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西田 真也 院長の独自取材記事

西田歯科医院

(神戸市中央区/花隈駅)

最終更新日:2024/10/25

西田真也院長 西田歯科医院 main

花隈駅・西元町駅から徒歩2分の住宅街。この地で100年近く親しまれている「西田歯科医院」は、昭和初期の文化を色濃く残すレトロモダンなたたずまいが印象的だ。「ここは居心地がいいと、予約時間のずいぶん前から来て休んでいる方がおられます」と笑顔で出迎えるのは、2008年から3代目院長を務める西田真也先生。看護師・歯科衛生士である妻とともに予防歯科に軸足を置きつつ、インプラント治療や矯正にも親身に対応。神戸市中央区歯科医師会の活動を通して地域医療にも力を注いでいる。守るべきものを守りつつ、新たなチャレンジにも積極的に取り組む。そんな西田院長に、ベテラン歯科医師ならではの心境や同院の現況を聞いてみた。

(取材日2023年8月17日)

患者自身がコントロールしやすい口内環境を整える

昭和の香りが感じられる、とても趣のある建物ですね。

西田真也院長 西田歯科医院1

初代院長である私の祖父がここを建てたのが、大正から昭和になって間もない時代。あと数年で100年を迎えます。もともとは元町にあった診療所を住居ともどもこちらへ移したと聞いています。父が引き継いで長く診療を続けていましたが、高齢になってからは徐々に私が診療を担当するようになりました。現在のスタッフは、私と妻と受付が3人。妻はもともと看護師で、歯科衛生士の資格を取ってからはここで働いてくれています。メンテナンスは妻が1階の専用ルームで、治療は私が2階のチェアで行うというスタイル。バリアフリーでエレベータ完備のクリニックとは時代のギャップを感じるかもしれませんが、玄関でゆっくりとスリッパに履き替え、古い階段の手すりや柱の手触りを楽しみながら上って来られる方が多いですね。

こちらには、どのような患者さんが来られますか?

昔から続く歯科医院ということもあって、やはり長く通われている患者さんが多いですね。ただ、必ずしもご高齢というわけではなく、小児を含めてわりと満遍なく来ていただいている印象があります。古くからの患者さんのお子さんやお孫さんも大勢おられます。もちろんリピーターさんだけを対象にするのではなく、急患なのに普段のクリニックがお休みで、困って飛び込んで来る方もおられます。今必要な対応さえできれば、また元の先生のところへ戻ってもらえればいい。そう考えて気持ち良く受け入れるのも、昔ながらの歯科医院の良さではないかと思います。

診療の際に大切にしていることを教えてください。

西田真也院長 西田歯科医院2

最終的な目標は、やはり患者さんがご自身でコントロールしやすい口内環境を整えること。安定期は定期的なメンテナンスを行っていって、状態が悪くなった時点で私が治療に介入し、その途中にも必要に応じてクリーニングなどを行います。そこは夫婦ですから意思の疎通には事欠きませんし、患者さんも安心できるのではないかと思います。あとは、とにかく患者さんが歯科嫌いにならないこと。応急治療が必要なケースは別ですが、大して痛くもないところをいきなりガリガリと削られて痛い思いをすれば、嫌気がさして誰も長続きしないでしょう。初回は簡単な処置にとどめるなど、時には臨機応変に対処することも必要です。そういう意味で当院の治療はスピーディーとはいえないかもしれませんが、長い目で捉えていただければ幸いです。

時代のニーズに合わせたアプローチを積極的に導入

こちらは予防に力を入れておられますね。

西田真也院長 西田歯科医院3

新患の場合、ほとんどの方は何らかのトラブルを抱えておられますが、「とりあえず痛いところだけ治してほしい」といった患者さんが、まだ少なからずおられます。そういう方には口腔内写真や3Dのデジタルエックス線画像を見てもらい、「今回は痛くないこっちの部分も、そのうち痛み出す可能性がありますよ」と、少しでも予防意識を持ってもらえるように説明します。唾液検査を推奨しているのもその一環で、唾液に含まれる成分や細菌の状態がわかれば、歯周病菌による炎症や虫歯のリスクなども探れます。ご自身の口の中に関心を持っていただく何よりのきっかけとなります。治療やメンテナンスの効果も数値で確認できますので、興味がある方はぜひ一度受けてみてください。

