亀井 勝行 理事長の独自取材記事
ノーブルデンタルオフィス
(世田谷区/上北沢駅)
最終更新日:2023/01/11
京王線の上北沢駅から徒歩約3分、上北沢区民センターの向かいにある「ノーブルデンタルオフィス」は2008年の開業以来、一貫して患者のニーズに即した歯科治療を提供している。理事長の亀井勝行先生は、同院以外に分院を関東圏に7軒展開。多くの地域で歯科医療に貢献する歯科医師だ。亀井理事長は歯を損失してしまった後の治療を得意としており、中でもインプラント治療に力を入れている。精度を重視しつつ、全身の健康を考慮した治療に取り組む亀井理事長は「インプラント治療は生活の質の向上にも大きく寄与します」と話す。同院のインプラント治療の特徴やクリニックの強み、歯科医療への想いなどをじっくりと聞いた。
(取材日2022年8月22日)
大学病院レベルの治療環境を整える歯科医院
開業から約15年、その間どのような変化がありましたか?
この地域は比較的、開院時から歯科医療に対する意識が高い方が多いです。15年たった今も変わらず、少し費用がかかってもできるだけ良い治療を受けたい、どうせ治療するなら徹底的に治療したいと考える患者さんが多く来院されています。そういった要望に応えるために、個室の診療室、無菌状態を保つことにこだわった専用手術室のほか、歯科用3DCT、歯科用マイクロスコープ、血圧や心拍数など全身状態を管理する生体モニターなどの機器類といった大学病院レベルの治療環境をめざしています。上北沢地域の歯科医療に少しでも貢献したいとの想いで開業しましたが、現在は関東圏に分院も展開し、より多くの患者さんの歯の健康に貢献すべく連携し合いながらより良い診療をめざしています。中には私の治療を希望する方もいらっしゃるので、千葉や埼玉などを中心に分院でも診療を行っています。
待合室もとてもラグジュアリーな雰囲気ですね。
開院する際に、いわゆる歯科クリニックらしくない、シンプルで落ち着いた雰囲気にしたいと思いました。受付にも椅子を置き、患者さんが座ってお会計できるようにしています。当院ではお会計の時間は、大切なコミュニケーションの場だと捉えています。この椅子があることで、患者さんたちは歯科医師には面と向かって言えないことを、スタッフに何げなく話すことも多いようです。そうした会話にこそ患者さんの本音が隠れていることがありますから、会計時の会話を大切にしたいと思ったのです。治療を終えた患者さんには、クリニックを出るまでゆっくり過ごしていただきたいという気持ちも込めて、そのような会計スタイルを続けています。
歯科医師を志したきっかけを教えてください。
祖父が歯科医師だったことがきっかけです。小さい頃、診療室でよく遊ばせてもらったり、休み時間に祖父の膝の上に座ったりしていた記憶があります。ですから、歯科医院も歯科医師という職業もとても身近な存在でした。残念ながら祖父は私が中学生の時に亡くなりましたが、今思い出しても、祖父は歯科医師という仕事が好きだったのだろうなと思います。自分の好きな仕事をして、患者さんや周りの人たちに感謝されている祖父の姿を見て、子どもながらにとても良い仕事だなと感じていました。祖父から「歯科医師になれ」と言われたことはありませんが、いつしか自分も歯科医師をめざすようになっていました。実際に歯科医師になってみて、この仕事を好きだと感じていた祖父の気持ちがとてもよく理解できます。
術後の腫れや痛みが少ないインプラント治療をめざす
理事長の得意な診療分野を教えてください。
歯科治療において大切なのは「総合力」だと考え、あらゆる科目において専門的な治療を提供できるよう、幅広い知識と技術の習得に努めています。得意としているのは歯をなくした場合の治療です。欠損補綴には入れ歯やブリッジ、インプラントがありますが、中でもインプラント治療に力を入れています。インプラントは数多くのメリットが期待できる治療で、当院では専用の手術室で、特別なトレーニングを受けたスタッフとともにチームで治療・手術にあたっています。人工の歯根を骨の中に埋め込んで人工の歯を作りますので、歯全体がしっかり固定されて噛み合わせの改善や、噛みやすさが期待できることもメリットの一つです。おいしく食べられるということは全身の健康、生活の質の向上にもつながります。
ガイドステントを使ったインプラント治療の特徴は?
