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加藤 順 院長の独自取材記事

加藤医院

(世田谷区/下北沢駅)

最終更新日:2019/08/28

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親子3代医者という一家に生まれた加藤順院長が、父の跡を継いで「加藤医院」を継承したのが2012年。趣きのあるモダンな雰囲気の医院には、親子代々長くこの医院に通い続ける患者のほか、セカンドオピニオンを求めて遠方から訪れる患者も多い。「診察に当たって常に心がけていることは、患者さんと診療を通したコミュニケーションを築くこと」と院長が語る通り、患者と共通の考えに立ち、共同で病気の治癒に当たる院長の姿勢は人望が篤く、信頼性も高い。また、健診医としての豊富な経験から、「病気」だけでなく、「健康」という観点からも症状を捉える双方向的な視点も、患者に対して安心感を与えている。そんな加藤院長にこれまでの取り組みと、今後にかける熱い想いを伺った。

(取材日2013年1月30日)

3代続けて医師の家系。現在は、4兄弟そろって医師

趣きのある建物ですね。

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私がこの医院を継承したのは2012年のことですが、もともとここは父の医院だったんです。この建物も父の代に建てられたものですが、モダンな雰囲気が患者さんたちにご好評いただいているようです。私もこうした雰囲気は気に入っているので、古き良きデザインの良さを残しつつ清潔感を大切に、少しずつ改装を進めているところです。よく見ると、父が使っていた体重計や血圧計など、他の医院ではなかなか見られない年代物もあるんですよ。

こちらに開業されるに至った経緯を教えてください。

私の家は祖父の代から医師の家系で、祖父は内科と精神科の医師として東京都立松沢病院で作業療法の研究をいち早く進めていた人物でした。その後当地に医院を開業しました。それを継ぐように私の父も内科医となり、東京大学医学部の第二内科に勤務し、その後、この医院を祖父から継承しました。2009年に亡くなったのですが、亡くなる当日まで診療を続けるほど元気で熱心な医者でした。父が亡くなると、今度は産婦人科医をしている私の兄がこの医院を継いだのですが、やはり、内科医であった父の基盤もありますから、昨年、私が院長となったというわけです。

親から子、孫へと世代を渡って通っていらっしゃる患者さんも多いのでしょうね。

下北沢駅から徒歩1分という立地もあり、長く通っていらっしゃる患者さんも大勢いらっしゃいます。とはいえ、やはりどのご家庭も世代交代が進んでいますし、高齢化も年々進行しています。私の父は内科医でしたが、どちらかというと祖父の影響からか、心療内科に近い治療が多かったんですね。でも、私の専門は呼吸器内科なので、長く通っていらっしゃる患者さんも多い一方、喘息など呼吸器疾患を抱えた患者さんが新しくお見えになるケースもたくさんあります。あと、私は9人兄弟の末っ子なんですが、兄弟のうち私を含め4人が医者になっています。長男は神経内科、次男は精神科、三男は先述の産婦人科、そして私が内科と、皆、専門が異なっていて、現在、医院では曜日限定で長男と次男がそれぞれの科目の診療に当たっています。

先生が医師を目指されたのは、やはりご家族の影響ですか。

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もともと私は人間とは何か、ということに興味があり、体や心、筋肉など、人体のあらゆる部位が統合されて人間が成り立っている以上、病気や健康について深く学ぶことは、人間の理解にとても役立つのではないかと思っていました。また、私と長兄はかなり年齢が離れていて、幼い頃から父と兄が医療に関する話をしていたのをよく見聞きしていましたから、物心がつく頃には、自然と医師を目指したいという気持ちが芽生えていました。現在は、医師をしている他の兄弟と顔を合わせたときなど、おのずと医療についての話し合いが始まることがありますが、前述の通り、全員、専門が異なっているので、違う視点から意見やアドバイスをもらえるのがありがたいですね。

患者と医師の協力体制を築き、共に病気と対峙

先生のご専門は呼吸器内科ということですが、どういった患者さんが多いのですか。

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インフルエンザやマイコプラズマ、百日咳など、感染症の患者さんも多いですが、そのほか慢性の咳や喘息、COPD(慢性閉塞性肺疾患)などが目立つでしょうか。一般に、他の内科に比べて若い患者さんも多いように思います。私が常々診療で心がけていることは、「患者さんは一人ひとり違う」と意識して治療に当たること。同じ病名でもその程度や病気にかかったバックグラウンドも異なりますし、病気に対する考え方や治療に対して望むことも違います。そうしたことをお一人ずつしっかりカウンセリングしながらご希望を把握し、その方にとって最適な治療を行うようにしています。肺炎や喘息の発作など、急性疾患においては最善の治療法は絞られてきますが、慢性の喘息やCOPD、高血圧、糖尿病などの慢性疾患においては、いくつかの選択肢が有りますし、その中からその方にとっての最適な治療法をご相談しながら決めていく作業があり、その際にインフォームドコンセントが重要となってきます。

