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古賀剛人 院長の独自取材記事

医療法人社団玄同会 古賀テクノガーデン歯科

(千葉市美浜区/海浜幕張駅)

最終更新日:2019/08/28

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現在、約3万人が住み、にぎわいを見せる海浜幕張駅。しかし「医療法人社団玄同会 古賀テクノガーデン歯科」の開院当時は居住区ができておらず、誰も住んでいなかったという。この街とともにゼロから成長していきたい、という想いから本院はここに根をおろした。その理念通り、同院はインプラント治療、そしてスタッフ教育の分野で同業者からも厚く信頼される歯科医院へと発展した。古賀剛人院長は著作・論文を多数出版し続けている。歯科先進国であるスウェーデンのエビデンス(科学的根拠)に基づいた治療方針で、患者にとって安全で負担が少ない低侵襲を重視したインプラント治療を行っている。今の地位と診療スタンスにたどり着くまでに古賀院長がどんな道を歩んできたのか、詳しく話を伺った。
(取材日2015年12月18日)

念には念を。徹底した安全管理で事故を防ぐ

先生が治療する上で大切にしていることはなんですか?

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安全性の高い治療です。例えば、当院では治療に生体モニター(パルスオキシメーター)を導入しています。受付の血圧計で治療前に血圧を測ってもらい、血圧が高い人には生体モニターで動脈血酸素飽和度(SpO2)や血圧などを把握しながら治療を進めます。当院では、緊急時におけるスタッフの対応にも力を入れるべく、スタッフ全員が心肺蘇生法などの救急処置の訓練を毎年受けています。こうしたことはあくまで訓練ですから、緊急時に本当に役立つか保証はありません。しかし、火事のときに役立つかわからなくても避難訓練が重要なのと同じで、必要不可欠なことだと思います。手術室では、インプラント手術専用器具を常備15セットほど滅菌した状態で用意しています。吸引装置も、万が一、コンプレッサーが壊れた場合に備えて電気式のものを使用しており、手術に使用する切削機械も予備を含めて3段重ねでセットし、故障した場合にもすぐ別のものに切り替えられるようにしてあります。

滅菌に関してもこだわりがあるのでしょうか?

当院では滅菌・消毒システムも妥協を排し、一つ一つ努力を積み重ね構築してきました。例えば、従来の医院では引き出しに入れているインストルメントまでオートクレーブで滅菌しています。患者さんごとに交換・廃棄して使用する材料は膨大です。また、HIVやB型C型肝炎など血液の病気にかかっている方が来院した時でも、当院ではすぐに使い捨てのアイソレート・ガウンとシールド付マスクを着用して診療する態勢をとれます。手術の日には感染系廃棄物収集業者をあらかじめ呼んでおくなど、段取りもスタッフ全員が自分で考えて行えるまで訓練を重ねてまいりました。

スタッフ教育にも力を入れているのですね。

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当院では清潔不潔の概念を大切にし、全員に手術の無菌テクニックをトレーニングしています。通常業務から外科手術、感染対策、患者への応対まで業務マニュアルを自分たちで作成し、常にアップデートも行っています。この道20年のベテランの歯科衛生士も当院には多数いて、誰もがなんでもできることをめざして若手を指導しています。スタッフの研修状況はスキルマップで一目瞭然です。指導は歯科技術だけでなく、患者さんへの教育やアドバイス法も含まれます。患者さんは不安になると近くの話しやすい人に聞いて質問するものです。だから、スタッフ全員がそういったことを話せるようにトレーニングが必要なのです。患者さんへの説明をビデオ撮影し、他の人にも評価してもらうことで、自分の欠点や癖に気づいてもらいます。マニュアルを偏重するのではなく、自分で考えてものが言えるスタッフを育てることは当院全体のレベルアップに通じていると考えています。月に2度の勉強会も行い、歯周病の学問的な内容から臨床技術論までドクターも含めて研鑽しています。

患者への経済的・身体的負担を極力なくしたベーシックな治療

なぜこの地に開院されたのですか?

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今では幕張新都心地区といえばさまざまな催しがある場所なので街としての認知度は高いかもしれません。でも、私が開業した時はテナントの入れるビルはここしかありませんでした。居住区は1995年にできたので、開院した1990年はまだ誰も住んでおらず、ゼロから開業医をスタートするっていいなと思ったのです。今は雑多になっていて、あらゆる企業や人たちがいるのですが、ここは「テクノガーデン」という名前の通りIT企業ばかりが集まるビルでした。IT企業はトップでさえも若い人ばかりなので、開院当初、歯に問題のある方が非常に少なくて戸惑ったことも、今はいい思い出です。

どんなクリニックが理想だと考えていますか?

