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柳 健一 院長の独自取材記事

矢内原医院

(鎌倉市/大船駅)

最終更新日:2023/11/13

柳健一院長 矢内原医院 main

鎌倉市の産婦人科医院「医療法人社団守巧会 矢内原医院」があるのは、大船駅笠間口から歩いて5分ほどの通り沿い。静かなエントランスを抜けると明るい待合室があり、エレガントなホテルのよう。4フロアからなる院内には、診察室、分娩室・手術室、個室を主とする病室に加え、テラスやラウンジなども配備。いずれも明るい光が差し込む居心地の良い空間だ。緑豊かなテラスを望む4階マザースペースで迎えてくれたのは、柳健一院長。2021年2月に永眠した矢内原巧前院長の後を引き継ぎ、エリアに欠かせない産婦人科拠点の運営を担っている。「妊産婦さんを取り巻く状況は、大きく変わっています。時代のニーズに対応し、母子にとってベストな選択肢を提示したい」と優しい笑顔で語る柳院長に、同院の特徴やめざす医療を聞いた。

(取材日2023年9月27日)

連携医院と妊娠から出産までをトータルにサポート

まずは医院の成り立ちと、院長ご自身の関わりからお聞かせください。

柳健一院長 矢内原医院1

昭和大学医学部で名誉院長を務めた矢内原巧前院長が、大学定年後の2001年に開院した産婦人科クリニックです。実はルーツはさらに遡り、巧先生のお父さまが1949年由比ヶ浜に開設した医院であると聞いています。2013年に現在の場所に移転。当院の移転に先駆けて、前院長のご子息であり、当院の理事長でもある矢内原敦先生が、不妊治療を専門に扱う「矢内原ウィメンズクリニック」を近くに開設しておられ、両院の密な連携により、妊娠の成立から出産までを一貫してフォローできるのが強みです。私は前院長と慶應義塾大学医学部で同窓ではありますが直接の関わりは持っておらず、敦理事長とのご縁により5年前から当院の診療に加わりました。2021年に巧先生がご逝去され、院長職を引き継ぐこととなりました。

あえて2つのクリニックを分けて連携体制を取っていらっしゃるのですね。

出産と妊婦健診をメインに、婦人科診療も提供しています。先ほども述べたとおり、不妊治療を主とする「矢内原ウィメンズクリニック」との連携により、妊娠から出産までをトータルに診られる体制です。両院をあえて別にしているのは、不妊治療に取り組む女性のお気持ちへの配慮からと聞いています。不妊治療を受けていらっしゃる方が、同じ病院で妊婦さんを見ることには、やはり抵抗があるのではないかと。妊娠を望む方と実際に妊娠に向かわれる方を同じ医院で見ることは難しい、とはいえ、治療により赤ちゃんを授かれたらその方が無事に出産を済ませるまでを見守ることも使命である。そうした思いから、おのおの独立したクリニックとして連携することで、それぞれの役割を果たしながら妊娠・出産を支える現在の体制としたそうです。

産婦人科医院としての特徴があれば教えてください。

柳健一院長 矢内原医院2

高齢だったり、人工妊娠だったりといった理由で、一般と比較してリスクの高い方が多くなっていますね。本当にハイリスクなケースに関しては、もちろん適切な医療機関へとお送りします。このあたりは湘南鎌倉総合病院、藤沢市民病院、横浜市南部病院、神奈川県立こども医療センターなど緊急の際に連携を取りたい施設が充実しており、アクセスしやすいのもメリットです。

充実を図る設備と頼れるパートナーが妊婦の心身を支援

出産では、助産師さんの役割も大きいと伺います。

柳健一院長 矢内原医院3

ハイリスクな出産でも経験豊富な助産師がそろっており、出産のパートナーとして活躍してくれています。妊娠初期・中期・後期の3回にわたり個別で助産師の外来を実施し、食事や運動など妊娠中の体づくりやご夫婦での心構えなどのアドバイスを提供。妊婦さんが抱えがちな不安や疑問にもきめ細かく寄り添い、必要なケアへとつなげています。私が医師になった頃には、助産師といえば単に「赤ちゃんを取り上げる人」といったイメージでしたが、核家族化が進み、妊娠に至るまでの経過も多様化している現代では、助産師の役割は大きく変化しました。特に不妊治療を経た方はメンタル面で不安定になりやすい傾向もあるようで、心のケアも助産師の大切な仕事の一つです。妊娠中から産後まで、頼れるサポーターとなれるよう努めてくれています。

