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久寿 正人 院長の独自取材記事

くす小児科

(松山市/衣山駅)

最終更新日:2020/04/01

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松山市西長戸の閑静な住宅街に佇む、レンガ屋根が印象的な「くす小児科」。勤務医として長年新生児医療・アレルギー疾患を中心に多くの小児疾患を診療してきた久寿正人院長が2000年に開院。小児科・アレルギーの専門家として、風邪や胃腸炎などの一般的な診療から喘息、アトピー性皮膚炎、食物アレルギーなどのアレルギー性疾患の予防と治療まで、患者の将来を見据えて診療に取り組んでいる。和やかな雰囲気の中、小児科の医師を志した理由や専門のアレルギー治療のこと、さらにはプライベートでの一面まで、たっぷりと語ってもらった。
(取材日2019年5月11日)

地域のかかりつけ医として、子どもたちの健康を支える

レンガ屋根の建物がかわいらしく、院内も明るく楽しい雰囲気ですね。

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小児科、アレルギー科を診療するクリニックですから、極力、化学物質を使わないことを第一に、天井に無垢木材を用いたり、壁に珪藻土を用いるなど、自然素材をふんだんに使うことで、体に優しく、また見た目にも落ち着けるような空間にしようと考えました。院内のレイアウトは、待合室から診察室、処置室への移動がスムーズに行えるよう、動線にはこだわりました。また、院内感染予防のために、次亜塩素酸を使った空気清浄機を各部屋に設置。当院では主成分が次亜塩素酸の電解水を皮膚の消毒液として利用していますが、それを院内の消毒にも用いています。ソファーや机のふき取り消毒、スプレーして空気の消毒も行い、院内を清潔に保つことを徹底しています。

先生が医師を志したきっかけ、また小児科を専門とされた経緯を教えてください。

もともとは物理や数学が好きだったのですが、研究者をめざすことを迷っているときに周囲の勧めもあって医師の道を選びました。しかし、人とコミュニケーションをとることがあまり得意ではなかったので、どうしようかと思ったんです。そこで、医師として必要なコミュニケーション能力を鍛えられたらと思い、ボランティアサークルに入りましたが、これが転機でした。児童養護施設、重症心身障害児の病棟を訪問する機会があり、子どもと接する機会を得たことで、気持ちが傾いていったのです。たまたまそのタイミングで、別に所属していた軟式テニス部の顧問である小児科の教授から誘われたことも後押しとなり、小児科へ進むことを決めました。大学卒業後は、新生児医療やアレルギー性疾患を専門とする病院や先生との出会いに恵まれ、勤務医としての20年間の経験が、現在につながっています。

先生は地域の基幹病院との連携や、小児救急医療体制の整備にも尽力されていると聞きました。

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風邪などの一般的な疾患やアレルギー性疾患で当院を受診されている患者さんが重症化したり、入院医療や専門的な治療が必要となったりという場合には、地域の基幹病院に紹介しますが、そこで求められるのはいかに迅速な対応ができるか。救急が大事なんです。そのため、愛媛県小児科医会・松山小児科会の会員である開業医と勤務医が連携し、松山市急患医療センターや松山市医師会館内にある休日診療所での小児救急医療体制の整備を進めています。これらの場所を小児医療の一次救急として構え、さらに重症の患者さんには二次救急である基幹病院の小児科が控えている。松山市は小児救急医療にとても熱心ですので、協力を深め、この体制をさらに強化していきたいと考えています。

アレルギー性疾患の相互関係を見極めた治療を

先生はアレルギー性疾患を専門とされていますね。

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アレルギー性疾患の多くは乳幼児期に発症するといわれています。例えばアトピー性皮膚炎を発症するタイミングで多いのは生後1ヵ月半くらいから3〜4ヵ月の間。自分の体を守るための皮膚のバリア機能が生後1ヵ月半を過ぎると弱くなり、アレルギー物質と接触することが原因となります。その治療の根本は、皮膚の状態を正常化、アレルギー物質の悪影響を取り除くこと。ステロイドなどのお薬を塗り、ひどい場合はステロイドや抗生剤の点滴をします。以前は、赤ちゃんに強めのステロイドは良くないという思い込みがありましたが、荒れて分厚くなった皮膚の表面にしか届かない弱い薬を塗っても効果は期待できません。見た目はきれいになってもアレルギーの原因は治っていないことがあるので、しっかり皮膚の奥に届くような薬を塗り、定期的な血液検査でアレルギーの数値を見える化します。変化を一緒に確認して、継続的な治療に臨んでいただけるようにしています。

アレルギーの症状を抱える子どもを持つ親世代に知っておいてほしいことはありますか?

