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大嶋 智 院長の独自取材記事

西條クリニック下馬

(世田谷区/学芸大学駅)

最終更新日:2019/08/28

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学芸大学駅前の商店街を抜けて少し行った閑静な住宅街に「西條クリニック下馬」はある。同院では、一般内科の他に腎臓、循環器、消化器などの専門的な内科診療、加えて皮膚科やペインクリニック、理学療法にも対応している。かなり広い分野の受診を一箇所で終えられることは、患者には大きなメリットだ。腎臓内科と人工透析を専門とする大嶋智院長は自衛隊の関連病院などで40年近く活躍してきた医師。終始落ち着いた口調で話す中で、患者を思い出し涙ぐんだのが印象的だった。現職に就いたばかりの院長に、今後への意気込みを聞いた。
(取材日2018年12月1日)

防衛医科大学校などで長年培った経験を生かす

これまでの経緯を教えてください。

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1981年に防衛医科大学校を卒業して、かなり長期にわたって防衛医科大や自衛隊の関連病院で、腎臓内科や人工透析に携わってきました。その間、臨床検査教室長として教育に携わったり、東北医務官として災害派遣などに携わる等、臨床医以外の多様な仕事を経験させていただきました。自衛隊別府病院院長、自衛隊中央病院や三宿病院で腎臓内科や内科の部長を務めさせていただいて、自衛隊富士病院長を最後に60歳で自衛隊内の定年を迎えました。私の専門を生かせること、また縁もあって当院の現職に就かせていただくことになりました。

勤務医時代、印象に残った患者さんはいらっしゃいますか?

すべての患者さまにそれぞれ思い入れがあるのですが、何十年も肺を患っていらして、心臓への負担も大きくなり入院を余儀なくされている60代の女性がいらっしゃいました。夜にその方の呼吸状態がさらに悪化したとの連絡があり病院へ急ぎましたが、治療に反応せず救命困難な状態でした。死亡の確認が終わり、荷物の整理をしていたご家族が、「引き出しにこれが入っていました。」と1枚の紙をもってこられたんですよ。見てみると、そこには亡くなられた患者さまの自筆で「私が死んだら解剖してください」と。長年病気で苦しまれて大変な思いをされてきて、それなのに解剖してもらって皆さんの役に立ちたいと。その気持ちにとても頭が下がる思いでした。

この地域の印象や患者層はいかがですか?

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もともとこの地域の、自衛隊中央病院や三宿病院の方でやっておりましたし、私自身もこの近くに住んでいるので、そんなに知らない土地ではありません。非常に閑静な住宅街で、ご高齢の方、中でも地域柄穏やかな方が多いのかなという印象を持っています。そういった患者さまの層は三宿病院とあまり変わりません。自衛隊中央病院でも自衛隊関係の方だけでなく、一般の方も診ておりました。自衛隊の方は若い隊員が多かったですが、一般の方は地域のご高齢の方が多かったので、今と同じ感じかもしれません。もちろん、こちらにはご高齢の方だけでなく、10~30代の方も普通に来られています。主訴は、特に地域柄というのはなく、例えば中年以降で圧倒的に多いのは高血圧や糖尿病などいわゆる生活習慣病です。皮膚科もあるのでアトピーのお子さまも多くいらっしゃいます。

こちらのクリニックの特徴は?

1つの専門性だけでやっていくクリニックもありますが、こちらは非常に幅広いです。まずは総合的に内科の診療ができて、その後必要であれば、循環器に消化器、皮膚科、ペインクリニック、私の専門ですが腎臓内科、人工透析などの専門的な診療もクリニック内で受けることができます。それぞれの分野のかなりの部分、精密検査も含めてこちらで完結します。そうやってかなり絞り込んでいき、必要であればさらに大きな医療機関に紹介することができる。そういう間口の広さ、対応力の広さがこのクリニックの強みだと感じています。

人工透析ではハード・ソフト両面から患者の負担を軽減

それぞれの科で専門的な治療が受けられるのは確かに心強いですよね。

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例えば人工透析を受けられている方は、皮膚が乾燥する、非常に激しいかゆみに苦しむなど皮膚トラブルが大きな問題なのです。それが皮膚科の専門の先生にすぐ診てもらえるのは非常に大きいと思います。それに、ここよりもっと駅に近い場所に、同様の診療を受けることができる「西條クリニック鷹番」もあり、当院の透析のベッドがいっぱいのときなど連携し、臨機応変に対応できるようにしています。その他にも当院の対応力の広さには上げきれないくらいいろいろメリットはあります。何か体のことで困られたときに、「まずは西條さんに行ってみよう」という地域の方が多くいらっしゃいますので、今後もそう思っていただけるクリニックであり続けたいですね。

こちらの人工透析には特徴があるとか?

