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海老名 俊亮 院長の独自取材記事

えびな小児科クリニック

(寝屋川市/寝屋川公園駅)

最終更新日:2023/05/09

海老名俊亮院長 えびな小児科クリニック main

学研都市線寝屋川市公園駅から徒歩2分にある「えびな小児科クリニック」は、2001年の開業以来、地域の小児科医療に心血を注ぐクリニックだ。現在院長を務める海老名俊亮先生は、このクリニックの2代目院長。父から継承し、2021年に更なる診療環境の充実をめざして現在の場所にクリニックを移転した。「感染症にも対応できるように設計したのが功を奏して、新型コロナウイルス感染症の流行下でも発熱患者と通常の患者の動線を完全に分離して診療ができています」と話す。開業前は日本周産期・新生児医学会周産期(新生児)専門医として新生児医療に関わり、多くの子どもたちの成長を見守ってきた海老名院長。変化していく時代の中、変わらず小児医療に情熱を注ぎ続ける院長に、詳しく話を聞かせてもらった。

(取材日2022年12月13日)

本人はもちろん、保護者の気持ちも楽にしたい

まずはクリニックの成り立ちを聞かせてください。

海老名俊亮院長 えびな小児科クリニック1

当院は2001年に父が寝屋川市打上中町に開業したクリニックです。私が継承したのが2018年で、診療環境をより充実させるために2021年1月に現在の場所に移転いたしました。新型コロナウイルス感染症の流行下での移転となりましたので「今じゃなくても」というご意見もいただいたのですが、実は移転が決定したのは2019年の年末で、インフルエンザなどの感染症と予防接種などの患者さんを完全に分けたいなと考えたからなんです。結果的に一般の患者さまと発熱の患者さまの動線を分け、さらに予防接種の患者さん専用の待合も作れましたので、新型コロナウイルスの感染予防という意味でも良かったと思っています。

継承前のご経験についても聞かせてください。

私は、勤務医時代は主に新生児医療に従事していた、日本周産期・新生児医学会周産期(新生児)専門医です。新生児医療は小児医療の中でも専門性が高い分野ですので、この仕事に携わってきたことが今の自分の礎になっているなと感じることが多いです。出産後に家に帰り、赤ちゃんと過ごしていく中で不安なことがあればぜひ気軽に相談していただけたらと思います。もちろん、一般外来診療、救急診療も経験してきましたので、新生児だけでなくお子さんに関することは一通り経験しています。子どものけがや病気は、本人だけでなく大人も心を痛めるもの。些細なことでも結構ですので、何でも聞いてください。

診療に際して、特に気をつけていることはありますか?

海老名俊亮院長 えびな小児科クリニック2

改めて気をつけていることと問われると、何と答えていいのか考えてしまいますね。自分は口数が多いほうでもなく、冗談を言って笑わせたりするようなタイプでもないので、もしかすると「怖いな」と感じさせているかもしれません。ただ、私としては来てくれた子どもたちの病気を見逃さないように集中していますし、連れてきてくださった保護者の方々の気持ちを少しでも楽にしたいと思って診療にあたっています。特に、当院をかかりつけとし、いつも来てくれる子どもたちであれば、普段の様子と違うところがないかチェックしていますよ。顔色や表情、話し方や動きなど、あらゆるところをよく見ます。小さな子どもたちはつらさを言葉で表現できませんので、よく観察することが何よりも大事だと思っています。

子どもの健康を守るために「かかりつけ医」を

先生が小児科医になって今日までの間、変化したなと思うことはありますか?

海老名俊亮院長 えびな小児科クリニック3

最近では働くお母さんが増え、わが子を保育園に預けているお母さんが多くなりました。そのため、受診時に「子どもの病気の経過、様子の変化がよくわからない」という方が多くなっているように思います。診察の際には、受診までにどんな経過をたどったのか質問するのですが、例えば「電話が来てから迎えに行ったからわからない」ということもあるでしょう。ただ、これは時代の流れの中で起きていることなので、ある程度仕方がないことなのかもしれません。お父さんもお母さんも忙しい今、どうやって子どもの健康を守っていくのか、われわれも真剣に考えなくてはいけないなと感じています。

現代の親たちが、子どもの健康を守るためにできることは何でしょうか?