赤ちゃんは乳児健診、予防接種などでかかりつけの病院へ行く機会がありますが、これはアレルギーにかからないようにするためのいいチャンスです。もしも頬やおでこなどに湿疹があり、痒そうにしている場合は、お薬を塗るなど適切な処置を行う必要があります。そして、日々のスキンケアがとっても大切。赤ちゃんの皮膚は弱いですから、やさしく、丁寧にスキンケアをして、清潔に保ちましょう。また、喘息については、症状が長引いて小学生、中学生でも治療を続けている子は、吸入などが自分でできるようになり、自己管理をするようになる。成長に伴って自分自身の体のことを理解して、自発的に治療をするようになっていけるように、親御さんにはぜひ、お子さんに健康への意識づけをしていただきたいなと思います。

先生が診療において心がけていること、小児科医師の魅力はどんなところでしょうか?

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一人の人間として接することを常に心に留めています。赤ちゃんにも「まずは胸の音を聞くからね」と一つ一つ声かけをしながら診療を行うのですが、赤ちゃんと会話しているようで楽しいんですよ。また、笑うと赤ちゃんも安心しますから、笑顔も大切。ときには、「今日は疲れて笑顔が少なくなってしまったな」と反省することもあるのですが(笑)。小児科の医師としてやりがいを感じる瞬間は、やはりお子さんの成長を感じられた瞬間ですね。注射が怖くて泣いていた子が、頑張って泣かずにできるようになった姿を見ると、たくましさを感じます。小さい頃に診ていた子が大学生になり、留学のために抗体の検査や予防接種を受けに来たこともありました。立派に成長している姿を見ると、開院してもうすぐ20年になるのだなと感慨深いですね。

子どもの力を信じ、スタッフ一丸で小児医療に臨む

日々、たくさんのお子さんを診察されるのはかなり大変なことと思います。

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私がたくさんの患者さんを診ることができているのは、診察に集中する環境を整えてもらっているから。当院では、常に1~2人の看護師が待合室にいて、順次患者さんの問診をしています。そして問診内容を電子カルテに入力し、準備が整った状態で患者さんを診察室に案内していますので、スムーズな診察、処置につなげられています。診察中も隣でクラークが処方箋や電子カルテの入力をしてくれるので、本当に助かっています。患者さんをできるだけお待たせしないようにご案内するにはどうすればいいか、一人ひとりが考えながら動いてくれているので、このシステムを導入してからスタッフのレベルもぐんと上がりました。

お忙しい毎日だと思いますが、ご趣味などはありますか?

何と言っても、一番の楽しみはサッカーの応援! 家内とおそろいのチームTシャツを着て、ほぼ月に1度のペースでスタジアム観戦をしています。松山市医師会にも応援のグループがあって、仲間たちと全力で応援しているんですよ。待合室や診察室など、院内にもポスターやマスコットなどアイテムを飾っているので、チェックしてみてください。

最後に、読者の方へメッセージをお願いします。

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人間には、自分の力で不調を改善していく自己治癒力が本来備わっています。私たち医師の仕事は、一人ひとりが持つその「治す力」を最大限に引き出し、手助けをすること。成長し、物心がついてくると、自分が自分の体を守るために何をすればいいか、少しずつわかってきます。「このお薬を毎日ちゃんと飲んで元気になろう」と、お子さん自身が理解し、一緒に治すために取り組んでいく。そのためには、教育面にも力を入れていきたいと考えています。そして、親御さんと一緒に、お子さんの健やかな成長を見守っていけたらうれしいです。

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