全国のドクター9,096人の想いを取材
クリニック・病院 158,815件の情報を掲載(2024年3月28日現在)

  1. TOP
  2. 東京都
  3. 世田谷区
  4. 桜上水駅
  5. 広瀬クリニック
  6. 広瀬 博章 院長

広瀬 博章 院長の独自取材記事

広瀬クリニック

(世田谷区/桜上水駅)

最終更新日:2021/10/12

広瀬博章院長 広瀬クリニック main

2003年の開業以来、地域で暮らす小さな子どもから高齢者まで、幅広い世代の患者に優しく寄り添い続ける「広瀬クリニック」。桜上水駅より徒歩1分、住宅街エリアの玄関口にたたずみ、地域に根差したクリニックとして親しまれてきた。院長の広瀬博章先生は、大学病院や民間病院で内科の医師として多くの症例を診てきたベテランドクター。待合室の出窓には生け花が飾られ、患者から贈られた刺繍が飾ってあるなど、ほのぼのとした雰囲気の中、日々の診療にあたっている。今回、「開業医の役目は、幅広く診ることです。十人十色の患者さんのニーズに向き合いながら、最善の治療を提案するよう努めています」と笑顔を見せる広瀬院長に、たっぷりと語ってもらった。

(取材日2019年9月20日)

十人十色のニーズに向き合い、患者が望む治療をめざす

開業から16年、現状を教えてください。

広瀬博章院長 広瀬クリニック1

あまり大きな変化はありませんが、おかげさまで地域に定着してきたという手応えは感じています。「地域に根差し、心のこもった医療サービスをめざす」をモットーに、毎日こつこつと診療を積み重ねてきた成果が出てきたかなと。何でも気軽に相談できる雰囲気をつくり、丁寧でわかりやすい説明と正確な診察を心がけてきましたので、地道な努力が徐々に形になってきたのだと自負しています。淡々と継続していくことが一番大切だと思っていますので、いつまでも患者さんが安心して通い続けられるクリニックであり続けたいですね。

患者層などは変わりましたか?

この地域には、昔から住んでいる地元の方とワンルームマンションなどで暮らす若い世代の方がいらっしゃいます。そのため、当院にも若者や高齢者、ファミリー世代など、幅広い層の患者さんが来院されています。小児科も掲げていますので、熱を出した赤ちゃんを診ることもありますよ。開業当初から通っていただいている患者さんも多いことから、今では80代、90代とご高齢の方も増えてきました。季節によって傾向はありますが、風邪などの一般内科をはじめ、高血圧や糖尿病などの生活習慣病、慢性的な呼吸器系疾患など、さまざまな症状に対応しています。

幅広く診療されているのですね。

広瀬博章院長 広瀬クリニック2

はい。当然ながら患者さん一人ひとりの生活背景も異なりますし、環境が違えば、医療に対する考え方も変わってきます。だからこそ、十人十色の患者さんのニーズをしっかりとくみ取った上で、患者さんが望む治療を提供するように努めています。例えば、ゆっくり話をしたい方もいれば、とにかく時間がなくて薬の処方箋だけが欲しい方もいますよね。長いキャリアを積んできましたが、こればかりは憶測で判断することはできません。きちんと患者さんに向き合い、言葉を交わして、一人ひとりのニーズに確実に応えていきたいと思っています。それと、医師が忘れてはならないのは、あくまでも患者さんのペースを優先することだと考えています。相手を誘導して自分のペースに持っていくのではなく、患者さんの訴えを一通り伺いながら、良好な信頼関係を築いていきたいですね。

幅広い経験をもとに、地域医療に応えられるように

先生のご専門についてお聞かせください。

広瀬博章院長 広瀬クリニック3

私の専門は、呼吸器内科です。とはいえ、勤務医時代は専門分野に特化した診療だけを行うのではなく、一般内科のさまざまな症例を診てきました。その経験を生かして、今でも幅広く診療を行っています。というのも、開業医の役目は、患者さんへの門戸を広げることだと思っていますので。ホームドクターとして気軽に足を運んでいただき、正確な診断や治療を心がけ、必要な場合は専門の医療機関を紹介しています。長年、私の出身である東京慈恵会医科大学附属病院と連携をとっていますので、安心してお任せいただけたらと。もちろん、なるべく患者さんのご希望に沿えるように、他の総合病院や大学病院を紹介させていただくこともあります。このような橋渡しも、開業医の大事な仕事の一つだと考えています。

桜上水に開院されたきっかけは何でしょう?

