スタッフ同士が密に連携
患者の満足を実現するチーム医療
柄歯科医院
(広島市中区/本通駅)
最終更新日:2024/05/01


- 保険診療
広島市中区にある「柄歯科医院」は、前院長時代から40年以上にわたり地域に根差した診療を続けている。現院長の柄慎太郎(つか・しんたろう)先生は、「対話によって、最適なチームを構成する」を掲げ、クリニックのスタッフがチームワークを存分に発揮できるクリニックをめざしている。患者やその家族はもちろん、スタッフにとっても満足を得られるクリニック実現のため、歯科衛生士の担当制、カンファレンスでのトピックスや問題の共有、チーフやリーダーを設けた風通しの良い職場づくり、勉強会などへの参加サポート、講師を招いての接遇セミナーの実施といった試みを続けている。柄院長に加え、歯科衛生士の日野仁美さん、岡村朱紗さん、受付の小畑芽衣子さん、上領凜乃彩さんにも、それぞれの立場から話を聞いた。
(取材日2024年4月1日)
目次
患者はもちろんクリニックに関わる全員が満足できることをめざし、スタッフが誇りとやりがいを持てる環境に
- Qクリニックの特徴を教えてください。
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A
▲クリニック全員が一丸となって患者に対応している
【柄院長】当院は、患者さんとの対話を大切にしていくためのチームづくりを推進しています。その一つに歯科衛生士の担当制があります。担当制にすることで、患者さんの状態や変化に気づくことができ、治療の提案や歯磨きの仕方など、その人に合わせたアドバイスもできます。スタッフには、歯だけではなく患者さんの背景も見るよう伝えています。また、スキルだけでなく社会常識なども身につけてほしいので、教育プログラムやセミナーなども行っています。歯科医院はつい良い治療をすることばかり考えてしまいがちですが、患者さんの気持ちを慮り、ベストな選択ができるよう、スタッフ一丸となって取り組みたいと考えています。
- Q院長の役割を教えてください。
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A
▲チームづくりのためのコミュニケーションを欠かさない
【柄院長】歯科医師としての技能や知識を磨くことはもちろんですが、経営者でもありますので、スタッフに組織の長としての想いを日々伝え続ける必要があると思っています。昔のように「黙ってついて来い」という態度では気持ちが伝わらないため、言葉で表現するようにしているんです。当然、それと矛盾しないような行いを心がけてもいます。スタッフ同士が話し合ったり、先輩が後輩に教えている姿を見ると、自分のめざしている方向は間違っていないなと実感できます。また、私自身も皆のためにもっと頑張りたいと思います。前院長である父の「相手の立場に立って考える」という言葉を胸に刻み、診療と運営に取り組んでいます。
- Q歯科衛生士は基本的に担当制と伺いました。
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A
▲歯科衛生士の岡村朱紗さん、日野仁美さん。担当制で患者に対応
【日野さん】担当制のおかげで、患者さんとの信頼関係を築きやすく、小さな変化にも気づくことができます。また、口腔衛生指導(OHI)もしやすいんです。誰でも同じ接遇をするのではなく、その人に合わせた丁寧な対応をすることで、患者さんの希望や思いが理解しやすくなっていると思います。
【岡村さん】口腔内の変化はもちろん、体調や抱えている疾患の調子などもわかることがあります。私はまだ2年目ですが、セミナーや勉強会への参加も補助してもらえる環境なので、自分を高めていきたいと考えています。口の中だけでなく、他の面でもサポートできることがあると思いますので、お気軽にご相談ください。
- Q受付業務について教えてください。
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A
▲笑顔で患者と対話する受付の小畑芽衣子さん、上領凜乃彩さん
【小畑さん】受付は、最初と最後に患者さんに対応するクリニックの顔なので、常に笑顔で、患者さんに寄り添えるよう目配り、気配り、心配りを大切に日々の業務を行っています。また、患者さんとスタッフの架け橋になるという役目もあるため、情報共有はもちろん、よく観察してスタッフと連携を取っています。
【上領さん】小畑さんは、患者さんのお名前や背景を覚えていて、診察券を受け取る前から「○○さん、こんにちは」とあいさつされています。当院では講師を呼んで、定期的に接遇セミナーを行っています。そこで敬語の使い方や所作などのマナーを学んでいますので、患者さんに気持ち良く受診していただけるように頑張りたいと思います。
- Q院長がめざすこれからのチーム医療について教えてください。
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A
▲チーム医療を実現している院長の柄慎太郎先生
【柄院長】昔の患者さんは、歯科医師の説明をただ聞いているだけでしたが、最近は情報を得て、さまざまな質問や要求をいただくようになりました。歯科医師の技術も進歩し、1人でオールマイティーな治療を行うことも難しくなってきました。そのため、歯科医師をはじめ、歯科衛生士、受付、クリーンスタッフがそれぞれが何かに特化し、協力し合って患者さんに対応するのがチーム医療だと考えています。役割をきっちり持つことで、責任とやりがいが生まれます。もちろん、特定のことしかできないのではなく、知っておくべき知識や技術を全員が共有した上で、何か特化したものを持ちましょうという考え方ですね。