体の状態を知り将来に備える
プレコンセプションケアの進め方
ソフィアレディスクリニック
(相模原市中央区/淵野辺駅)
最終更新日:2024/08/09
- 自由診療
月経不順、性感染症、子宮頸がん、不妊症など、女性ならではの病気を含め、女性の体は一生のうちにさまざまなリスクを伴っている。そんな女性の健康を医療面でサポートする「ソフィアレディスクリニック」の長谷川朋也院長は、日本生殖医学会生殖医療専門医として、クリニックや総合病院のほかアメリカ・ハーバード大学で研鑽を積んだ生殖医療のエキスパート。「妊娠に備えた体づくりはもちろんですが、今の体の状態を知り将来のリスクに備えることが必要です」と力を込める。そこで同院が提案しているのが「プレコンセプションケア」だ。ホルモン状態や卵巣年齢を確認するための血液検査をはじめ、超音波検査、内診、がん検診など豊富なプランを用意し、栄養に関する外来があることも特徴。同院のプレコンセプションケアについて具体的な流れを聞いた。
(取材日2024年7月11日)
目次
検診・治療前の素朴な疑問を聞きました!
- Qプレコンセプションケアを受けることで何がわかりますか?
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A
メインは血液検査で、ホルモンの分泌状況を調べ、月経トラブルや不定愁訴の原因、甲状腺の病気や流産傾向の有無などの判断に活用します。血液中のAMH(抗ミューラー管ホルモン)値を測って卵巣年齢も確認し、高ければ不妊症の原因の一つと考え、早めの妊活を促すこともあります。同時に女性に重要な栄養状態も確認し、栄養に関する外来で管理栄養士が食生活の聞き取りや、体型・体重のバランスが良好かなども把握します。最近は、BMIが18.5未満の痩せ体型の方が目立つ印象です。栄養不足が心配される上、もし妊娠すると赤ちゃんの体重が少なく生まれることもあり得るので、適正体重を維持するように食生活の改善をご提案しています。
- Qプレコンセプションケアを受ける適切なタイミングはありますか?
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A
プレコンセプションケアは、妊娠・出産に備えて生活習慣や体のケアを見直し準備をするという考え方です。患者さんは30~35歳が多いですが、理想的なのは20代前半ですね。この時期から卵子の状態を知りライフプランを立てれば、スムーズな妊活や不妊症の予防につながるでしょう。とはいえ当院では、将来を見据えた健康な体づくりを目的としています。月経が始まった10代前半から老年期の女性にも、幅広く受けてほしいと考えています。10代なら子宮頸がんの検診や予防接種、月経トラブルの相談などの対応ができます。ホルモンの分泌は、肌や髪といった美容面での調子にも影響が考えられるので、一度調べておいてもいいと思います。
- Q費用について教えてください。また、結果を聞くまでの期間は?
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A
血液検査で卵巣年齢と女性ホルモンが正常に分泌されているかを調べますが、これはベーシックプランです。ただし、栄養サポート、超音波検査、内診、子宮頸がん検診など、患者さんの希望によって受ける検査は違うので費用も一定ではありません。そのほか、男性・学生・カップル向けプランなども用意しています。自由診療ですが、子宮内膜症やカンジダ症など病気が見つかった場合は保険診療内で管理していくので、高額な自由診療が続くわけではありません。プレコンセプションケアの結果は、受診から1~2週間でお伝えできます。管理栄養士から食生活のアドバイスなどを受けた後は、医師が総合的な結果をご報告する流れです。
検診・治療START!ステップで紹介します
- 1医師によるカウンセリングで、症状や検査の希望を確認
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プレコンセプションケアについて同院では、生活習慣を整える、感染症を予防する、がんを予防する、ホルモンバランスを整える、不妊を予防することが大きな目的。多角的な視点で健康をサポートすることが説明される。その後、症状や悩みなどのヒアリングを行い、それに応じた検査や診察を提案される。ホルモンの分泌や卵巣年齢を調べる基本的なプランはあるが、患者に合わせたオーダーメイドで必要のない検査はしない方針だという。
- 2患者の症状や希望に合わせた検査が行われる
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月経トラブルがあれば血液検査でホルモンバランスを調べる、おりものの異常や陰部のかゆみがあれば内診や超音波検査で性感染症をチェックする、がんが不安なら子宮頸がんや乳がんの検査をする、フードアレルギーの心配があるならアレルギーチェックをするなど、症状や患者の希望に応じた検査や診察が行われる。また同院では、男性の風疹抗体検査や、不妊症の悩みがあれば精子の数やスピードなどを調べる精液検査にも対応している。
- 3現在の栄養状態について管理栄養士がアドバイス
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同院には栄養に関する外来があり、後日、管理栄養士が生活習慣や食生活を聞き取り、見直しや栄養指導を行う。タンパク質、鉄分、葉酸、ビタミンD、カルシウムなどは不足すると骨が弱くなったり、流産のリスクが高くなったりするという。また、体組成計を使いながら、身長、体重、血圧、骨量、筋肉量、体脂肪バランスなどを調べて体型・体格のアドバイスや妊娠に適した体づくりおよび、健康な体の維持をめざしていく。
- 4医師と管理栄養士から検査結果を伝えられる
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検査の1~2週間後に、医師と管理栄養士から結果が伝えられる。管理栄養士からは、不足している栄養を補うための食生活の指導。医師からは、生活習慣の改善、がんの有無、ホルモンの分泌状況、卵巣年齢、月経トラブルなど、結果を踏まえたアドバイスが行われる。不妊症、クラミジア感染症や淋病といった性感染症は知識不足が引き起こすことも多く、妊娠の仕組みや避妊の方法など、正しい知識を伝えることも重要視しているという。
- 5結果を踏まえて受診や検診へ
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健康と認められたら、1年に1度の子宮頸がんや乳がんの検診で定期的に通うことが勧められる。そのほかは例えば、性感染症が認められたら抗生物質が処方される、子宮頸がんが陰性であれば予防接種の提案、月経不順や月経痛などがあれば薬を処方されるなど、患者に合った対応が行われる。また、卵巣年齢が高い患者には半年後や1年後にフォロー検査を勧めることもあるという。
自由診療費用の目安
自由診療とはプレコンセプションケア/基本プラン:1万2000円 男性プラン:2万円 女性ホルモン採血:8500円〜 子宮がん検査:2000円 精液検査:1万円 フードアレルギー検査 1万円