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古賀 剛人 院長の独自取材記事

古賀テクノガーデン歯科

(千葉市美浜区/海浜幕張駅)

最終更新日:2023/09/26

古賀剛人院長 古賀テクノガーデン歯科 main

海浜幕張駅北口から徒歩3分。大型ビジネスモールの1階にあるのが、「古賀テクノガーデン歯科」だ。インプラント治療に加え、歯科一般から歯周病、歯列矯正などの各分野を専門とする歯科医師がそろう同院。古賀剛人院長は東京歯科大学を卒業後、歯科先進国ともいわれるスウェーデンのウプサラ大学口腔顎顔面外科に留学。その後もインプラント手術を数多く行う中で、医療の安全性やそれを脅かすヒューマンエラーに注目し、見逃さずに安全性の高い歯科医療を提供できるような仕組みの確立をめざしている。「人間はミスをするのが当たり前で、その上で重大な事故が起きないような対策をしなくてはならないのです」と話す古賀院長に、同院の歯科医療に対する考え方などを聞いた。

(取材日2023年6月23日)

念には念を。その積み重ねが安全性につながる

先生はヒューマンエラーに注目し、歯科医療の安全性の向上をめざしていると伺いました。

古賀剛人院長 古賀テクノガーデン歯科1

はい。医療事故は世界的に数多く起こっていますが、中でも人的要因で起こる医療ミスの割合がとても大きいことを踏まえ、医療におけるヒューマンエラーに注目し、院内でそれをコントロールできるような仕組みを構築することをめざしています。根底にあるのは、「人間はミスをするのが当たり前で、その上で重大な事故が起きないような対策をしなくてはならない」という考えです。

近年では、安全性につながる新しいテクノロジーもたくさん登場しているとか。

例えば、私が得意とするインプラント治療では、最近ではサージカルガイドやナビゲーションシステムなどが普及して、より安全性に配慮して治療ができるようになったといわれています。ですが、それらを使えば安全に治療ができるというわけではありません。まず、それらを使用するにはCT撮影などしなくてはいけないことが多数存在しますが、それらによる誤差が累積的に積み上がるんですね。つまり、それぞれでわずかだった誤差が、積算的に重なると危険につながる誤差になる可能性があるのです。さらに、人の体は一人ひとりで違いますから、解剖学の知識に加えて、実臨床での豊富な経験がないと、それらを使ったからといって必ずしも安全とは言えません。私は、将来を考えたらそれらの新しい技術の開発を否定するつもりはありません。ですが、少なくとも現時点においては、それらの道具もベテランの歯科医師が使うことが重要な前提条件と言いたいのです。

ほかにもヒューマンエラーを少なくするための取り組みはありますか?

古賀剛人院長 古賀テクノガーデン歯科2

権威勾配という言葉があります。これは人間関係における権威の高低差を傾きで表すものですが、例えばこれが急すぎると、院長に対しスタッフが、立場的なことから本当のことを言えない状況に陥りがちです。ですが、手術の際私と助手は患者さんを違う角度から見ていますから、見えているところも違います。また、当院では些細なトラブルも私に報告する仕組みがあり、それに対して叱ることはありません。言ってくれて助かったよ、ありがとうと言えば、次からもその人は積極的に危険を指摘や報告をしてくれます。権威勾配はミスにつながりますし、ミスやトラブルをみんなで共有することは再発防止へつながり、その積み重ねが医療の安全性につながっていくのだと考えています。

「肉眼での不可能」を可能にするための医療機器を導入

マイクロスコープを活用した精密な治療にも力を入れているそうですね。

古賀剛人院長 古賀テクノガーデン歯科3

アメリカの医学用語辞書では、手技を用いた医療を外科と呼んでいます。つまり、歯科は外科の一分野と言えますし、歯科医師の身体的状態に左右される医療とも言えます。技術はトレーニングにより熟練していきますが、生き物ですから衰えは必ず訪れ、それが最も顕著に現れるのが、「目」だと考えています。歯科医師に限らず、40代以上の皆さんには覚えがあるのではないでしょうか。しかし、歯科医療においてはマイクロスコープを用いることで、その問題の解決につながります。衰えを補うどころか、肉眼では不可能な領域まで目視できるのです。ですから、マイクロスコープを駆使して患部を確認しながら、培ってきた熟練の手技を用いることで、細かな部分も見逃さないレベルの高い精密治療をめざせるのだと考えています。現在、当院では半分以上の治療でマイクロスコープを用いるなど、細かい処置は拡大視野で行う方針になっています。

