先進のエアフローを主力とする
将来まで見据えた歯科メンテナンス
西田歯科医院
(神戸市中央区/花隈駅)
最終更新日:2024/10/25
- 保険診療
予防の大切さを第一に掲げ、メンテナンスに力を入れる歯科医院が増える今、ますます注目されているのが歯科衛生士の存在。単にクリーニングをしたり歯科治療のサポートをするだけでなく、独自の知識や技術を習得し、より積極的なケアをめざす歯科衛生士が増えているという。「西田歯科医院」の西田真樹さんもその一人。看護師として長年にわたって医療に従事した経験を生かしつつ、ヨーロッパの先進的な予防歯科プログラムを積極的に導入。専用の口腔ケアルームを砦とし、夫である西田真也院長とともに視野の広い予防歯科を展開している。歯や口の中のことだけにとどまらない、こだわりの詰まったメンテナンスとはどのようなものか、その内容について西田さんに聞いてみた。
(取材日2023年8月31日)
目次
ヨーロッパの先進的な細菌コントロールの考えに着目し、一歩踏み込んだ予防歯科で健康キープにつなげる
- Q患者さんの口腔環境を良好に保つには何が大切とお考えですか?
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A
口腔ケアの目的をごく簡単に表現すれば、お口の中の細菌コントロールという一語に尽きます。細菌をゼロにすることはできませんが、とにかく数を減らし、増殖しないようにしっかりと管理していくことが予防歯科の最大のテーマとなります。歯茎の炎症によって生じた歯周ポケットの中は特に重要ポイントですが、単純に汚れをかき出せば済むというわけではありません。日本人の歯茎は非常にデリケートで、強引な処置を行えば歯肉の退縮など、かえって状態を悪化させてしまうリスクもあります。そのため当院では先進機器や独自のシステムによる予防歯科プログラムに基づき、効率的でお口に優しいメンテナンスの提供を常に心がけています。
- Qこちらの予防歯科の特徴を教えてください。
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A
当院では、虫歯菌や歯周病菌を除去するために、従来の歯石除去とは一線を画する特殊なエアフローシステムを導入しています。エアフローとは、専用の微粒子パウダーを歯の表面や歯茎の隙間に噴射して、プラーク(歯石)を効果的に除去することをめざすクリーニング手法。当院ではスイス製のシステムを用い、自動制御の超音波スケーラーを併用することで低侵襲かつ高い清掃性を追求しています。また、メンテナンスのたびに歯垢の染め出しを行い、取り残しのないよう注意を払っています。いずれにしても院長による検査や診断、治療と密に連携し、必要があればいつでも適切なタイミングで双方に移行できることも当院の強みです。
- Qメンテナンスでは口全体の動きも意識しているそうですね。
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A
あくまで細菌コントロールが優先ですが、当院では歯や歯茎の状態だけでなく、メンテナンス時にお口の周辺の筋肉や顎や舌の機能チェックも行うようにしています。若い人であっても今のうちからアプローチしておくことで、将来の健康や顔貌の維持、誤嚥性肺炎の予防などにつながります。具体的にはお顔を触ったり鏡で見てもらったりしながら口腔機能測定器で実際の状態を確認し、その人に合ったストレッチ運動などのトレーニング指導を行います。現在60〜70代の方であっても、決して遅いということはありません。100歳になっても元気で自分のお口でおいしく食べられるように、今からでもぜひ予防意識を持って注目していただきたいですね。
- Q糖尿病などの病気がある方でもメンテナンスを受けられますか?
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A
高血圧や糖尿病を理由に歯科受診をお断りされることもあるかとは思いますが、私は看護師でもありますから、そうした患者さんをできる限りサポートしたいと努めています。歯茎の炎症はヘモグロビンA1cなどの数値と密接にリンクするため、全身の健康の意味でも口腔内環境の改善が欠かせません。また抗がん剤治療を受けておられる患者さんの場合、抵抗力の低下によってお口の中の状態を悪化させてしまいがちですので、やはり口腔内の細菌コントロールが重要となります。血液データを持って来てもらえれば、院長が確認し、今後の状態を予測しながら適切な歯科診療につなげられますので、仕方がないと諦めずに一度ご相談いただければと思います。
- Qおうちでのケアで注意すべきポイントがあれば教えてください。
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A
お口の状態は一人ひとり、その時の状態によっても異なりますので、これをすればベストというものはありません。現時点でのご自身の歯茎や歯並びに合った歯ブラシやペーストを使い、自分に合った磨き方をすることが重要です。汚れがよく落ちるだろうと、硬めのブラシと研磨剤入りのペーストで力任せに磨いていると、逆に歯茎が傷ついて下がっていく原因となりかねません。ブラッシング指導は、いわば患者さんに向けたプロによるカスタマイズ。唾液検査によってリスクを分析すれば、より最適なケア用品やブラッシング法をお勧めすることができるでしょう。時には行動変容も必要ですが、実際に体験してもらい、少しずつ慣れていくことが大切ですね。
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マウスピース型装置を用いた矯正については、効果・効能に関して個人差があるため、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。