患者の心の安定に配慮した
前向きに続けられる不妊治療
ソフィアレディスクリニック
(相模原市中央区/淵野辺駅)
最終更新日:2024/09/10


- 保険診療
子どもを望みながらなかなか妊娠・出産に至らない場合に、夫婦の選択肢となる不妊治療。近年では保険適用も始まり、受けることを検討している人も多いだろう。しかし、特殊な治療でもあり、不安や疑問を抱えて一歩を踏み出せないというケースも少なくないようだ。相模原市緑区、淵野辺駅近くの「ソフィアレディスクリニック」で不妊治療に取り組む長谷川朋也院長は、そうした不安や疑問への対応に力を注いでいるという。「不妊治療では、患者さんの心の安定がとても大切です。当院では正確な医療情報の提供に加え、医療チームが患者さんの感情に共感し、伴走することで、前向きに取り組み続けられる治療をめざしています」と話す長谷川院長に、患者の心に寄り添う同院での不妊治療について、詳しく聞いた。
(取材日2024年8月1日)
目次
医師を中心とする医療チームが共感とともに伴走。心の安定とともに「やりきれる」不妊治療を
- Q不妊治療中の患者さんに多い不安や悩みは何でしょうか。
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A
▲患者それぞれが抱える悩みに向き合う
本当にご自身が妊娠・出産することができるのかといった不安に加え、仕事をしながら治療を受けている方も多いので、通院の継続への不安を口にする患者さんも多くいらっしゃいます。また、タイミング法や人工授精といった一般不妊治療から、体外受精、顕微授精、胚移植などの生殖補助医療まで、不妊治療の内容もさまざまであり、健康保険の適用を受けて制度面でも複雑化しています。治療の選択や費用面での悩みを抱える方も少なくありません。さらに、一度の治療で必ず成果が出るわけではないため、治療を繰り返しながらなかなか妊娠に至らないようなケースでは、メンタル面での深刻な不調を抱える患者さんもいらっしゃいます。
- Qそのような悩みに対してどのようなフォローがありますか。
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A
▲診察後、看護師面談で不安や悩みを相談することができる
当院では、医師の診察後には毎回個別ブースでの看護師面談の時間を設けています。医師ももちろん説明は尽くしますが、不妊治療は特殊な治療であり、難解な医療用語の理解も必要です。そこで、十分な時間を取り、かみ砕いた言葉で理解を促す時間を取っています。面談ブース3ヵ所、看護師3人の体制で対応しており、ある程度時間に余裕を持つことができるので、お気持ちの面にもしっかりと寄り添うことをめざしています。看護師間で情報共有に努めながら、お一人お一人の表情や様子を見ながら、少しでも前向きになれるお声がけを模索しています。さらに、どんな小さな疑問にも24時間対応できるAIを用いた相談システムも導入しました。
- Qチームで支えてくださるのですね。
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A
▲患者を技術と心のケア両面から支えている培養士
先の見えない長く暗いトンネルの中で、心を病む方も少なくない不妊治療では、多方面からのサポートが大切だと考えています。治療成果に振り回されることなく、心の安定を保ちながら、治療に伴う喜びや悲しみといった感情に共感し、支える存在が必要です。当院の看護師は伴走者として患者さんとの関係性を築き、疎外感を感じることのないよう寄り添います。医師には言えないことも看護師になら話せるという方もいらっしゃいます。また、受精卵に関する詳しい状況については培養士から話を伺うこともできます。医師だけではなくスタッフ全員のチームで支えるこうした体制が、離脱率の高い治療での成果につながると考えています。
- Q不妊治療以外の選択肢をご提案されることもあると聞きました。
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A
▲治療後も見据え、チームで支える不妊治療を行う
不妊治療の目的は妊娠・出産ですが、全員が全員子を授かれない可能性もあります。たとえ望む成果が得られずに治療を終了してもご夫婦の生活は続くのです。成果に関わらず、幸せな人生を生きていくために、「やりきった」という感覚をお持ちいただくことがとても大切だと思っています。「家族」にはさまざまな形が存在し、考え方も人それぞれです。治療以外の選択肢で子どもを育てる、特別養子縁組や里親制度もあり、それらもまた幸せな家族の形です。大切なのは、早い段階ですべての選択肢について知っていただき、ご自身で最適な選択をできるように準備しておくこと。患者さんそれぞれが考える家族の形にできる限り寄り添いたいと考えています。
- Q多用な選択肢を視野に入れながら治療することが大切なのですね。
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A
▲目的を見失わないように、さまざまな選択肢を提示している
不妊治療が長引くと、治療自体が目的となってしまう方がいらっしゃいます。しかし、不妊治療はあくまで手段であり、目的はパートナーとともに子どもを持って幸せに生活することであるはずです。そうした目的を見失わないよう、正確な医療とともに心の面からもサポートが必要です。また、当院ではご夫婦での受診を強くお勧めしています。男性不妊専門の外来を設け、泌尿器科ドクターの診療により男性側からも不妊の原因を探ることに加え、男性も自分事と捉えられるような声がけをします。ストレスは排卵や着床の妨げになるというデータもあり、1人ではなく2人で取り組むことで、お互いの心の安定も望めると考えています。