藤田 善史 院長、中茎 敏明 副院長、下江 千恵美 副院長の独自取材記事
藤田眼科
(徳島市/佐古駅)
最終更新日:2026/02/27
佐古駅から徒歩約15分、徳島大学病院からも程近い住宅街の一角にある「藤田眼科」は、充実した診療体制と豊富な症例実績を持つ眼科専門クリニック。1999年の開業以来、白内障手術を専門とする藤田善史院長を中心に、眼科一般から、眼窩・眼瞼・涙道疾患、網膜硝子体、緑内障、斜視、弱視まで、各分野を専門とする8人の医師が幅広い診療と手術に対応している。そんな同院のモットーは「優しい診療」。患者負担の少ない日帰り手術をはじめ、丁寧な説明や術後のサポートなど、診療の随所にその姿勢が表れている。穏やかで落ち着いたたたずまいが印象的な藤田院長と、言葉選びに誠実さがにじむ中茎敏明副院長、明るく快活な雰囲気の下江千恵美副院長に、同院の特徴とめざす眼科医療について話を聞いた。
(取材日2026年2月16日)
患者負担の軽減をめざし開業当初から日帰り手術に特化
クリニックの特徴を教えてください。

【藤田院長】当院の診療の柱となっているのは、日帰り手術です。中でも高度な技術が求められる白内障手術と網膜硝子体手術では、近隣だけでなく、徳島県内各地や香川県、兵庫県からも多くの患者さんが来院されています。特に高齢者に多い白内障の日帰り手術は、当院が行う眼科手術全体の約7割を占めています。
【中茎副院長】私が担当する緑内障の手術では、ミグス(MIGS)という極小切開の低侵襲手術が主流になっています。当院でも2025年の1月から本格的に導入し、手術件数も大幅に増えています。
【下江副院長】当院では、昨年9月より日帰りの全身麻酔手術を開始しました。涙道閉塞症に対する涙嚢鼻腔吻合術や、お子さんの眼瞼手術などを対象に、経験豊富な麻酔科医師の管理下で、安心して手術を受けていただける体制を整えています。
局所麻酔以外にも手術中の麻酔方法はさまざまあるのですね。
【中茎副院長】2025年には全身麻酔のほか、静脈麻酔も導入しました。静脈麻酔は、内科で胃カメラや大腸カメラの検査を受ける際に使われている麻酔で、眠っている間に手術が終了します。主に眼瞼の手術、硝子体手術で用いられ、白内障手術でも必要に応じて適用します。一方、先ほど下江先生がお話しされたように、痛みを伴いやすく、より深い鎮静が必要な涙嚢鼻腔吻合術や、小児を対象とする手術では、全身麻酔を用いています。疾患の内容や年齢、患者さんのご希望を踏まえ、全身麻酔と静脈麻酔を適切に使い分けています。
日帰り手術には、開業当初から注力されているのですか?

【藤田院長】実は1994年に、耳鼻咽喉科の医師と2人で診療を行うかたちで一度開業しています。それ以前、6年間勤務していた徳島赤十字病院での眼科手術は、入院を前提とするのが一般的でした。「手術を受ける患者さんの身体的・時間的負担を少しでも軽くしたい」、その思いから開業を決意し、日帰りでの手術体制を整えた結果、多くの患者さんに来院していただけるようになりました。日帰り手術に重きを置いたスタイルは、当院の診療の軸となっています。
「優しさ」を大切に、患者と向き合い納得できる治療を
診療で大切にしていることを教えてください。

