一人ひとりに向き合いながら、診療をされているのですね。

飯塚浩院長 メディカルストレスケア飯塚クリニック2

そうできればと頑張っています。ただ、私一人で診療をしているので、どうしてもお待たせしてしまうのが心苦しいですね。ですので、クリニックでは「せめて患者さんが待っている時間を快適に過ごせるように」との思いで、院内環境の整備にこだわっています。例えば、天井を高くして開放感のある空間にする。同時に、他人の視線が苦手な方のために視線が遮られるような空間も設けるなど、さまざまな問題を抱えた方がリラックスできるように工夫しています。スタッフについても、おっとりと落ち着いた性格の人が多く、患者さんに優しく接してくれていますね。

多角的なアプローチで心と体の両方の健康をめざす

患者層や主訴について教えていただけますか?

飯塚浩院長 メディカルストレスケア飯塚クリニック3

未就学のお子さんから90代まで幅広い年齢層の患者さんがいらしています。特に多いのは、30代、40代の女性ですね。妊娠・出産を経て自分自身の体が変化するだけでなく、育児や親の介護の問題、夫婦間のことなど、いろいろなことが起こる大変な時期なんでしょうね。主訴としては、慢性的なだるさ、きつさ、不眠などのうつ症状を訴える方が中心です。お子さんの場合は、落ち着きがなかったり、かんしゃくがひどかったりといった発達に関わるお悩みのほか、偏食の相談も多いですね。あとは、内科的には問題がないけれど不調を感じている方なども来られます。そのような悩みを抱えた患者さんに対して、当院では薬を使った対症療法だけでなく、食生活や生活リズムの改善指導など多角的に組み合わせアプローチしています。思いの強さから時にはうるさいことを言うきらいがありますが、本当に健康をめざしたいという患者さんはぜひ相談に来ていただきたいですね。

精神科の治療で食生活や生活リズムなどがどのように関係するのでしょうか?

体の健康が心の健康の土台となるからです。精神科領域の疾患は特定の治療が確立されているわけではないため、体質などを知った上で、その方に合わせて薬を上手に使いながら症状改善をめざすようなアプローチが主流です。ですが、私はその後の治療を重要視しています。薬で症状を抑えて終わりではなく、体を健康な状態へと整えていく。今出ている症状は抑えることができても、根本にある問題が解決できていなければ再発や別の病気になってしまう可能性があるからです。それでは意味がありませんから、その根本から改善できる治療をめざしています。食生活や生活リズム、運動習慣などを改善し「体の健康」という土台を立て直すことで、心と体の問題の解決につなげていきたいと思っています。

体と心の健康にはつながりがあるということでしょうか。

飯塚浩院長 メディカルストレスケア飯塚クリニック4

私はそのように考えています。精神的な疾患は、その方の心身の限界を知らせるサインです。例えば、うつ病というのはある日突然発症するわけではありません。その前には、肩凝りや、だるさ、不眠などの「体の不調」が先にあるはず。現代人は、そうした体が発するヘルプを無視して根性で乗り切ろうとしてしまいますが、疲れや痛みなどの悪いところがあれば「いたわること」が大切です。睡眠一つとっても、「眠気を覚ますためにカフェインを摂取する」といった方法ではなく「眠気のサインが何を示しているのか」を考える。例えば、生活リズムの乱れが原因であれば、「朝は10分だけでも太陽の光を浴びる」「夜はきちんとした時間に眠る」「睡眠前はスマホを構わない」といった改善策が見えてくるわけです。現代生活の中で、人間本来の「当たり前な営み」が崩れている可能性があること、そうした生活は健康に悪影響を与えるリスクがあることを知ってほしいです。

ストレスフルな生活を「当たり前」と諦めないでほしい

今現在ストレスを抱えている方に、何かアドバイスはありますか?

飯塚浩院長 メディカルストレスケア飯塚クリニック5

ストレスを抱えて苦しい状態が「当たり前」と思わないでいただきたいですね。当たり前だと思っていると、楽になろうとせずに「根性が足りない」「もっと頑張らないと」と思ってしまう。結果、ストレスをお酒や甘いものでごまかしながら乗り切るといった方法を取りがちです。しかし、ごまかしながらつらいことを続けるのが人生ではありません。人生というのは本来もっと楽しいものであるべきですし、仕事も本来はやりがいや喜びが伴うものだと思います。それがいつの間にか、怒られないこと、失敗しないことが目的となってしまい、ただタスクをこなすだけになってしまう。例えば、ダイエットのために歩くとして、「A地点からB地点まで歩かなければ」と思いながらタスクをこなすのか、歩いている間の景色や空気を楽しむことができるのか、ストレスがないのはどちらか一目瞭然です。「味わう」という余裕を持てるように、工夫や改善をしていきたいですね。

今後の展望について教えていただけますか?

今年で開業22年目になりますが、長年診療をしてきて感じていることは、患者さんの中にはいろいろな情報を求めている方がとても多いということ。この春には、メンタル疾患を中心に慢性病の改善に向けたアプローチをまとめた本を書いたのですが、これを皮切りとして、今後は勤務医時代から今日までに蓄積してきた知識や情報を積極的に発信して、より広く多くの方に知っていただけるようしたいです。

読者へのメッセージをお願いします。

飯塚浩院長 メディカルストレスケア飯塚クリニック6

現代人の生活は、競争をしたり、嫌なことを頑張らなくてはいけなかったりと、ストレスが伴うものになりがち。自分自身に常にストレスをかけている状態の方が多いと思います。ですが、それは体にとっての緊急事態で、その状態が続けると体や心の限界を超えてしまいます。自分の心身をしっかりといたわってあげることが大切。心と体は切り離すことができません。当院にいらっしゃる患者さんにも「心に関することだけでなく、不調に感じていることはすべて遠慮せずに話してくださいね」とお話ししています。今体がどういう状況かをきちんと知った上で、心を見ていきたいと思います。些細なことでも結構ですので、心と体の健康に関して不安なことがあれば気軽にご相談ください。

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