吉江 誠 院長の独自取材記事
吉江歯科医院
(川崎市高津区/武蔵新城駅)
最終更新日:2024/06/25
JR南武線・武蔵新城駅から歩いて5分の場所にある「吉江歯科医院」は、半世紀にわたって診療を続けるクリニックだ。父に続く2代目となる吉江誠院長は「最高の治療ができる最高のクリニック」をめざして日々の診療にあたっている。院内にはマイクロスコープや歯科用CTといった先進機器を備えており、難しい症例でも精密に検査を行って改善できるよう可能性を探っている。根管治療にも力を入れており、吉江院長は海外の勉強会などにも積極的に参加し、知識・技術の向上に力を入れているという。「今まで治せなかったものが治療できる可能性が高まり、歯科医師として大きな喜びを感じています」と話す吉江院長に、診療への思いや取り組みについて聞いた。
(取材日2020年7月21日/情報更新日2024年6月18日)
最高の治療ができる、最高のクリニックをめざす
まずは同院の成り立ちと、現在の患者層についてお聞かせいただけますでしょうか。
当院は約50年前に僕の父が立ち上げたクリニックです。今でも父の代から診ている患者さんがいらっしゃいますし、中には遠方に引っ越した患者さんが「やっぱりここがいい」と引き続き通ってくれる場合もあります。海外に転勤になった患者さんが帰省する際に来院されたり、地方に越された方がご当地の名産を送ってくださったりするのはうれしいですね。当院のホームページを見て訪ねてくれる方もいらっしゃいますが、どちらかと言うと患者さん同士の紹介でいらっしゃる方のほうが多い印象です。現在は3週間から1ヵ月先の予約が埋まっている状況で、当院を支持してくれる方が多いことがありがたい一方、希望される方をすぐに診療できないことがあるのは心苦しくも感じています。
院長職を継承してから、先生はどんなクリニックをめざして来られたのでしょうか。
「最高の治療ができる最高のクリニック」をめざしています。「最高の治療」とは、「患者さんを治すことができる、患者さんの悩みを解消することができる治療」だと考えています。実現のためには、機器と人の2つの側面が重要です。ですから診断力の高い先進機器を備えつつ、歯科医師としては質の高いエビデンスを参考にしながら研鑽を積み、治療技術を高めています。その一方、「最高のクリニック」というのはまた意味が違っていて、最高の治療を行えるだけでは不十分でしょう。
では先生が考える最高のクリニックとはどんなものなのでしょう。
それは患者さんが「吉江歯科医院に来て良かったな」と満足して帰られるクリニックでしょう。患者さんがそのクリニックに対してどんな印象を持つかは、歯科医師の治療だけに左右されるわけではありません。患者さんがクリニックに足を踏み入れた時に最初に接するのは受付スタッフですし、虫歯や歯周病の予防のためのケアを行うのは歯科衛生士です。ですからスタッフの対応や気配りは非常に重要。他にもクリニックの清潔感も関係があります。つまり総合力が高いクリニックが最高のクリニックであり、僕がめざすところでもあるのです。
先進機器と高度な技術を駆使して歯を守る
理想の実現のためにそろえた先進機器について教えてください。
虫歯治療からセラミック治療、インプラント治療、矯正治療、根管治療、歯周組織再生療法まで、幅広く対応するために機器の充実化を重視しています。当院にある先進的な機器の代表例は、マイクロスコープと歯科用CTの2つですね。マイクロスコープとは約20倍まで拡大できる顕微鏡で、ピンポイントで状況を細かく確認できるようになります。歯科用CTは立体画像を撮影する機器で、平面画像に留まるエックス線検査よりも情報量が増えるという点が強みです。中でも当院の歯科用CTは0.2mmの管球焦点距離を備えており、一般的なものよりも細部まで調べられます。この他にも、顎の運動を3次元で観察・記録できる顎運動記録装置や、患者さんの顎の模型を作製できる3Dプリンターも用意しました。
多様な診療に対応されている中でも、特に注力している取り組みは何ですか?
