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多くの男性がなる前立腺肥大症
恥ずかしがらずに早めに相談を

ふじのもり腎泌尿器科クリニック

(京都市伏見区/墨染駅)

最終更新日:2025/04/23

ふじのもり腎泌尿器科クリニック 多くの男性がなる前立腺肥大症  恥ずかしがらずに早めに相談を ふじのもり腎泌尿器科クリニック 多くの男性がなる前立腺肥大症  恥ずかしがらずに早めに相談を
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年齢を重ねるにつれて、「トイレが近くて我慢できない時がある」「おしっこの出が悪い」「残尿感がある」といった不快な症状に悩まされている男性は多い。さまざまな排尿の症状をもたらす病気の一つに前立腺肥大症があり、現在55歳以上の男性の5人に1人が前立腺肥大症といわれている。「年のせいだから」とつい我慢してしまう人、泌尿器科にかかる不安や羞恥心から受診をためらう人も少なくない。しかし、前立腺肥大症は泌尿器科で専門的に治療をすれば回復も見込めるという。今回取材したのは、京都市伏見区にある「ふじのもり腎泌尿器科クリニック」。奥野博院長は京都泌尿器科医会の会長も努める泌尿器科診療のスペシャリスト。中でも専門である前立腺肥大症について、症状や放置することのリスク、その治療方法など、詳しく話を聞いた。

(取材日2024年11月25日)

前立腺肥大症の治療は飛躍的に進歩。早めに相談し、しっかり治療をすることで改善が見込める

Q前立腺肥大症とはどのような病気なのですか?
A
ふじのもり腎泌尿器科クリニック 泌尿器科診療のスペシャリストである奥野院長

▲泌尿器科診療のスペシャリストである奥野院長

前立腺肥大症とは、男性の膀胱の出口にある前立腺が尿道を圧迫して排尿障害を来している状態のこと。前立腺がんと混同されやすい疾患ですが、がんではありません。体積20cc以上の場合に前立腺肥大症といわれますが、臨床的には30cc以上の場合、尿が出にくくなるといったさまざまな症状が出てきます。50ccを超えると重度の肥大症といわれ、外科的治療の適用になる症例が増えてきます。また最近の研究では、大きさだけではなく形も、出口部の排泄障害に深く関与していることがわかってきました。加齢とともに前立腺肥大症を発症するリスクも上がり、現在では、55歳以上の男性の5人に1人が前立腺肥大症と推定されています。

Q受診の目安となる症状はありますか?
A
ふじのもり腎泌尿器科クリニック 適切な時期に治療すれば、元の状態に戻すことも見込める

▲適切な時期に治療すれば、元の状態に戻すことも見込める

症状は大きく排出障害と蓄尿障害に分けられます。排出障害は、尿が出にくい、勢いが悪い、排尿が途切れるなど。また排尿に時間がかかって、トイレでほかの人が待っていてもなかなか終わらなくて後ろの人に迷惑をかけてしまうといったことも当てはまります。畜尿障害は逆に今度は尿がためられない状態のこと。日中トイレが近い頻尿や、夜にトイレに行くために何度も起きてしまうといった夜間頻尿、急に強い尿意を感じてしまう尿意切迫感や、トイレまで間に合わす尿が漏れてしまう切迫性尿失禁などがあてはまります。また尿を出した後の残尿感や、不随随的に尿が出てしまうといった尿を出した後の症状もあります。

Q年齢のせいとせず、早めに相談することが大切ですね。
A
ふじのもり腎泌尿器科クリニック 早めに相談し、診断を行うとことが大切

▲早めに相談し、診断を行うとことが大切

多くの人は「年齢のせいだから」と不快な症状があってもつい我慢してしまいがちですが、前立腺肥大症は進行性の病気です。長年放置してしまうと、肥大が進むことによって常に膀胱が緊張した状態になり膀胱が硬くなるなど二次的な変化を来してしまいます。尿をうまく出せなくなってしまった場合に自己導尿が必要になったり、尿が下に流せなくなることで腎臓まで尿がたまってきて水腎症などの腎機能障害が起きたりします。ひどい場合には人工透析が必要になってしまう場合も。もちろん、適切な時期に治療すれば、元の状態に戻すことも見込めますので、とにかく早めに相談してしっかりと診断してもらい、必要に応じて専門的な治療を受けましょう。

Q診断や治療はどのように進めていくのですか?
A
ふじのもり腎泌尿器科クリニック 腹部エコーによる前立腺肥大症の診察を行う

▲腹部エコーによる前立腺肥大症の診察を行う

問診と、身長・体重・血圧測定、尿検査などの基本検査の後、腹部エコーによる前立腺肥大症の診察を行います。泌尿器科は陰部の視診や触診をされるのではという羞恥心や「痛そう」といった不安から受診をためらう方が多い印象ですが、超音波検査は下腹部にプローブを当てるだけですし、下着を脱ぐ必要もありません。前立腺肥大症と診断されれば、治療の第一選択は薬での治療となります。一般的に使用されているのは、アルファ1ブロッカーという薬で、尿道の通りを良くすることをめざし排尿障害の改善を図ります。また最近では前立腺を縮小するためのお薬も出てきています。まずは薬物療法をして、改善が見込めない場合は外科的手術を行います。

Q症状の改善が見込めない場合はどのような提案をしますか?
A
ふじのもり腎泌尿器科クリニック 外科的治療が必要な場合は患者の状態や希望に合わせて病院を紹介

▲外科的治療が必要な場合は患者の状態や希望に合わせて病院を紹介

医師が医学的に必要と判断した場合は外科的な治療を提案します。現在は、開腹手術はほとんど行われておらず、尿道から内視鏡を入れて行う経尿道的内視鏡手術が主流です。その中でも最近はレーザー療法が非常に普及してきて、より侵襲が少ない方法で手術が可能です。術式は大きく2分しており、1つは高出力レーザーを照射し前立腺組織を蒸散させることで閉塞を取り除くための方法。もう1つは、前立腺には外腺と内腺がありますが、大きくなってくる内腺をくりぬいて取り除くための方法です。いずれも出血も少なく入院期間も短くて済みます。外科的治療が必要な場合、当院では患者さんの状態やお住まい、ご希望に合わせ適切な病院をご紹介します。

ドクターからのメッセージ

奥野 博院長

前立腺肥大症と前立腺がんは違う病気ですが、前立腺肥大症によくある症状には前立腺がんが隠れている可能性があります。前立腺がんは今、欧米だけでなく、日本においても男性のがん罹患者数1位。当院では前立腺がんのスクリーニングもきちんとしたしっかり診察します。また前立腺肥大症をリスク放置して進行してしまうと、先ほどもお伝えしたように膀胱に二次的変化が起きて自己導尿が必要になるリスクも出てきます。前立腺肥大症の治療は飛躍的に進歩しています。治療をすることで改善が見込めるケースが多く、生活の質の向上も期待できます。「年のせい」で片づけず、気になる症状のある方はぜひ受診していただきたいと思います。

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