予防と定期検診でリスクを抑え、治療の際は「自分に合った治療を納得して選ぶ」ことを意識しよう

Q常日頃から、自分の歯を守ることの大切さを訴えておられますね。

A

▲長年にわたり先進の技術と知見の習得に努めてきた院長

高齢の方の多くは歯科医院に通った経験があるはずです。にもかかわらず、最終的に入れ歯を選択せざるを得ない人が少なくありません。「歯なんてどうでもいい」と思っていた人は一人もいないのに、なぜ入れ歯になってしまうのでしょう。原因は、虫歯になったらその歯だけを治療して歯科医院から遠ざかり、再発したらまた治療に行くことを繰り返していたからです。現役世代の方や若い方が同じような治療をしていれば、同じ失敗を繰り返す可能性が高いですよね。大切な物を失う前にその重要性を自覚し、価値に見合った正しい治療を受けてほしいと思って、自分の歯を残すための予防がいかに重要かを訴えることに力を入れているのです。

Q天然の歯を持ち続けることの利点について教えてください。

A

▲パノラマレントゲン、セファログラムなど機器も充実

最大のメリットは、よく噛めて、おいしい物をおいしく食べられることです。とてもシンプルですが、生きていく上で欠かせないことでもありますよね。実際、歯を失った患者さんの悲しみは、「食べられない」「しゃべりにくい」の2点に尽きるんです。年齢を重ねても楽しく食事をして、家族や友人と思い切りおしゃべりできたらいいと思いませんか。しっかり咀嚼することで、脳に刺激が加わって活性化する、消化吸収の効率が上がって消化器への負担が少ないといったことも期待できます。もちろん、見た目も自然で美しい。より良く年を取っていくために、天然歯が果たす役割はとても大きいです。

Qやむなく歯を失ってしまった場合の選択肢も増えていますよね。

A

▲手術室には術用無影灯や麻酔の設備、各種モニターなどを完備

ブリッジや入れ歯のほかに、インプラントがあります。しかし、どれだけインプラントの性能が良いといっても、天然歯の機能を超えるものではないのです。天然歯と骨の間には、噛む力を感じるセンサーとして歯根膜が存在していますが、骨に接着させるインプラントには歯根膜がありません。だから、歯そのものには噛んでいる感覚がないんですよ。歯が体の一部として正しく機能するためには、やはり天然歯がベスト。今は、失われそうな歯の神経や細菌、汚れなどを取り除き、薬を詰めてかぶせ物をする根管治療の精度が上がり、以前よりも歯を残すことがめざせるようになりました。歯を抜く選択をする前に、一度根管治療を検討していただきたいです。

Q満足できる治療をするには、どうすれば良いですか。

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▲患者一人ひとりに合わせた診療を提案する同院

治療のメリット・デメリットをよく聞いて、自分で選ぶことですね。その人の生活習慣や年齢に応じて、最善の治療、満足できる治療は異なります。一般的に良い治療であっても、生活のリズムによってはケアが十分にできなかったり、年齢を考えるとコストパフォーマンスに課題があったりすることもあるでしょう。人によって、治療にかけられる予算にも限りがありますよね。「インプラントが良いと思うけど外科手術が怖い」「健康な歯にダメージが及ぶのだけは絶対に避けたい」など、こだわりもあるでしょう。納得できるまで歯科医師に質問して、自分にとって最善の治療を選びましょう。

Qクリニック選びも大事ですね。

A

▲実際の治療例を見ながら、診断結果や治療法の説明を受けられる

良い関係性が築ける歯科医院を探すことはとても重要です。では、何を持って良い歯科医師、良い歯科医院というのでしょう。私は、知識や技術があることは大前提として、歯科医師が親身になってくれるかが一番大事なチェックポイントだと思います。お口の健康を守るためには、長く信頼関係を築いていくことが大切ですからね。質問に対する答え方などに表れてくるはずですから、カウンセリングなどでいろいろと話をしてみてください。一つの治療の途中で次々と歯科医院を変えるのはお勧めしませんが、患者さんが「自分に合う、安心してかかれる」と感じられる歯科医院を探すために、いろいろな歯科医院を訪ねることは悪いことではありません。