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堀切 つぐみ 院長の独自取材記事

桜新町クリニック

(世田谷区/桜新町駅)

最終更新日:2022/11/30

堀切つぐみ院長 桜新町クリニック main

桜新町駅から歩いて4分の場所にある「桜新町クリニック」。1990年の開業以来、透析治療を中心に、内科・泌尿器科・呼吸器内科・整形外科・循環器内科と幅広く対応している。もともとは呼吸器内科を専門としていたという堀切つぐみ院長。同院で診療を始めてからは、透析・外来・在宅診療の分野に携わってきた。2017年の院長就任後も、患者の気持ちに寄り添った診療を続けている。週3回の通院を必要とする人工透析患者が少しでも快適に治療を受けられるよう、土曜や祝日も開院。透析室にはテレビやインターネット環境を整えている。「患者さんが前向きになれるような医療を提供していきたい」と語る堀切院長に、同院の透析治療について、また診療時の心がけについても話を聞いた。

(取材日2022年6月27日/情報更新日2022年11月21日)

人工透析をメインに、健康診断や生活習慣病にも対応

こちらのクリニックの診療内容について教えてください。

堀切つぐみ院長 桜新町クリニック1

特に力を入れているのは透析治療です。また内科・泌尿器科・呼吸器内科・整形外科・循環器内科と、曜日ごとに先生に来ていただいて、幅広い症状に対応しています。桜新町の駅の周辺は昔ながらの商店街が残る街。地域には昔から長く住んでいらっしゃる方も多く、昼間は高齢の患者さんが多いです。一方で夕方は、学校が近くにあることもあり、学生の患者さんも来院されます。働き世代では、健康診断や生活習慣病のご相談にいらっしゃる方が多いですね。他院との連携も強化しており、人工透析ができる地域のクリニックとして、大規模病院での透析治療後のフォローも受け入れています。

腎臓の病気ではどのような検査・治療を行うのでしょうか?

タンパク尿や血尿が出た時、腎臓に問題がある場合には「生検」といって腎臓の組織の一部を取って調べます。腎臓は機能的な病気なので、がんなどと違い、エコーやCTなど画像を見てわかるものではありません。そのため組織を取ることではっきりさせていくんです。ただ入院施設のある病院でなければ難しいので、当院では行っていません。その前の段階、つまり生検が必要かどうかを見極め、必要であれば適切に病院を紹介する。つまり私たちは、腎臓に不具合がある患者さんの最初の窓口として大切な役割を担っているといえるでしょう。服薬での治療となる患者さんは、当院で治療しながら状態が悪化しないようサポートしていきます。人工透析においては30年以上の実績があり、午前は8時40分から、午後は1時40分から、月曜から土曜まで祝日も対応しています。

透析治療で工夫していることはありますか?

堀切つぐみ院長 桜新町クリニック2

透析とは、体から血液を抜いてろ過し、また体に戻す方法です。使用する注射針は通常の1.5倍くらいの太さがあり、シールや塗り薬で麻酔をしても痛みを感じます。これが4時間続くのですから疲れますし、患者さんの負担をゼロにすることは難しいんです。私たちは、患者さんを自分の家族だと思って治療にあたるようにしています。家族にはつらい思いをさせたくありませんよね。それと同じ気持ちで細心の注意を払っています。テレビを設置し、インターネット環境も整えています。お手持ちのタブレットで楽しむ方、ゆっくりとお休みになる方もいらっしゃいます。少しでもリラックスして過ごしてもらいたいですね。

患者との程よい距離感で、真摯に治療に取り組む

生活習慣病にも注力されているんですね。

堀切つぐみ院長 桜新町クリニック3

高血圧や糖尿病などの生活習慣病が進むと腎臓に悪い影響を与えることがあります。そういう意味では、腎臓病も生活習慣病の一つと言えますね。糖尿病の病状が進むと腎臓が傷ついてしまい、人工透析を始めるきっかけになってしまいます。そうならないためには早めに治療をしていくことが大切です。当院には管理栄養士が在籍していますので、栄養や食事に関する相談にも対応しています。足のケアから全身の血流を良くするために、フットチェックやフットケアも行っているんですよ。生活習慣病は薬を飲んですぐに結果が出るものではなく、長く付き合っていかなければならない病気。良くなっている実感が少ないためか、患者さんの中には通院や服薬を自己判断でやめてしまう方もいらっしゃいます。ですが症状の悪化を防ぐためにも、治療を継続することが大切です。患者さんがモチベーションを保てるよう、目標と成果を数値で可視化しています。

