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中島 林太郎 院長、中島 雅子 副院長の独自取材記事

中島内科小児科医院

(世田谷区/学芸大学駅)

最終更新日:2024/05/17

中島林太郎院長、中島雅子副院長 中島内科小児科医院 main

小児科医として半世紀以上のキャリアを持つ中島雅子先生。循環器内科の専門家として大学病院で高度な治療技術を学んできた中島林太郎院長。母と息子がお互いの専門性を生かし、プライマリケアを提供する「中島内科小児科医院」。患者に誠意を持って接し、話しやすい雰囲気をつくることをモットーとする雅子先生には、いつも医院では泣いてしまう子もなつくという。林太郎院長も、問診と聴診・触診を組み合わせた診察を重視し、時間をかけて丁寧に話を聞くことを心がける。医師でもあり親子でもある2人のユーモアあふれるやりとりも楽しく、この和やかな雰囲気に惹かれて家族ぐるみで通う患者が多いことも納得できる。そんな同院は、2022年4月に代替わりをした。代替わりをしても変わらず診療を行う2人に、地域医療に取り組む熱い思いを聞いた。

(取材日2021年8月30日/情報更新日2022年6月22日)

小児科、内科として、半世紀にわたり地域住民を支える

まず、こちらのクリニックの成り立ちを教えてください。

中島林太郎院長、中島雅子副院長 中島内科小児科医院1

【雅子先生】私は「人の役に立てる仕事をしたい」と決意して医師の道を選びました。そして小児科医師として地域のお子さんの健康を守るために、1971年に当院を開院しました。当時は今からは想像できないぐらいのベビーブームで、多くの患者さんからの信頼もいただき、私一人では手が足りなくなりました。当時、夫は大学で医師の卵を育てる大切な仕事についていたのですが、私と一緒に当院で小児科と内科の診療に携わってくれました。その後、夫が亡くなり、息子が後を継ぎ、今は2人で地域の患者さんの診療を行っています。

林太郎院長は、内科、循環器内科が専門とのことですね。

【林太郎院長】僕は東邦大学卒業後、東邦大学大橋病院の第三内科に入局し、循環器内科を専門に経験を積み、心臓のカテーテル治療やICUの重度の心不全の患者さんなども担当していました。今でも毎週、大学病院での診療を担当しており、先進の医療を経験できる場があるので、よい緊張感を持てています。また現在はどこの医学部でも専門性を突き詰めるのが主流ですが、僕が学んだ頃は内科全般を経験することができ、消化器内科や呼吸器内科、血液内科の研鑽も積んだことが、開業してとても役立っており、地域医療に還元できていると感じています。

医院としてはどのような特徴がありますか。

中島林太郎院長、中島雅子副院長 中島内科小児科医院2

【林太郎院長】炎症の程度を早期にチェックする検査や、心臓の超音波検査、動脈硬化の進行度を確認する頸動脈超音波検査、血管の詰まり具合を調べるABI検査、不整脈が疑われる場合に24時間行うホルター型心電図検査など、重症化すると命に関わる病気の見極めや進行チェックに役立つ機器がそろっています。既往歴や生活スタイルも検討して必要な検査を組み合わせて行い、不必要な検査は避けることも心がけています。検査内容などは時代に合わせて常にアップデートしていますが、地域に根差した医院として、変わらずそこにあると地域の方に認識してもらえることが重要と考えています。新型コロナウイルスが流行する中でも、今までと変わらず安心して受診していただけるように、発熱した患者さんと、一般の患者さんの動線を明確に分け、院内には検温器や空気清浄機を設置するなど感染症対策にも力を入れています。

患者の心もしっかりくみ取り、プライマリケアを実践

雅子先生の診療方針を教えてください。

中島林太郎院長、中島雅子副院長 中島内科小児科医院3

【雅子先生】とにかく患者さんに誠心誠意尽くすこと。そして誠意のこもった言葉でお話しすること。これは夫が身を持って貫いたことでもあります。小児科では、どういうわけか私は小さい子に好かれるんですよ。どこのクリニックでも泣いてしまうというようなお子さんも、私にはおとなしくしてくれることが多く、そんな時「まだまだ頑張らなくちゃ」と思いますね。

