部分入れ歯をしたくない人に
安全性を追求したインプラント治療を

検診・治療前の素朴な疑問を聞きました！

Qインプラント治療にはどんなメリットがありますか？

A

入れ歯、ブリッジ、インプラントなどの治療法があります。それぞれメリット・デメリットがあり、例えばブリッジは、固定するために両隣の歯を削らないといけません。入れ歯は、残存歯に固定するためのバネを取り外す際に、ほかの歯に負担がかかります。その点インプラントは人工の歯根を骨の中に埋め込んで人工の歯を立てるので、周囲の歯に負担をかけにくい治療法といえるでしょう。人工歯がしっかり固定されているため噛み合わせの改善や、天然歯のような噛み心地が期待できるのがメリットです。おいしく食べられれば全身の健康、生活の質の向上にもつながるため、費用面のデメリットを差し引いても総合的に優れた治療法だと考えています。

Q手術前の検査内容や治療期間について教えてください。

A

歯科用CTやエックス線による検査、歯周病検査などを行います。複雑なケースでは噛み合わせを考慮するため、口腔内カメラで口の中を撮影して型を採り、歯の模型を作製することもあります。治療期間は個人差がありますが、短ければ3～4ヵ月ほどとお考えください。虫歯や重度の歯周病が見つかった場合は、口腔内の状況を総合的に見て歯科医師が治療の優先順位を判断します。虫歯や歯周病の治療を先に行うこともあれば、インプラント手術までの準備期間中に治療を行うこともあります。インプラント体を埋入する箇所の骨が少ない場合には、埋入手術の前に骨の量を補うための骨造成手術を行います。

Q治療に適した人、歯科医院選びのポイントを教えてください。

A

全身の健康状態が良好な成人であれば、90代でもインプラント治療は受けられますが、重度の糖尿病や全身疾患がある方は治療の適応対象外になることもあります。歯科医院を選ぶポイントは、歯を抜くか抜かないかを迷っている場合に、さまざまな選択肢を考えて総合的に診てくれるかどうかです。例えば、インプラント治療に必要な顎の骨が薄い・足りないという場合でも、骨造成法などを提案できるかどうかということは重要だと考えています。さまざまな状態に合わせて対応できる総合力は、大切なポイントでしょう。また、内科系の病気などがある方は、全身の状態も踏まえて提案してもらえるかどうかも重要ですね。

検診・治療START！ステップで紹介します

1カウンセリングと必要な検査を行う

インプラント治療のメリット、デメリットの説明を含む綿密なカウンセリングから開始。その後、歯槽骨の形や神経の位置を確認するため、歯科用CTで撮影をする。手術するにあたっての問題がないかを確認するため、虫歯・噛み合わせ・歯周ポケットの状態などを診る口腔内検査や採血を行い、歯周病が見つかった場合には、その治療を優先する。

2具体的な治療計画についての説明

検査結果から見た口腔内の状態や治療計画、具体的な治療の流れなどの説明が行われる。検査時に歯科用CTで撮影した画像をコンピューターグラフィックで3D画像に落とし込み、歯と顎の骨の形状などを立体的に確認できるようにすることで、イメージがしやすいように工夫している。

3インプラント体の埋入手術

義歯の根元となるインプラント体を埋入する手術を行う。通常は歯茎を切って骨の状態を目視で確認し、インプラント体を埋入する位置を決めるが、角度や深さなどをより精密にするために、歯科用CT画像をもとにあらかじめ作製した「サージカルガイド」を使って歯茎を切開せず小さな穴を開けて埋入する方法もある。歯茎を切らないので傷が小さく、術後の腫れや痛みが少ないのが特徴だ。

4インプラント体の定着後に、人工歯を装着する

3～4ヵ月後に、骨とインプラント体が結合していることを確認できたら、人工歯を作製する。同院では、口腔内スキャナーで撮影した歯型のデータをもとに作製するので、口の中に印象材を入れて歯型を採る必要がない。また、かぶせる人工歯は院内の歯科技工士が色や形にこだわって作製している。約1週間後に完成した人工歯を装着して治療が終了。

5治療後のメンテナンス

インプラント治療を受ける患者の中には、歯磨きが十分でないために歯を失った人が少なくない。しかし、インプラント治療を受けた後も、歯周病と同じような状態の「インプラント周囲炎」になるリスクがあるため、歯科医院でメンテナンスとケア、セルフケアの指導を受けて予防に努めることが重要だ。インプラントを長く快適に使い続けるには、3ヵ月に1度の定期的な通院が望ましいという。