通常のインプラント治療では、歯茎を切って骨の状態を確認し、ねじを埋入する位置を決めますが、当院ではCT撮影をし、そこで得たデータをもとにサージカルガイドを作製してインプラントを埋入します。歯茎をほとんど切ることなく、小さな穴を開けてインプラントを埋め入れる治療法で、出血や腫れの軽減も望めます。歯茎を切ったり縫ったりする時間もいらないので、処置時間も大幅に短縮できます。例えば、インプラント1本入れる時間は10分程度です。サージカルガイドにはインプラントを適切に埋め込むことができる位置や角度などが記録されているため、より精密な手術が可能となります。当院では骨が薄い、骨が足りない場合は、骨造成にも対応しています。
入れ歯を希望する場合はどのように対応しているのですか?
入れ歯治療に関してもさまざまな種類を用意しており、患者さんの要望に細かく対応しています。例えば、金属のばね部分がないタイプや、床部分が薄いタイプなど、装着したときの違和感が少なくなるよう工夫しています。当院ではより良い治療、より良い義歯を作るために、開院当初から歯科技工士が常駐しており、現在は当院に2人在籍しています。歯科技工士がすぐそばにいますと、もう少し明るい白にしたいとか、ここはこういう形にしたいなど、細かい要望を直接伝えることができるのが一番の利点です。歯科技工士と患者さんが互いに顔を見ながらコミュニケーションを取れますし、患者さんも歯科技工士が作っている姿を間近に見られれば、より安心できると思います。
医科との連携にも取り組み全身の健康にも貢献
診療ではどのようなことを心がけていらっしゃいますか?
患者さんの要望をよく聞くことです。どんなことで悩んでいて、どんなふうになりたいのかをしっかりくみ取った上で、要望に沿った適切な方法を提案したいと思っています。患者さんの中には、私に直接言いにくいと感じている方もおられると思いますから、そんなときはスタッフがお話を伺って情報を共有しています。治療面では高精度の治療を追求して、より長持ちする歯にすることをめざしています。インプラント治療でも入れ歯でも、かぶせ物を作る場合でも、精密で確実な治療を行うように努めています。クリニック名にあるノーブルは、もともと「高貴な」という意味があるのですが、「質の高い」「高品質な」という意味も持っています。その名に恥じない質の高い治療を提供していきたいと思います。
治療ではアレルギー反応が出にくい素材を用いることも意識されていると伺いました。
近年、住環境や食環境、大気汚染などといった生活環境の変化に伴い、アレルギー疾患を持つ人が増えているといわれています。お口の中の金属が原因の歯科金属アレルギーは、必ずしもお口の中に症状が現れるとは限らず、むしろ手足や全身など、まったく関係のない部分に症状が現れることがほとんどです。そのためアレルギー症状の原因がお口の中の金属であることに気がついていない方もいらっしゃいます。当院では金属アレルギーの検査を行っており、虫歯や根管治療、入れ歯、インプラント、矯正治療など幅広い治療において、ジルコニアをはじめアレルギー反応が出にくい素材を用いる治療を意識しています。症状に心当たりのある方はお気軽にご相談ください。
最後に、今後の展望と読者へのメッセージをお願いします。
サージカルガイドを使ったインプラント治療は術者にとっても有益な方法だと思いますが、一般的なインプラント治療ができることが大前提です。私はもともと口の中から全身の健康を考えた治療を提供したいという想いが強く、現在は神戸大学医学部の教授と共同研究に取り組むなど医科との連携も進めています。今後は、ガイドに頼らないスキルを持つ優秀な若手歯科医師の育成にも力を注いでいきたいと考えています。失った歯を放置しておくと次の口腔トラブルを引き起こしやすくなるだけでなく、生活の質にも大きく関与していきます。歯をなくしてしまった、入れ歯で不具合を感じている方は、気軽に相談にいらしてください。
自由診療費用の目安
自由診療とはインプラント治療/27万5000円~(使用する素材によって異なる、またサージカルガイドを使用した場合は+15万円~)、審美歯科(ハイブリッドセラミック)/4万9500円~、成人矯正(ワイヤー)/77万円~、マウスピース型装置を使った矯正/44万円~、小児矯正/11万円~、骨造成/3万3000円~、金属のばねがない義歯/33万円~、床部分が薄い義歯/44万円~、ジルコニアを使用した義歯/55万円~、ジルコニアを用いた治療:ジルコニアインレー/7万1500円、金属アレルギー検査/1万1000円~、唾液検査/2200円
※歯科分野の記事に関しては、歯科技工士法に基づき記事の作成・情報提供をしております。
マウスピース型装置を用いた矯正については、効果・効能に関して個人差があるため、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。