開業医になる前にアメリカの大学に半年ぐらい留学したのです。当時の日本の歯科医療は手にグローブさえしなかった時代だったので、アメリカのレベルの高い治療を見て衝撃を受けました。そして、こうした治療は多くがスカンジナビア発祥のものだったと知り、スウェーデンの大学で主催される研修に通うようになりました。スウェーデンから学び、実現しようと思ったことは、科学的な事実に基づいて治療するということ、患者さんと同じ目線に立った診療をするということです。スウェーデンでは歯科医師と患者がお互いにリスペクトしながら対等な雰囲気で会話をしていました。率直で正直な態度という意味でのオープン・マインドな接し方でした。そうすると、治療も歯を削るという目の前の治療術技よりも、患者さんの根本的な問題がどこにあるのか探る診断が重要になってきます。術者が上から目線で、独断で行う治療は、患者さんの治療内容への理解が不足しがちで、精神的にも肉体的にも負担がかかるものです。患者さんの侵襲性が少なく、通院回数も少なくてすむシンプルな診療では通院の回数も減らせ、結果、治療コストも抑制できると言えるでしょう。

負担が少ないといえば、即日で噛めるインプラント治療も行っているそうですね。

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1990年代半ばからインプラントの即時荷重治療について、アメリカでいくつか論文が出ていました。でも、それは偶然うまくいったという臨床報告で、科学的にきちんとデータが取られたのは1999年にスウェーデンから発表されたのが初めだと思います。スウェーデン留学時代にこの臨床術式(即時荷重)を学び、2001年の4月から歯がほとんどない方に限り取り入れました。歯の少ない方に限ったのは、残存する歯に左右されず、インプラントを力学的に最適な配置ができるからです。当院ではメンテナンスを重視したインプラント治療を行っています。インプラント上に装着する義歯(上部構造)も、掃除がしやすいように、設計されています。すべて医院でならネジ式で取り外しができるように設計されています。インプラント周囲炎など感染関連のトラブルが起きればいったん全部外して洗浄、消毒します。時には清掃性を向上させるように改造を加える事もあります。セメントでインプラント上部構造を接着してしまうとできない術式ですね。

今後は著作を通じて自らの技術を発信

先生のプライベートについても教えてください。

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読書や映画鑑賞の時間は昔からのお気に入りです。芸術的なことは全般的に好きで、油絵を描いたりチェロを弾いたりするのは落ち着きます。最近は今まで疎かった和の文化にいろいろ触れていますね。この前初めて文楽を観に行きました。近々チケットをとって予定しているのでは、落語と和太鼓、狂言に行く予定です。それと、山歩きもやっています。ヨーロッパに研修に行った時はモンブランの標高2500mくらいのところをトレッキングしました。それでもアップダウンも多く7〜8時間はかかります。いい空気を吸い、風景が楽しめればいいので、難易度の高い山に登る気はありません。それでも、体のトレーニングは必要なので、4、5キロのウォーキング後、自分のマンションを30階以上まで休むことなく階段で上るトレーニングをしています。

今後の展望について教えてください。

治療としては、科学的根拠に基づいたトラブルの少ないシンプルで正確な治療を続けていきたいと思っています。今でも少しずつ治療レベルが前進している自負はあります。さらにクリニック内すべての診療が、この先も着実に進歩し続けたいですね。そのためには自分の技術だけでなく、スタッフの技術水準も上がらなければなりません。この10年間継続してきたことですが、これまで以上に著作や講演を通じて世界標準の方法を日本の歯科界に普及させ、インプラント治療の安全性を高めていく必要性を感じています。「自分はこれだけ技術力がある」という話には独りよがりな傲慢を感じ、大きな意義は感じません。世界中で科学的に証明されたエビデンスを背景にした、「こうすればより安全」という方法をシステム化して、誰でもできるように普及することが大事だと思います。

最後に、読者にメッセージをお願いします。

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「きちんとした診療をしたい」という想いは患者さんだけでなく歯科医院も持っています。ですから「自分の治療はこうしてほしいのだ」という希望を率直に伝えてみてください。「治療のことは先生にお任せします」なんて言って、後で不満を抱くのではいけません。治療は歯科医師が勝手に行うものではなく、相互の理解と納得の上になされていくべきだはないでしょうか。治療の前にどうしてほしいのか言ってもらえたほうが歯科医師としてもありがたいものです。誠実な歯科医師はあなたの想いをきちんと受け止めます。そして、ニーズを理解した上で、無理なことは無理と正直に言います。どうぞ歯科医師とのコミュニケーションを大事にしてくださいね。

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