静脈から少量の麻酔薬を点滴し、自発呼吸や受け答えができる程度の意識を保ちながら、半分眠ったような状態で治療を行うための「静脈内鎮静法」に注力しています。高度な麻酔の知識が必要なため、実践しているクリニックはそう多くありません。歯科に対する恐怖が強い方や、嘔吐反射がある方などが希望されますね。静脈内鎮静法は「これでないと……」という方にとって最後の手段でしょう。しかし僕は、あくまでも治療に慣れるための方法の一つとして考えています。患者さんには成功体験を繰り返すことで、徐々に不安感やトラウマを乗り越えていただけたらと思っているのです。歯科に対して強いネガティブな感情を抱きながら当院に訪れる患者さんが、最終的には点滴なしで鼻から吸う笑気ガスのみで治療が受けられたり、麻酔の力を借りることなく長期管理ができたりするのを理想としています。
先生が大切にしていることがあれば教えてください。
歯科医師として毎日さまざまな患者さんと関わる中で、誰かのために力を尽くす喜びを教えていただきました。そのことから、「患者さんの期待に応えたい」という思いを大切に日々の診療に努めていますね。しっかりと応えていくために、診療では必ず「患者さんは何を求めて受診されたか」を問うことから始めているのです。また良い治療を受け、良い習慣を身につけることは、患者さん自身の財産になると考えています。小さなことも積み重なることで大きな違いになりますから、まずは少しずつ僕たちと一緒に、今より良い歯の状態をめざしていきましょう。そして最終的に患者さんに喜んでいただけたら幸いです。
人が治せないものを治すことがプロだと考える
ところで先生はなぜ歯科医師を志されたのですか?
父が歯科医師だったから何となく、というのが率直な理由です。ですから歯学部に進んで2年ほどは自分が本当に歯科医師になりたいのかわかりませんでした。そんな意識が変わったのは大学で実習が始まってからですね。周囲の学生が大変そうにしていたのに比べて、僕はそれほど苦には感じなかったんです。例えば4回で次のステップに上がれるところを3回で合格して、余った時間は遊んでいました。そうした経験を重ねることで、次第に自分の手先の器用さに自信が出てきたのです。「もしかしたら歯科医師に向いているんじゃないか」という思いが、「好きだ」に変わるまではさほど時間はかかりませんでしたね。
歯科医師としての技術を高めるために、どんな研鑽を積んでこられたのでしょうか?
臨床経験を増やす他に、休診日には積極的に勉強会に参加しています。直近ではカナダのトロント大学が主催する根管治療の勉強会にも参加しました。この勉強会の期間は長かったのですが、歯科医師としての技術をさらに高めたいと一念発起して参加したんです。参加して本当に良かったですね。根管治療というのは虫歯が進んでしまったために神経を除去して歯の中の汚れを取り出すものですが、神経は非常に小さく細かく分岐していますから、歯科治療の中でも難易度が高いのです。根管治療が成功しないと抜歯にもつながりますから、患者さんの歯を守るためにとても大切な治療なんですよ。
勉強会に参加され、本当に良かったと感じていらっしゃるのですね。
そうですね。今までよりも知識や治療技術について見識を深めることができました。歯科診療で治せないと思っていたものを治療できる可能性が高まったんです。これは本当に歯科医師としてうれしいことですよ。例えば虫歯が進んでしまって歯の根の先に大きな膿ができている状態だと、治療が困難で抜くのが第一選択でした。そんな状態でも歯を残せる可能性が高まったわけです。マイクロスコープと歯科用CTを活用してどのように診断を行い、どのような治療を行えば治せる可能性につながるかが学べたんです。
最後に読者へのメッセージをお願いします。
患者さんにとってかけがえのない歯を守れる歯科医師でありたいと思います。最近のインプラントは噛み心地が期待でき、周囲の歯への負担が少ないことから、歯を失った際の治療としては素晴らしいものといえるでしょう。しかし僕は天然の歯が最も優れていると考えています。ですから先進機器と歯科医師としての技術を駆使して、今まで抜く必要があった歯を少しでも抜かずに残せるように尽力しているのです。歯は健康の入り口であり、おいしく食べ物を食べられることは人生を豊かにします。その喜びを多くの方に実感していただくために、「人が治せないものを治す」ということを目標にこれからも頑張りたいです。
自由診療費用の目安
自由診療とは・インプラント治療/50万円~
・マウスピース型装置を用いた矯正/75万円~
・歯列矯正/65万円~
※歯科分野の記事に関しては、歯科技工士法に基づき記事の作成・情報提供をしております。
マウスピース型装置を用いた矯正については、効果・効能に関して個人差があるため、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。