院内空間づくりの工夫があれば教えてください。

移転時に新築したものですでに10年がたつのですが、できるだけリラックスして過ごしていただけるよう、スモールラグジュアリーをコンセプトにした空間になっています。病室は基本的に個室で、アメニティーも充実。食事は地物野菜を使い、栄養バランスはもちろん、見た目も色鮮やかなメニューを専門の厨房スタッフにより提供しています。4階には広々としたマザースペースも完備しており、妊娠中に受けられるマタニティークラスや骨盤ケア教室、マタニティーヨガなどを開催。リラクゼーションルームもあり、分娩後の入院中にはすべての方に1度リラクゼーションサービスを受けていただけます。

医療設備も充実しているとか。

柳健一院長 矢内原医院4

クリニックとしては導入が珍しい無影灯をはじめ、先鋭の医療設備を導入しています。妊婦さんやお子さんの状態により、帝王切開が必要なケースでも、安心して受けていただける体制です。また、ハイエンドな超音波診断装置を導入しており、3D・4Dともに高い画質で、より精度の高い診断が行えます。予約により提供している4Dエコーでは、赤ちゃんが手足を動かしたり笑ったりといった動きや表情を鮮明に見ることができるため、おなかの中の命をより身近に感じていただけると思います。赤ちゃんの姿をその目で見ていただくことで、より充実した妊娠期をお過ごしいただけるのではないでしょうか。

リスクは早期に見極め、母子にとってベストな選択を

診療の際に心がけていらっしゃることはありますか。

柳健一院長 矢内原医院5

患者さんの話をよく聞くことです。医師として駆け出しの頃には、クリニックで診る患者さんは20代が大半。健康な妊婦さんの管理が主体の仕事でした。現在では、高齢化や人工妊娠の普及により、一見健康に見えても実はリスクを抱えている妊婦さんも少なくありません。リスクがあっても、早めに見つけることでできる対処が広がります。必要な方を見極めて高度医療へとつなげるのも医師としての重要な役割と心得、母子にとってベストな選択肢を提供するように心がけています。

医師をめざされたきっかけと、産婦人科を専門に選ばれた理由は?

瀬戸内海に面した地方都市に生まれ、大きく変わり映えのないメンバーに囲まれて過ごしました。小中の頃は特に将来の職業へのイメージもなかったのですが、高校で親しくなった友人の一人が、父を亡くしたことをきっかけに医師をめざしていると聞き、その勉学に励む姿を見ているうちに、自分も医学部を志すようになりました。医学部での実習時に産科病棟で分娩を目の当たりにし、病気を治す医療ではなく、元気な子の誕生と育ちを助ける医療である点に惹かれて産婦人科に。当時から現在に至るまで、妊婦さんと赤ちゃんのサポートに徹するという意識は大切にしています。

今後の展望と読者に向けてのメッセージをお願いします。

柳健一院長 矢内原医院6

前院長が実践してこられた素晴らしい産婦人科医療を、次世代へとバトンタッチすることが私の役割と感じています。院長職を継承して2年、クリニックとして大きく変えたことはありませんし、今後もそのつもりがないのはそのためです。来院された方に誠意を尽くし、かけがえのない命の誕生と成長をサポートする医療を提供し続けていきたいと思っています。経験豊富な医師、助産師、看護師、その他スタッフがそろっています。全員が生き生きと働いており、新たな命の誕生と、スムーズな育児のスタート、そして女性たちの健康を支えるために尽力しています。妊娠・出産はもちろん、婦人科系の気がかりも、お気軽にご相談ください。

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