きっと何かの不思議な縁があったのだと感じています。以前は、別の先生がこの場所で開院されていたのですが、ご高齢で診療を続けることが難しくなりました。閉院も検討されていた頃、たまたま知り合いを通じて、私にお話が舞い込んできたんです。当時の私は、内科の医師としてとにかく幅広い症例に対応していましたので、微力ではありますが、私の経験が町のホームドクターとして生かせるのではないかと。プライマリケアで求められるのは、高い専門性よりも幅広い経験だと思いますので、クリニックを引き継ぐことを決めました。そうなると話は早く、1~2ヵ月後には継承していましたよ。

“縁”によって地域医療の“根”が引き継がれたのですね。

広瀬博章院長 広瀬クリニック4

そうなりますね。私は医師の家系で生まれたわけではありませんので、その分、縛られることなく、さまざまな場所で医師という仕事に携わってきました。もともと使命感のような大それた気持ちで医師になったわけでもなく、一生を通じて自分の能力を生かし、それによって患者さんのつらさや苦しみを和らげたいと考えていたんです。この地には縁があって巡り会えたわけですから、地域の皆さんの期待に応えられるように努めていきたいですね。ちなみに、東京慈恵会医科大学を卒業した後、同大学の第三病院の内科に入局しました。調布市と狛江市のちょうど境の辺りに第三病院があるのですが、私は小学校の途中まで狛江市で暮らしていたんです。よく熱を出し、扁桃を腫らしていたそうですが、そんなときは第三病院で治療してもらっていたとか。ここにも不思議な縁を感じています。

誰もが安心できる「ホームドクター」であり続けたい

プライベートではどのようにお過ごしですか。

広瀬博章院長 広瀬クリニック5

最近は、家でゆっくりと過ごすことが多いですね。サッカーなどスポーツ全般が好きなので、いろんな試合をテレビ観戦しています。若い頃は、とにかく来る日も来る日もサッカーばかりしていましたよ。遊びに毛が生えた程度ですが、中学高校の頃からサッカーが大好きでした。その当時、子どもの憧れはやっぱり野球選手でしたが、私は大学の時も迷わずサッカー部に入りましたね。医師という仕事は「頭より体力」という場面が往々にありますから、基本的にどの学生も体育会系のクラブに所属するんです。今でも、サッカーで得た体力や人脈、コミュニケーション力が仕事に生かされています。

医師としてのやりがいは何でしょう?

もう長いキャリアになりますが、患者さんとのお付き合いの中で、地域医療に貢献できているのかなと感じる場面はあります。例えば、患者さんから電話をいただいて、他の病院への受診をアドバイスしたら、大ごとにならずに済みましたとお礼を言われました。こんなとき、医師として役立てたのかなと、やりがいを感じますね。また、当院の休診日の前になると、必ず来院される患者さんもいます。ついつい不安になるのでしょうが、いろいろお話しして安心して帰って行かれる姿を見ると、うれしく感じますね。

最後に、今後の展望をお聞かせください。

広瀬博章院長 広瀬クリニック6

今までどおり、患者さんに寄り添う診療を続けていきたいです。このエリアは一人暮らしの高齢者をはじめ、核家族化によって相談相手がおらずに子育ての不安を一人で抱えているお母さんなど、本当にいろんな方がいらっしゃいます。誰もが安心できる、町のホームドクターとして、患者さんの顔を見て、言葉を交わし合いながら、診療を行っていきたいです。また、今年になって新しくレントゲンの機器を入れ替えたのですが、必要に応じて設備も整えていきたいですね。これからも患者さん一人ひとりに真摯に向き合いながら、私なりに地域医療に力を注いでいけたらと思っています。

Access