林太郎院長の診療方針も聞かせてください。

【林太郎院長】患者さんの話をよく聞いて、メンタル的な部分もしっかりと診ることが大切だと思っています。患者さんの悩みやつらさをよくお聞きして、よく気持ちを理解し、その上で、見落としのないように診断する。そしてプライマリケアの一番の目的は、地域の方の重大な病気を見逃さず、できるだけ早く発見することだと思います。このような診療姿勢は、知らず知らずのうちに母や亡き父を参考にしているのかもしれません。今も、母と患者さんのやりとりを見ていると「なるほど」と思うことが多くあり、開業医という仕事は、医学的に正しいことだけを一方的に患者さんに押しつけるだけでは成り立たない。地域に根差した医療は、本を読んだだけではわからないことがたくさんあると実感しますね。

印象的な患者さんとのエピソードはありますか。

中島林太郎院長、中島雅子副院長 中島内科小児科医院4

【林太郎院長】治療が成功して感謝されるのは当たり前かもしれませんが、すべての病気が治るわけではなく、すべての患者さんが元気に回復できるわけでもありません。勤務医時代は、病に勝てずにお亡くなりになることもあり、それでもご家族から「ありがとうございました」という感謝の言葉をいただくと、うれしいと同時に「もっともっと頑張らなくては」と思いました。当院では、そうした重度の患者さんを診療することは少ないですが、感謝の言葉をいただけるとうれしいですね。

雅子先生は、仕事と家庭の両立は難しくはなかったですか。

【雅子先生】取り立てて特別なことをしたという自負はないんですよ。子育てと仕事を両立しやすいことも考えて自宅で開業したので、子どもたちが風邪をひいて寝込んでいるときでも、診察の合間を縫って様子を見に行くことができました。2人の子どもは医師の道に進んでいますが、決して医師になるよう強要しませんでした。なぜなら医師という仕事は適正がありますからね。どんなに学校の勉強ができても、相手を思いやり共感できる性格でなければ、この仕事は務まりません。その意味では、2人とも医師という仕事が向いていたのだと思います。

循環器内科の専門的な知識や経験も地域医療に還元

循環器内科の立場から、気になることはありますか。

中島林太郎院長、中島雅子副院長 中島内科小児科医院5

【林太郎院長】最近注目しているのは、血栓症です。食生活の欧米化や社会の高齢化に伴い、脳血栓症の原因となる心房細動、肺塞栓の原因となる下肢静脈血栓症が増加しています。しかし、幸いなことに治療法の進歩も著しく、兆候を早期に発見・対応することで大事に至らずに済むことも期待できるので、気になることがあればぜひ相談していただきたいですね。また高血圧症や糖尿病、脂質異常症などの生活習慣病を放置すると、動脈硬化が進み、心臓疾患や脳疾患につながることもありますから、健診などで異常を指摘されたらぜひ受診してください。

感染症を気にしての受診控えも心配しているそうですね。

【雅子先生】そうですね。受診控えでお子さんの予防接種や乳児検診が遅れがちなことを心配しています。予防接種を受けないと麻疹などの病気にかかることもありますし、咳や下痢も受診控えで悪化するケースも目立ちます。感染症対策もきちんと行っていますので、安心して来ていただきたいですね。
【林太郎院長】大人の場合も健診や受診を控えることで、本来見つけられるべき病気が見つけられないこともあり、薬が途切れがちになっている人もいます。感染症はインフルエンザのように繰り返し出現するものですから、感染予防をしながらも、あまり振り回されすぎないほうがいいだろうなと思います。外出が減ってADL(日常生活活動度)が落ち、生活習慣病が進行する人もいるので、なるべく規則正しい生活をして体調管理していただけたらと思います。

最後に、読者へのメッセージをお願いします。

中島林太郎院長、中島雅子副院長 中島内科小児科医院6

【雅子先生】私の夢は「生涯現役」です。当院は地元に溶け込んでいるので、患者さんたちもリラックスされています。私のことを頼って足を運んでくださる患者さんがおられる限り、私も変わらず医師の仕事を貫いていきたいですね。
【林太郎院長】半世紀以上のキャリアを持つ母から見れば、僕はまだまだ半人前ですから、経験を積んでいかなければなりません。一方で医学は日進月歩で進歩しており、常に緊張感を持って新しい知識や情報を取り入れるように努力しています。現在、大学病院での勤務や講師としての指導も行っており、先進の医学を目の当たりにできる環境にも恵まれています。これからも専門的な知識を深めつつ、「街のお医者さん」として地域医療に貢献したい。日々の診療を慎重に行い、誠意を尽くし、父と母が築いてきた信頼を、僕なりにさらに深められたらうれしいですね。

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