「歯列矯正は抜歯が必要」は間違い
非抜歯矯正で豊かな人生を
なまため歯科医院
(鎌倉市/大船駅)
最終更新日:2025/06/13


- 自由診療
不正咬合への対処法として、まず歯列矯正を挙げる人は多い。しかし、矯正には抜歯が不可欠と思い込んでいる人も少なくないのではないか。中には「歯を抜くのが嫌だから矯正は受けられない」と二の足を踏んでしまっているケースもあるだろう。そんな中、非抜歯での矯正に尽力するのが「なまため歯科医院」の生天目亮(なまため・りょう)院長だ。「正しい歯列を手に入れるために大切な天然歯を失うなんてもってのほかです」と警鐘を鳴らす院長に、抜歯が全身の健康へ与え得る影響や同院が取り組む非抜歯矯正について詳しく話を聞いた。
(取材日2022年11月18日/情報更新日2024年4月2日)
目次
抜歯は全身の健康にも大きな影響を与える可能性あり。歯を抜かない「非抜歯」の歯列矯正を選択肢に
- Q歯列矯正には抜歯が必要と聞いたのですが。
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A
▲正確な診断のために密な検査を行っている
決してそんなことはありません。むしろ、抜歯は全身の健康に大きな影響を与える可能性もあるので私は推奨しません。例えば、抜歯により歯の本数が減ると必然的に歯列のアーチが小さくなります。すると、口腔内の空間や舌の置き場も狭くなって舌を噛みやすくなります。さらに、舌の付け根が喉の奥に落ちると気道も狭まって睡眠時無呼吸症候群やいびきを招く場合も。もし酸素が全身に行き渡らなければ、仕事や勉強、スポーツもしにくいはずです。また、抜歯後の炎症が顎関節にまで波及すると顎関節症につながる可能性も否定できません。その点、非抜歯矯正であれば口腔とつながる副鼻腔の拡張が図れて呼吸のしにくさや鼻詰まりの軽減も図れます。
- Q歯を抜かなくても歯列矯正を行うことができるのですね。
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A
▲日々研鑽を続ける院長。患者に寄り添った診療を心がける
はい。日本で一般的に行われている歯を抜く矯正はアメリカ式で、大学でもこの方法を教えています。しかしドイツをはじめとしたヨーロッパ諸国やオーストラリアなどでは歯を抜かない歯列矯正が主流といわれ、歯を後ろへ移動させていく方法や顎を広げる方法で歯が並ぶスペースの確保を図っているのです。「自分は顎が小さいから歯を抜かなくてはいけないのではないか」と心配される方もいらっしゃいますが、当院では歯列矯正をスタートしてから約30年、非抜歯矯正を数多く扱ってきましたので一度ご相談いただけたらと思います。
- Qマウスピース型装置を用いた矯正でも非抜歯矯正はできますか?
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A
▲各治療のためのパンフレットも用意し、患者への説明に用いている
可能です。当院では表側のワイヤー矯正とマウスピース型装置を用いた矯正を行っていますが、どちらの矯正も非抜歯に対応しています。ただし、マウスピース型装置を用いた矯正は1日22時間、食事の時以外はずっと装置を装着し続けなくてはいけません。きちんと22時間装置を装着できる人であればマウスピース型装置を用いた矯正が選択肢に入ります。当院では、元の歯並びによって「ワイヤー矯正しかできない」「マウスピース型装置を用いた矯正しかできない」という制限は基本的にしていません。
- Q矯正期間中、日常生活で注意することはありますか?
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A
▲口腔内スキャナーの導入によりデジタルでの精密な矯正が可能に
マウスピース型装置を用いた矯正は、しっかり長時間装着することと虫歯や歯周病にならないよう歯磨きを徹底することが大切です。歯磨きやお手入れの方法については、事前に当院で丁寧にお伝えしますのでご安心を。その他、頬づえやうつ伏せ寝といった日頃の癖があると顔が曲がってしまい左右のバランスがずれていきます。当院では顔がゆがんでしまう癖や体がゆがみやすい癖をお持ちの方には、それらを改善するためのアドバイスをしています。きちんと実行できるかはその方次第ですが、特に若い女性は外見への意識も高くて自分で気をつけて努力される方が多い印象ですので、歯列矯正もよりスムーズに進むのではないかと思っています。
- Q非抜歯矯正はどんな人にも適応できるのでしょうか?
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A
▲患者に寄り添い、じっくり時間をかけて診療を行う
不適応なケースはほぼありません。ほとんどの人が非抜歯で歯列矯正ができると考えています。ですが、歯が大きすぎてどうしても歯列を整えることが難しいケースなどは、中央から7番目にある第二大臼歯(親知らずの1つ手前の歯)を抜くという選択肢はあっても良いでしょう。なぜなら、今すでに退化を始めている親知らずと同様に第二大臼歯もいずれ退化していくと考えているからです。また歯列の状況によっては、歯を抜かずに矯正する歯を約0.5mmずつ削ってスペースを確保する場合もあります。
※歯科分野の記事に関しては、歯科技工士法に基づき記事の作成・情報提供をしております。
マウスピース型装置を用いた矯正については、効果・効能に関して個人差があるため、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。