新しくオンラインHDFを導入したんです。簡単に言うと、従来の透析より尿毒症物質の除去していくことが可能で、これまで除去されるべき物質が残っていたことで生じていた体へのさまざまな影響、例えば先ほど触れた皮膚トラブルなど、そういった合併症を減らすことが期待できるものです。当院の人工透析の特徴は、こういったハード面と、ナースやスタッフたちの対応の素晴らしさだと感じています。透析を受ける際は4時間ぐらいずっと同じ姿勢になります。患者さまの負担を少しでも減らして差し上げたいと、「ここが痛い」、「苦しくなった」という患者さまの訴えに対して、この患者さまの場合はこうしてあげる、この方はこうなど、患者さま一人ひとりの状況を把握し、それに合わせたケアをしてくれます。この細やかな心配りは透析だけではなく、私自身も助けられています。

専門の腎臓内科の疾患について気になることはありますか?

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最近、慢性腎臓病について注目されるようになってきています。実は腎臓は全身の循環状態、動脈硬化と非常に密接に関係していて、腎臓だけが悪いという方はごく一部です。多くの方は、例えば心筋梗塞や脳梗塞など他の大きな疾患を併発したり、あるいは今後その恐れがあることがわかってきました。要は腎臓の不調が心臓とか脳など、他の臓器の病気の大きなリスクファクターになっていくのです。ですから、透析が必要なほどの状態になる前に早くから手を打つことが大切。慢性腎臓病につながる高血圧や糖尿病などよくある生活習慣病も含めてです。年齢とともに腎臓は弱ってはいきますが、その腎臓の加齢の進行を、天寿をまっとうできるくらいなだらかなものにできるよう、早くからちゃんと生活習慣病を含めてコントロールをしていく必要があるなと感じています。

地域のいつでも頼れる存在であり続けることをめざして

診療で心がけていらっしゃるのは?

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可能な限り丁寧にお話をお聞きするよう心がけています。お話が極めて長い方の場合は次の方をお待たせすることになるので難しいときもあります。でも、その話の中に真実が潜んでいるわけですから、患者さまの言葉、それから症状として体が表現することには真摯に向き合って傾聴するようにしています。勤務医時代の患者さまのお話では、これまで病院であまり説明が聞けなかったとか理解できていないのに話を切り上げられたとか、不満を感じた経験がある方が想像以上に多いことを知りました。それで、その患者さまのお話しぶりからこういう言葉を使っても大丈夫とか、もう少し噛み砕いた表現の方がいいとか、一層気をつけるようにはなりましたね。

お休みの日のリフレッシュは?

特別な趣味はないのですが、音楽を聴くのは割と好きなので、数年前から月1度はオーケストラの定期公演を楽しんでいます。それが自分へのご褒美ですね。あとは犬の散歩。今月16歳になる、パピヨンを飼っているのですが、本当にかわいいです(笑)。昔は足元にまとわりついて踏んじゃうのが心配なぐらい活発な子犬だったんですが、今はほとんど寝てます。心臓が悪くて人間の薬と同じようなものを飲んでいるんです。今段々痩せてきてしまい2キロあるかないかですが、それでもまだ散歩は行きたいみたいです。最近はゆっくりしか歩けないのですがね。

今後の展望は?

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まだ院長になったばかりで、具体的には正直浮かばない部分もありますが、今後もこれまでのように、「何かあれば西條さんに」と地域の方に信頼していただける医院、また、幅広く、かつ専門的に対応できる医院であり続けたいと思っています。それと他の大きな病気とも関係してくる慢性腎臓病についての情報発信にも力を入れていきたいですね。また、対応力の広さが当院の特徴ではありますが、それでもやはりできないこともあるので、病診連携や診療所同士の連携など地域の他の医療機関とのつながりも大切にしていきたいと思っています。

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