【藤田院長】「優しさ」です。例えば、手術では「早く正確に」ということが基本になり、外来では、手術前の説明をきちんと理解していただくことを重視しています。患者さんが理解されているかどうかを確認する作業は難しいですね。特に白内障の患者さんにはお年寄りが多いこともあり、最近は、マイクを通した医師側の声が、患者さん側の卓上スピーカーから流れる対話支援機器を活用しています。きちんと説明することで、納得してもらう。それによって生まれる「一緒に病気を治していく」というお互いの共通の思いが大切なことだと思っています。
中茎副院長、下江副院長にも伺います。
【中茎副院長】やはり「優しさ」は大切だと考えています。そのため、手術にはできるだけ痛みが少なく、短時間で終わることをめざして取り組んでいます。私が主に担当する網膜や緑内障の診療では、モニターに検査データを表示し現在の状態を画像で見てもらうほか、術前、術後の変化も確認していただいています。注射など手術以外の治療も含め、患者さんの希望を伺いながら、その方にとって最適な治療の選択できるよう心がけています。
【下江副院長】当院では、どのような場面でも患者さんと十分なコミュニケーションを大切にしています。お子さんを診療する際には、保護者の方だけでなく、お子さんご本人にもわかりやすく説明することを心がけています。そうすることで、本人も「頑張ろう」という気持ちになってくれます。その上で患者さんの希望を丁寧に伺い、それぞれの思いにできる限り沿った医療の提供に努めています。
医師やスタッフが多い中、どのように連携を取っているのですか?

【藤田院長】月1回、クリニック全体の定例ミーティングに加え、医師と主任によるミーティングも行っています。医師同士で食事に行くこともあり、そうした場で意見を交わすことも少なくありません。医師はそれぞれ専門が異なるため、話をして初めてわかることも多く、非常勤の先生も交えながら、こまめに話し合える機会を大切にしています。ほかの先生から学ぶことも多く、互いに刺激を受けながら切磋琢磨していますね。また、スタッフ全体の食事会を年に3回行っているほか、メーカーによる説明会も月に2~3回あります。今年5月からは新しい電子カルテへの移行を予定しており、各部署からスタッフが集まり、更新に向けた準備を進めています。このように当院では、技術や設備を含め、クリニック全体でレベルアップに努めています。
新しい技術も取り入れながら常に研鑽を重ね患者に還元
眼科をご専門に選ばれた理由を教えてください。

【下江副院長】私はもともとは外科系を志望していましたが、医学部に通っていた当時は、外科に女性医師がほとんどいない時代でした。そうした中で、自分がやりたいことを続けられるのは眼科だと思いました。医師になって初めて見た眼球は、小宇宙のように美しく、その光景が今も強く印象に残っています。そうした体験も、眼科に惹かれた大きな理由です。
【中茎副院長】初期研修で、いろいろな科を回った中で眼科に興味を持ちました。眼球はとても小さな臓器なのに、眼科には多岐にわたる分野があり、病気や手術もいろいろあります。多くのことができることに魅力を感じ、眼科を選択しました。
【藤田院長】僕が通っていた当時の徳島大学には、眼科や第一内科に優秀な先生方がいらっしゃいました。学生実習の際、顕微鏡下で見事に白内障手術を行う教授の姿を目にし「自分もこんな手術ができるようになりたい」と思い眼科を志しました。
他府県の眼科医院とも情報交換されているそうですね。
【藤田院長】はい。先日も東京、群馬、北海道の先生方と一緒に「眼科における多職種連携を考える会」というウェブミーティングを行いました。今回は、各医院がどのように工夫して待ち時間対策を行っているかを話し合うワークショップでした。スタッフも含めた2時間のミーティングでしたが、勉強になることがたくさんありました。これからも勉強会やウェブを通じて、多くの医院と情報交換ができればいいなと考えています。
今後の展望と読者へのメッセージをお願いします。

【藤田院長】現在、当院では弱視・斜視の手術は行っていませんが、将来的には専門の医師を迎え、対応していきたいと考えています。また、眼科の診断や治療の各分野でもAIの活用が進んでいます。こうした新しい技術も柔軟に取り入れながら、クリニック全体のレベルアップを続けていきたいですね。
【中茎副院長】これからも勉強会などに出席して、常に技術や知識をアップデートし、患者さんに還元していきたいです。新たに得た知見を確実に治療へ結びつけられるよう、今後も研鑽を重ねてまいります。
【下江副院長】当院にはさまざまな専門を持つドクターがいますので、広い領域の眼科疾患に対応することができます。何か気になることがあれば、気楽に相談にいらしてください。