先生は歯科矯正にも対応されているとか。

矯正に関しては専門の資格を有しているわけではありませんが、歯科大学卒業後に専門の先生に師事してみっちりと学習し、一通りのことはできるようになりました。現在は透明なマウスピース型装置を用いた矯正が人気ですが、そこはケースバイケース。大がかりな矯正や確実性を重視するケースでは、従来のワイヤー矯正のほうが有用と私は考えています。マウスピース装置は自分自身で装着時間をきちんと守らなければ結果が期待できず、それで中断してしまうケースが少なくないようです。ワイヤーの場合は自分で脱着できませんからいわば歯科医師任せで、ある意味、そのほうが矯正がうまく進みやすいといえるわけです。

近年、新たに導入した診療があれば教えてください。

西田真也院長 西田歯科医院4

まず一つはエアフローという、非常に細かいパウダーを噴射して歯の表面の汚れや歯周ポケットの細菌などを徹底して除去するためのクリーニング法です。これは妻の仕事になりますが、荒い研磨剤や器具でゴリゴリやるよりは口の中への負担が少なく、また高いクリーニング効果が期待できるのでお勧めです。また、新たな歯科の役割として私が注目しているのが睡眠時無呼吸症候群に対する治療で、専用のマウスピースを用いるため、CPAP(持続陽圧呼吸療法)に比べて始めやすいというメリットがあります。また、一般の方にはなじみがないかもしれませんが、特定の化学物質を扱う事業者向けの労働安全衛生法に基づく歯科特殊健診にも対応しています。見た目はレトロな歯科医院ですが、時代のニーズにはできるだけ追従していきたい。それが私が大切にする信条の一つです。

本質を見失うことなく思いをつなげていきたい

院内のいたるところに先生の趣味が垣間見えますね。

西田真也院長 西田歯科医院5

私が中学生の頃から熱狂的に敬愛しているのが、20世紀を代表する英国の4人組ロックバンドです。玄関から待合、診療チェアの周辺まで、いろんなポスターやレコードジャケット、オブジェが飾ってあるでしょう。BGMも彼らの音楽で、自分の好きなサウンドを流しながらというのが私の診療スタイルです。理由なんて特にありませんよ。とにかくすべてが素晴らしくて、私の人生の一部といっても言い過ぎではありません。あと、趣味としては旅行ですね。夫婦で国内旅行に出かけ、ドライブしながらおいしいものを食べたり、史跡を見て回ったり。電車も好きなので、東京まで寝台特急の旅に出ることもあります。最近は歯科医師会の仕事が忙しくてまとまった休みがなかなか取れませんが、なんとか合間を縫ってまた妻と出かけてみたいですね。

今後、さらに取り組んでいきたいことはありますか?

やはり社会の高齢化という課題があり、足が弱って通えなくなった患者さんに「そうですか。それは残念ですね」で終わらせるわけにはいかなくなってきました。そこで当院でも準備しているのが訪問歯科診療で、まずは従来からの患者さんのご自宅にお伺いし、しっかりとケアを継続していくことが当面の目標です。当院も外来は私1人でやっていますから時間の捻出には工夫が必要ですが、地域医療をやっている限り、避けては通れない選択ではないかと考えています。幸いにして妻は看護師でもありますから、要介護やご病気のある方にも対応できるというのが何よりの支えです。歯科の役割や存在意義を社会に周知するためにも、なんとか頑張っていきたいと思います。

最後に、これまで医院を守ってこられた心境をお聞かせください。

西田真也院長 西田歯科医院6

こんなに魅力的な建物もありますし、祖父や父が築いてくれたベースがあったからこそ患者さんも私を信用して受け入れてくれました。ですから、歯科医院を守るということに苦労を感じたことはなく、むしろラッキーだったと感じています。先進機器を入れたり、新たな診療にアプローチしたり、時代のニーズに合わせてきた部分はあります。先端のシステムを導入しようとしたところ、昔の建築なのでケーブルの取り回し一つで業者さんを悩ませたこともありました。しかし、守るというのは変えないことではなく、本質を失わないこと。空襲も震災も感染症の流行も、なんとか乗り越えてきた。そこに先人たちの祈りが込められている気がします。今後もさまざまな困難が待ち受けているかもしれませんが、人の営みが続く限り乗り越えられる。私はそう信じています。

自由診療費用の目安

自由診療とは

インプラント治療/38万5000円~、マウスピース型装置を用いた矯正/11万円~、ワイヤー矯正/60万5000円~

※歯科分野の記事に関しては、歯科技工士法に基づき記事の作成・情報提供をしております。
マウスピース型装置を用いた矯正については、効果・効能に関して個人差があるため、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。

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