感染症対策も重視していると聞きました。

感染には、「トレーニング不足によるもの」と「思わぬアクシデントによるもの」がありますが、さまざまなケースを想定し、そのどちらも起こさないように心がけています。近年は新型コロナウイルス感染症が流行したことを受け、感染症対策も入念にしております。治療器具は使い捨ての材料以外、原則的にすべて日本の基準より厳格なヨーロッパ基準のクラスBタイプのオートクレーブで滅菌しており、材料もできるものはすべて患者さんごとに交換や廃棄をしています。また、HIV(ヒト免疫不全ウイルス)やB型、C型の肝炎など血液から感染する可能性がある病気にかかっている患者さんもまれにいらっしゃいますが、すぐに使い捨てのアイソレーションガウンとシールドつきマスクを着用できるよう準備しています。さらに、手術日には感染性廃棄物収集業者をあらかじめ呼んでおくなど、感染症対策を徹底しています。

国内の歯科治療のレベル向上にも、力を入れているそうですね。

古賀剛人院長 古賀テクノガーデン歯科4

ここまでお話ししたように医療事故で多くを占めるのがヒューマンエラーだと考えています。歯科でいうと特にインプラント治療でのトラブルも多いのですが、それはインプラント治療を行う歯科医院が急激に増えたことも一因かもしれません。それは、歯科医師1人あたりのインプラントの症例数が減ったということを意味するからです。インプラント治療は技術が必要な分野で、技術はある程度はキャリアによって磨かれます。ですが、クリニックによって歯科医師の経験数や技術に大きく差が開いているのが現状です。中でも問題は、専門家の割合が減ってしまったこと。私は、これまで15年以上にわたって学術書の執筆や講演などを通じて、世界標準の歯科医療を日本にも普及させようと努めてきました。これからもこうした活動にさらに力を入れ、歯科医療の安全性を高めていく必要性を感じています。

歯科に求められるのは、シンプルで正確な治療

安全性を高めるため、どのような対策が必要でしょうか?

古賀剛人院長 古賀テクノガーデン歯科5

世界中で科学的に証明されたエビデンスを背景に、こうすればより安全という方法をシステム化して、誰でも同じように準備ができるように普及させることが重要だと思います。歯科医療の現場は命をかけた一発勝負の場ではありませんから、ゴッドハンドは必要ありません。それよりも、多角的に診断した上で正確な治療を行える歯科医師が求められます。私自身も、科学的根拠に基づいたシンプルで正確な治療をめざしていきたいと思っていますし、積み重ねた経験と進化した医療機器により、歯科医院としての治療レベルが常に前進している自負はあります。この先も着実に進歩し続けたいですね。

先生は、どのようなクリニックを理想としていますか?

科学的な根拠に基づいた治療と、患者さんと同じ目線に立った診療を提供できるクリニックでありたいですね。留学したスウェーデンでは、歯科医師と患者さんがお互いにリスペクトしながら、対等な雰囲気で会話をしていたと感じました。それは、率直で誠実な態度やオープンマインドな接し方です。歯科医師が上から目線で独断で行う治療では、患者さんの治療への理解が不足しがちで、お互いに不満が残ることもあります。ですが、このように患者さんの根本的な問題に対するシンプルな診療ができれば、お互いに満足度を高くすることができるのはないでしょうか。

最後に読者へのメッセージをお願いします。

古賀剛人院長 古賀テクノガーデン歯科6

診療で納得したいという想いは、患者さんだけでなく私たちも持っています。ですから、自分はこういう治療をしてほしいという希望を、率直に伝えてみてほしいですね。先生にお任せしますと言っておきながら、後になって不満を抱くのは、お互いにとって良いことではないでしょう。治療前に希望を聞かせてもらえるのは、歯科医師としてもありがたいものです。そして、誠実な歯科医師はあなたの想いをきちんと受け止めますし、ニーズを理解した上で、無理なことは無理と正直に言うはずです。どうか、歯科医師とのコミュニケーションを大切にしてほしいと思います。

自由診療費用の目安

自由診療とは

インプラント治療:1本51万7000円〜(上部構造と人工歯を含めて)
矯正治療:子ども矯正30万円〜、成人矯正70万円〜

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