私は「子どものかかりつけ医」を持ってほしいなと思いますね。皆さんいろいろと事情はあるかと思いますが、同じ医師が一人の子を見続けるメリットは大きいと思います。特に、言葉がうまく話せない新生児から幼児期にはとてもいいことだと思います。健康診断や予防接種を通して元気な時の様子を知っていれば、いざという時、必ず診療の助けになります。保育園の先生たちと同じように、私たち小児科医や看護師も子どもを守るための「一つの目」になることができます。「時間がないから今日はここでいいや」と、その時々でクリニックを変える人も増えていますが、できれば面倒でも同じ小児科に通い、子どもを見守る目を確保してほしいです。

忙しい毎日の中で、受診のきっかけが難しいと感じる人もいるかもしれません。

海老名俊亮院長 えびな小児科クリニック4

そうですね。ですから、乳児健診や幼児健診や、ワクチン接種が一つのきっかけになると良いなと思っています。当院は1ヵ月、4ヵ月、7ヵ月、10ヵ月、12ヵ月、1歳6ヵ月、3歳の健診に対応していますので、成長の節目を一緒に確認させていただければと思います。また、健診は健康と発育の確認だけでなく、お母さんやお父さんの育児に対する不安や疑問を解決する育児支援も大きな目的です。小児科を受診する理由は、本来何でも良いと私は思っています。「健康だけど気になることがある」「特に何もないけど時間ができたから」でもいいのです。そういった意味では、おじいちゃんやおばあちゃん、遠くの親戚に合わせるくらいの気持ちで来院していただければいいのかもしれませんね。

子どもたちの健康に末長く関与していきたい

そう考えると、受診のハードルが低くなるような気がします。

海老名俊亮院長 えびな小児科クリニック5

クリニックに行きたくない気持ちはよくわかります。それに働きながらの子育ての大変さが加われば、たった一度の受診がどれほど大変かも理解しているつもりです。でも、いざという時は突然来てしまうものなのです。子どもは話せないのに、保護者もうまく説明できなければどうなるか、判断の遅れは時には命にも関わります。子どもを預けながら働くことは悪いことではありません。ただ、より安心して働いてほしいし、その環境を整えてほしい。かかりつけ医を作ることは「気持ちよく働くための準備」と考えてもらえればうれしいですね。

かかりつけ医選びにアドバイスはありますか?

本人はもちろん、保護者の方も「安心できるな」と感じることが大切だと思いますので、何度か受診してみて「違うな」と思ったら別に行ってみると良いかなと思います。通いやすい病院であることも大切なので、立地や設備を確認するのも良いでしょうね。小児科だからといって、特別に注目しなくてはいけないことがあるわけではないと思いますので、自分のクリニックを選ぶときと同じで構いません。わからなければ、まずは保育園や幼稚園の園医を受診してみるのも良いかもしれませんね。ママ友やパパ友がいれば、そこから情報を得るのも一つの方法です。

それでは最後に、今後の展望について聞かせてください。

海老名俊亮院長 えびな小児科クリニック6

大きなことを考えているわけではありませんので、とにかく地域の子どもたちの健康に末長く関与していけたらいいなと思っています。小児科医になって思うのは、子どもの笑顔はやはりとても尊いということ。一人でも多くの子どもが元気に成長してくれることを願っていますので、そのために自分ができることを考え、真摯に小児医療に向き合っていきたいと思います。この地域に住まわれている方で、子どものことで悩むことがあればまずは気軽に受診していただきたい。そのためにできることを、一つ一つ行っていきたいと思います。

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