治療の質の向上につながる
マイクロスコープによる精密治療
岡田歯科医院
(大阪市生野区/桃谷駅)
最終更新日:2023/07/13
根管治療などを行う際に用いる歯科用顕微鏡のマイクロスコープ。肉眼での治療には限界があるが、この先進機器を用いると約20倍に拡大して対象の歯を見ることができるため、肉眼では難しい精密な治療が可能になると「岡田歯科医院」の岡田泰典先生は話す。同院では保険・自費診療問わず、さまざまな治療で活用。天然歯や歯髄を残すための治療はもちろん、歯の温存をめざす歯周病治療やメンテナンスでの歯石取りに至るまで惜しみなく使用している。しかし、その先進機器を用いるためには、使いこなすための技術が不可欠。歯科医療は日進月歩。ゆえに日々のトレーニングを怠らないという岡田先生に、同院で実施しているマイクロスコープを使用した治療や、そのメリットなどについて解説してもらった。
(取材日2023年6月28日)
目次
歯科用顕微鏡のマイクロスコープを活用することで治療の質が向上し、再発リスクの軽減も期待できる
- Qどのような治療でマイクロスコープを活用されるのですか?
-
A
すべての治療において活用していると言っていいほど、私が治療を行う上で不可欠な存在となっています。当院では自費・保険診療問わず、必要だと判断すれば積極的に使用します。例えば、根管治療など精密な治療を行うときはもちろん、虫歯箇所を拡大して画像を撮り、治療前後を患者さんに見てもらうためのツールとしても非常に役立っています。保険治療の中でも特に、歯の神経を残せるか否かといった時には、マイクロスコープがないと判断が難しいため、さまざまな治療において欠かせないと思います。そのくらい、マイクロスコープを使うとより精密に治療できると感じています。
- Qマイクロスコープを用いた治療のメリットを教えてください。
-
A
先ほどもお伝えしましたが、まず、肉眼では捉えきれない部位も拡大視しながら処置できる点。精密な診断や治療が可能になります。それによって、削り残しが生じたり必要以上に健康な歯を削ってしまったりすることを防ぐことにつながります。治療時間の短縮も可能になります。次に、マイクロスコープのカメラが治療部位を映し出すので、モニターで患者さんも確認できる点。説明する際のツールとしても役立ちます。それから、治療の幅が広がる点。これまで難しかった細部の治療も、マイクロスコープで拡大視することで治療の可能性が広がります。そのほかにもたくさんのメリットがあると思います。
- Q歯髄を残すための治療でも活用されているとお聞きしました。
-
A
はい。歯髄治療については、まず虫歯を取りきれているかを確認しなくてはなりませんので、その際もマイクロスコープは非常に有用です。歯髄の状態を観察する際も、私はこの機器がないと安心できません。あと、レジンというプラスチック素材を歯につけて、色や形を整えるためのダイレクトボンディングという治療でも活用しています。裸眼での治療は余裕を持って歯を削らなくてはなりませんが、マイクロスコープを使うとはっきり見えますので、削る量は必要最小限で済むのもポイント。あと、歯との境がわからないようにするには研磨が大事なんですね。その作業もこの機器を用いるか否かで仕上がりが変わってくると思います。
- Qさらなるマイクロスコープの活用法はありますか?
-
A
歯周治療ですね。歯周病の治療には、歯茎を切り開いていく前段階の処置があります。その歯石を取る作業もマイクロスコープが非常に役立ちます。歯茎の隙間にある歯石を見えるようにするには、マイクロスコープの先にあるライトが非常に重要な役割を果たしてくれるんですよ。光が入らない部分がクリアに見え、なおかつ歯茎を開いていく際も1ミリ切るだけで視野の確保が容易になります。裸眼での治療は、かなり歯茎を切り開いてめくらなければ見えませんので、どうしても痛みを伴います。その点、マイクロスコープを使えば痛みを抑えることにつながります。このように、適用はかなり幅広いですね。
- Q精密な治療を行うための課題について教えてください。
-
A
治療に対するゴールというか、限界を自分の中でどう折り合いをつけるか。それが課題かもしれません。というのが、治療対象物がはっきりと見えるがゆえに、まだできるんじゃないか、もっとやれると追求すると、極端な話、終わりがないと思うんですよ。特に根管治療は見えやすい分、できることがたくさんあるんです。集中力が必要になりますから、体調を整えることも大切。ほとんどの治療で使用していますからね。今はまだすべての歯科医院にマイクロスコープが導入されているわけではありません。そういった点も患者さんが当院を選んでくださっているポイントになればうれしいですね。
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