診療の際に心がけていることを教えてください。

患者さんとのコミュニケーションを大切に、一方で踏み込みすぎないように心がけています。透析に関わるようになって感じたのが、患者さんとの距離が密接であるということ。1回の透析に4時間、それを週に3回。それが何年も何十年も続くのです。中には「離れて暮らす家族よりも、先生や看護師さんと話す頻度の方が高い」とおっしゃる患者さんもいらっしゃいます。この点は呼吸器内科や一般内科との大きな違いです。自然と患者さんの背景も知ることになりますし、私たちからも有益な情報を提供できるよう努めています。距離が近くなる治療だからこそ、お互いが真摯に治療に取り組めるよう、慣れ合うことなく良い関係を築いていきたいですね。

感染症対策にも力を入れていると伺いました。

堀切つぐみ院長 桜新町クリニック4

感染症はどなたにとっても悪影響を及ぼしますが、特に腎臓の病気がある場合、悪化のリスクが上がります。当院では感染症の検査や発熱時の外来は特設ブースで行っています。スタッフ手作りの設計で、患者さんはもちろん、スタッフの身の安全も守れるよう工夫しました。また院内全体に滅菌のための光触媒を取り入れ、安心して通えるクリニックづくりに取り組んでいます。

ところで、先生はお休みの日はどのように過ごされていますか?

私には小学2年生と年長の子どもがおり、休日は家族との時間を大切にしています。わが家の今のブームは、プールとサイクリング。下の子が自転車に乗れるようになったので、家族皆で楽しんでいます。当院には子どものいるスタッフも多く、患者さんと「子育て」の話で盛り上がることもあるんですよ。ご高齢の患者さんは子育ての大先輩。雑談の中から教わることもたくさんあります。

前向きになれるような医療を提供していきたい

先生はもともと呼吸器内科を専門としていらしたのですね。

堀切つぐみ院長 桜新町クリニック5

当院は私の父が立ち上げたクリニック。私も父の影響を受けて医師をめざし、呼吸器内科の医師として研鑽を積んできました。実は初めから呼吸器内科を選んだわけではないんです。当時の「肺がん」は治癒率が低く、未来の見えにくい病気でした。そんな中、研修でお世話になった教授から「2020年には、世界の10の死因のうち4疾患が呼吸器の病気になる」という話を聞きました。それだけ多くの方が苦しむのだと驚き、医師として力を尽くしたいと思ったのです。当時がちょうど新薬が出た時期にもあたり、肺がん治療における転換期だったことも関係あるかもしれません。尊敬する先生や環境にも恵まれ、外来診療や抗酸菌の研究で経験を積み、知識を深めてきました。2010年からは当院でも週に1度勤務をはじめ、当時より透析・外来・在宅診療のすべてを診ています。院長に就任したのは2017年です。

今後の展望についてお聞かせください。

患者さんが前向きになれるような医療を提供していきたいと思っています。「透析になったからといって不幸ではない」これはある方の言葉なのですが、このことを皆さんに知ってほしいのです。時間の拘束やリスクはありますが、透析の患者さんが海外旅行をすることも可能なんですよ。国内でも海外でも、現地で透析を受けられる体制は至る所で整っています。患者さんが毎日楽しく過ごせるよう、情報提供やサポートにも力を入れていきたいですね。

最後に読者へメッセージをお願いします。

堀切つぐみ院長 桜新町クリニック6

腎臓の病気には初期の自覚症状がありません。また尿検査をしないと発見できないものも多々あります。働き世代の方ですと、生活習慣病から腎臓病を引き起こすケースがみられます。30~40代で透析を受けている方も少なくありません。慢性腎臓病は感染症の重症化リスクの一つ。定期的に血液と尿の検査を受け、数値の変動をチェックすることが大切です。変化を見逃さないためにも、毎年同じ医療機関で検査を受けることをお勧めします。当院の健康診断は予約不要です。お気軽にいらしてください。

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