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松尾 孝俊 院長の独自取材記事

松尾内科クリニック

(世田谷区/桜新町駅)

最終更新日:2025/06/10

松尾孝俊院長 松尾内科クリニック main

東急田園都市線桜新町駅から徒歩6分の場所の「松尾内科クリニック」は、2007年の開業以来、地域住民の健康を見守り続けてきたかかりつけ医院だ。診療にあたるのは、大学病院で長く腎臓を専門とし、透析患者の全身管理なども数多く手がけてきた松尾孝俊院長。松尾院長は、腎臓疾患に至る前の患者を早期に発見できるよう、循環器や呼吸器に関しての臨床経験も積み、内科全般に精通しているドクターだ。患者の高齢化が進み、通院困難になったかかりつけ患者の自宅への往診にも出向くなど、健康上のさまざまな相談に対応する。日頃から数多くの患者が来院し、待ち時間が長くなってしまうため、予約制をとっていないという。クリニックの歩みや専門分野である腎臓と生活習慣病の関係、患者への思いなどじっくり話を聞いた。

(取材日2025年5月14日)

専門性を生かしつつ、生活習慣病の予防・改善に注力

こちらは今年で開業19年目だそうですね。

松尾孝俊院長 松尾内科クリニック1

この場所は私の母の実家に近く、幼い頃からなじみのあるエリアでした。開業当初はもっぱら母や祖父母の知り合いや親戚などが患者さんとして来てくれていたのですが、その後少しずつ地域の方々にも認知されるようになり、クチコミで多くの患者さんに来ていただけるようになりました。開業して10年目には全面的に改修して院内のレイアウトも変え、待合室のスペースを広げるなど、患者さんにとってより居心地の良い空間にリニューアルしました。そこからさらに年月が過ぎ、私も患者さんもその分、年を重ねてきたことになるわけですが、これまで大きな問題なく過ごされていたかかりつけ患者さんも、足腰が弱くなったり、認知症が出始めたりする方も増えます。そうした変化を受けて、かかりつけ医としてできるだけのことをしていきたいと模索しているところです。

ご専門の腎臓にとどまらず、内科全般を幅広く診療していると伺いました。

私は大学病院で長らく腎臓を専門に手がけてきましたが、腎臓疾患の診療においては、例えば透析治療は血管の病気や感染症の管理などを並行して行っていく必要があり、総合内科の視点が欠かせませんでした。そうした経験を踏まえ、腎臓疾患に至る前に、糖尿病や高血圧の患者さんを早期に発見して、治療に結びつけることに力を注ぎたいと考え、開業にあたっては内科をメインに掲げることにしました。地域の患者さんの世代を問わず、さまざまな不調の訴えに幅広く対応しています。

腎臓は全身の臓器とも密接に関連しているようですね。

松尾孝俊院長 松尾内科クリニック2

腎臓は老廃物を尿として排せつし、ミネラルの調節や血管の管理も行う臓器です。ですから心臓や肝臓など、他の臓器とも関わりが深いのです。近年は高血圧の患者さんが右肩上がりで増えていますが、高血圧や糖尿病といった生活習慣病は腎臓機能を低下させる要因になるとも言われています。当院にも働き世代の40代や50代の患者さんで、会社の健康診断で再検査となって受診されたり、糖尿病や高血圧を心配してご相談にいらっしゃる方が増えています。腎臓機能を良い状態に保つのはもちろん、将来的に透析治療や心臓疾患を予防するためにも、生活習慣病の早期発見や治療に力を入れているところです。

患者の生活や加齢に伴う変化に寄り添った診療を提供

生活習慣病の治療におけるこだわりを教えてください。

松尾孝俊院長 松尾内科クリニック3

食事や運動などの生活習慣を改善し、それを継続していくには、患者さんのモチベーションが必要です。無理のない治療計画をご提案するためにも、問診は時間をかけて行っています。患者さん自身も、人に話すと見えてくる改善点が多いようです。実際の治療では、日々の食習慣を見直していただくため、患者さんに毎日つけていただく「食事日記」をもとに食生活のアドバイスを行っています。いきなりすべてを変えるのは難しいですから、例えばお酒を飲む量を少しづつ減らしたり、夜に食べるアイスをやめたりと、できることからスタートします。また、体重や血管年齢など、目標を定めてそれらを達成することも大切です。当院には、血管のしなやかさや詰まりを計測し、血管年齢や動脈硬化のリスクを評価する機器があります。高血圧の患者さんにはその結果をお見せして、治療の動機づけや1つの指標にしていただいています。

日々の診療の中で心がけていることはありますか?

