予防歯科で虫歯や歯周病を早期発見
症状が現れる前に適切な治療を
向井歯科医院
(広島市南区/段原一丁目駅)
最終更新日:2024/04/08
- 保険診療
予防歯科とは、虫歯や歯周病になる前に口腔内のメンテナンスやブラッシング指導によって健康な歯を維持することだ。虫歯や歯周病になってしまったとしても、歯科検診によって虫歯や歯周病を早期に発見し、できるだけ早く治療することが大切である。今後、歯科受診の大きな要となることは間違いないが、日本においては、まだまだ定着しているとはいえない状況にある。そんな中、「向井歯科医院」の向井優真院長は、痛みや症状が出る前の予防を積極的に呼びかけている。「定期的に美容院に通うのと同じような感覚で、歯科医院で検診を受診してほしい」と語る向井院長に、予防歯科の重要性、歯科検診の流れ、口腔ケアの仕方などについて話を聞いた。
(取材日2024年3月1日)
目次
日頃のケアと定期検診で、健康的な歯を長く維持しよう
- Q予防歯科とは、どのようなものでしょうか?
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A
虫歯や歯周病になってから歯科医院に行く人が多いと思いますが、予防歯科は、症状が出る前に検診を行い早期発見・早期治療につなげる、健康な状態を保つことを目的とした診療分野です。虫歯というのは、発症してもすぐに痛むわけではありません。つまり、痛みが出るのは症状がすでに進行している証拠です。特に歯周病は、かなり悪化するまで歯茎から出血したり、歯がグラグラしたりといった自覚症状が現れません。早い段階で発見できれば、最小限の治療で済みますし、進行している場合に比べ、治療費も抑えられます。もちろん、健康的な歯を長く維持することは、全身の健康維持にもつながります。そのためには予防歯科が欠かせないのです。
- Q歯科検診のタイミングや頻度について教えてください。
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A
何も問題がない人で3ヵ月から6ヵ月に1回、忙しい人でも年に1回は受診してほしいですね。例えば、毎年4月に検診を受けるなど、あらかじめスケジュールに組み込んでおくのもいいでしょう。現在、年齢に関係なく、国民全員が定期的に歯科検診を受けることを目標とする国民皆歯科健診制度が検討されています。受診して虫歯がなかったとしても、ブラッシングの確認などができます。歯磨きのプロである歯科衛生士に、ふだん磨けていないところをチェックしてもらうことも大切です。歯科医院に苦手意識がある人も多いと思いますが、いきなり治療に入ることはありませんので、気軽に検診を受けてほしいと思います。
- Qこちらで行っている予防歯科の特徴を教えてください。
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A
一番の特徴は、歯科衛生士任せにせず、私が必ずチェックしていることです。エックス線写真を撮影し、一人ひとりに丁寧な説明をしています。虫歯や歯周病がないか調べるのはもちろん、知覚過敏や顎の痛みなどがある人は、何らかの原因が隠れていることが多いため、見逃さないよう細心の注意を払っています。具体的には、噛み合わせが悪かったり、歯並びに問題があったり、歯ぎしりの癖などが歯の不調の原因だったりすることもあります。最近は歯がしみるという若い人が増えています。しみるのは虫歯のせいと思うかもしれませんが、歯ぎしりや食いしばりが原因のこともあるんです。
- Q検診の流れを教えてください。
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A
まずは、電話で予約をしていただきます。受診当日は、問診票を書いていただき、それをもとに患者さんのお話をしっかりと伺います。その後、口の中のチェックと、エックス線写真を撮影します。エックス線写真を見れば、目では見えにくい虫歯の有無や大きさ、おおよその歯周病の進行具合が確認でき、噛む力が強い、歯がすり減っているといったこともわかります。その後、歯茎、歯の周りの骨の状態を検査し、ブラッシング指導や歯石除去を行います。歯周病が進行している場合は、麻酔をして歯茎の中の歯石を除去する場合もあります。一通り治療が終わった後、どうやって歯周病が進行しないように管理していくか、説明や相談をして計画を立てます。
- Qお口のケアとして、日頃からどのようなことをすればよいですか?
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A
正しい歯磨きが何より大切です。そのため、当院ではブラッシング指導の他、デンタルフロスや歯間ブラシの使い方の指導にも力を入れています。検診で歯のクリーニングをするのも良いですが、やはり日々の歯磨きに気をつけてもらいたいですね。歯磨きの回数は多いほうがいいですが、できないときはガムを噛むだけでも違います。昼間、歯を磨くことができない人は、夜しっかり磨いてください。1日3回磨くことが重要なのではなく、1回でも時間をかけて磨くことが大事です。正しい磨き方ができていれば、ながら磨きでも構いません。ただし、力が強すぎると、歯がしみたり、歯茎が下がってしまったりすることもあるので、適切な力で磨きましょう。