どのようなインフォームドコンセントのあり方が理想であるとお考えでしょうか。

父の時代は、患者さんに対して「大丈夫ですよ」と一声かけるだけで安心していただくことができたと聞いています。どんな症状であれ、患者さんは病気に対して不安をお持ちですから、そんなとき、医師が「大丈夫ですよ、必ずよくなりますよ」とお声掛けするだけで、ホッと安心されたんですね。しかし、今の時代は違います。インターネットや本などで病気に関する情報は幅広く入手できますし、医学や医療に対する一般の方の理解度もかなり向上しています。そんななかで「大丈夫ですよ」と一声かけるだけでは、患者さんに安心していただいたり信頼していただいたりすることはできません。ですから、患者さんが後から家で調べることが出来るような、専門用語や可能性の高い病名についてメモを書いてお渡しするようにしています。また、なぜその薬を使うのか、なぜその検査が必要なのか、といった診断や治療のプロセスについて具体的にご説明するようにしています。説明資料をお渡しすることもあります。その時点での疑問にも逐一お答えするようにしています。患者さんも診察が終わればお仕事や家事もあるでしょうから、その後必ず病気について勉強しないといけない、と思っているわけではありません。2度目、3度目と診察を重ねていく中で、お渡ししたお薬の効果をお伺いしたり、その後に生じた疑問点や気付いたことについてお話して頂いたりすると、医師の側は病状や患者さんの考え方が分かってきます。病気についての重要な事項は時には表現の仕方を変えて繰り返しご説明します。患者さんにとっても、回数を重ねるごとに病気についての考え方が変わってくるかもしれません。そのような繰り返しの中で、患者さんと医師の間に病気に対する共通認識のようなものが得られることを目指しています。すなわち、「診療を通じたコミュニケーション」を築くことが、私たち医師の役目であり、同時に、特に慢性疾患においては、患者さんの回復をスムーズにするために非常に重要であると思っています。以前、こちらへいらっしゃった若い男性の患者さんの話です。彼は長年、喘息を患っていたのですが、何度目かに通院されたとき、私が今後の治療方法として二つの選択肢を提示したところ、彼は私にこう聞いたんです。「先生はそれぞれの治療法についてどうお考えですか」と。とてもうれしかったですね。私の意見を求めているということは、私と信頼関係を築きたいと思っている証拠であり、ご自分の病気の治癒に向けて、私と協力体制を敷きたいと考えている証明ですから。その病気についての大筋での考え方、概念、いわば病気に対する”フィロソフィー”を患者さんと私との間で共有し、そうした共通の土台の上に立つことが、ひとつの理想の形だと思っています。

医者任せにするのではなく、患者さんご自身も病気に対して積極的に取り組んでいらっしゃるんですね。

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私は治療を行う際、各分野の専門学会等が作成した診療ガイドラインに沿うことをモットーとしています。これは医師としての義務や責任という意味合いもありますが、患者さんの立場に立って考えれば、こうしたガイドラインに沿って治療が行われると、万一、治療に対する疑問や不安が生じても、ご自身で調べたり、検証したりすることが可能だというメリットがあります。つまり、「現在、こういう考えのもとで、こういうガイドラインに沿って治療を進めていますよ」と、現在の患者さんの立ち位置と、今、目指している方向性をガイドラインに則ってお示しするんですね。もちろん、すべての患者さんにとって、ガイドラインに沿ったティピカルな治療が最善かというと必ずしもそうとは限りませんから、個別に対応する臨機応変さも求められます。しかし、患者さんご自身にも「病気を治す」という主体性を持っていただくためには、現在、行われている治療がどういった方向へ向かっているのか、医師は患者さんに対して明示する責任があると思うんです。そういった細やかな配慮が、医師と患者さんの信頼関係を育むのだと思っています。

健診医としての豊富な経験から、先を見越した健康のアドバイスを提供

先生ご自身は、健康を維持するために気をつけていらっしゃることはありますか。

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私の子どもにアトピー性皮膚炎のような症状が現れたことをきっかけに、私自身も食べ物に気をつけるようになりました。特に、油ですね。良質の油、たとえばオリーブ油やパーム油、魚の脂などを摂るようにし、揚げ物などは避けるようになりました。やはり、食べ物は人間の体を作る上でもっとも大切な要素ですから、日々、口にするものに注意を向けるだけで体は少しずつ変わってきます。こうした経験を踏まえ、患者さんに食生活のアドバイスをすることもありますが、その方にどのような食事法が合うかどうかを考えつつ、折に触れてご提案するようにしています。すぐには実行されなくても、後になってそういえばそんなことを聞いたな、とご自身で再発見されることを期待しています。あらゆるものごとの変化は、まず、「気付く」ということから始まりますから、そうした「気付きのチャンス」をできるだけ多く差し上げ、患者さんの選択肢を増やしてあげることが、医師の務めだと思っています。

先生は健診医としてのご経験も豊富ですし、そうしたことも現在の治療に役立っているのでしょうか。

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通常、医師は病気の患者さんと向き合う職業ですが、健診医は健康な方の健康状態を調べるものですよね。そうした健診医を務めていて思うことは、一般に、女性のほうが健康に対して強い興味を持っているということです。もちろん、女性はご家族の健康を預かるという使命を感じていらっしゃる方が多いですし、出産経験などを通して健康というものについて考える機会も多いのだと思います。健診の結果について、「先生、この数値はどういうことですか」と活発にご質問されるのは女性の方が大半ですし、微妙な変化にも敏感に気付きます。私は健診医と病院の医師を並行して行っていますので、たとえば、健診で若干異常値が出たとしても、それが月日を重ねるにつれてどのように変化していくのか、およそ当たりをつけることができるんです。そのため、「いま、この状態だったらこの先もあまり心配ないですよ」とか「今後、少し気をつけたほうがいいですね」など、先を見越したアドバイスが可能です。ですから、健康診断を受けて納得できる言葉がもらえなかった方や、健康診断の結果を見てちょっと不安を感じている方などにも気軽にお越しいただき、日々、健康的な生活を歩むうえでの一助にしていただければと思いますね。

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