例えば、体の不調で通院されたときでも、診察室での会話や会計時のお金のやりとりの際に認知症の兆候に気づくことができます。スタッフも含め、患者さんの「いつもと違う様子」が示すサインを見逃さないように意識していますね。開業してから17年がたち、患者さんも年を重ねています。これからも血圧が高くなったり、がんになったり、足腰が弱くなったことに起因するけがが増えたりなど、不調を抱える方がどんどん増えてくると思います。そうした変化に寄り添った診療を提供して、患者さんの生活を支えていくことがわれわれかかりつけ医の役割だと思っています。

高齢になると通院が難しくなる患者さんも増えますよね。

松尾孝俊院長 松尾内科クリニック4

そうですね。かかりつけで長く通われていた患者さんに対しては、ご希望があれば訪問診療にも対応しています。以前はつえ歩行ができていたのに、歩行が不安定になって外出困難になったり、骨折、認知症、がんなどで来院が難しくなったりする方が少なくありません。長年通院されていると、患者さんやそのご家族とは信頼関係が築けているので、コミュニケーションが取りやすいですね。そういった点は、かかりつけ医の何よりの強みだと思います。また必ずしも家族のサポートが受けられる方ばかりではありませんから、必要に応じて地域のケアマネジャーや訪問看護ステーションなどとも情報共有し、多職種連携のもとでご高齢の患者さんをお支えしています。

スタッフの皆さんが果たす役割も大きいのですね。

当院のスタッフは気がきく人が多く、私の考え方をよく理解したうえで診療や業務がスムーズに進むようサポートしてくれています。患者さんが多く忙しいなかでも、常にこまやかな対応をしてくれるのもありがたいですね。特に長く働いているスタッフとは気心が知れているので、患者さんだけでなく私にとっても頼りになる存在です。

「町の何でも屋さん」として頼られる存在でありたい

最近の患者さんの様子で、気になる傾向などはありますか?

松尾孝俊院長 松尾内科クリニック5

咳のご相談で受診される方がとても多いですね。新型コロナウイルスの感染をきっかけに咳が止まらず、咳喘息の症状に悩まされるというケースもあります。一概に咳と言ってもさまざまな原因がありますし、それによって有効となる薬も違ってきますので、こちらに関しても丁寧に問診を行っています。咳の出方や咳がよく出る時間帯、咳の感じなど。患者さんの言葉からもわかることがあるんです。気管支喘息は夜間の激しい咳が特徴的ですが、咳喘息の場合は昼間の会話中などでも何らかの刺激で突然咳が止まらなくなるなど、時間を問わず起こりますので、咳のために仕事などで支障が出てしまう前に、早めの受診をお勧めします。

感染症対策にも力を入れておられます。

世間一般には新型コロナウイルス感染症の流行はもう落ち着いたかのような認識が広まっていますが、依然として感染は続いており、現在も1日に1人は新型コロナウイルス感染症が疑われる患者さんがいらしている状況です。また、毎年冬になるとインフルエンザも猛威を振るっています。ですから今も発熱があって来院する患者さんには事前の電話連絡のもと、裏口から院内に入ってもらうなど、一般の患者さんとの動線を完全に分けて、引き続き感染症対策を徹底しています。

最後になりますが、読者に向けて一言メッセージをお願いします。

松尾孝俊院長 松尾内科クリニック6

開業以来、医療分野の「町の何でも屋さん」として、健康に関わる幅広い相談に対応してきました。体調のことで何か心配事があればお気軽にご相談いただき、「先生がかかりつけ医で良かった」と患者さんに思っていただけるような診療を今後も続けていきたいと思っています。ありがたいことに患者さんが多く、1~2時間ほどお待たせしてしまうこともあり、あえて予約制をとっていないんです。待ち時間が長くなってしまい患者さんには心苦しい気持ちでいっぱいなのですが、それでもお一人お一人とじっくり向き合うという意識で診療にあたっています。心身の不調や疾患に関して、患者さんには情報に惑わされず適切な知識を持って判断していただきたいという思いがあります。わからないことや不安なことがありましたら、どうぞ遠慮なくお尋ねください。

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