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松田 敦至 先生の独自取材記事

坂詰歯科・矯正歯科

(行田市/行田市駅)

最終更新日:2023/09/21

松田敦至先生 坂詰歯科・矯正歯科 main

秩父鉄道秩父本線・行田市駅徒歩3分。この地で約80年にわたり歯科診療を通じ地域住民の健康を支えてきた「坂詰歯科・矯正歯科」。院内はバリアフリー設計で、歯科医院らしい清潔感と温かさが同居した空間になっており、イメージカラーのグリーンが爽やかな印象をプラスしている。診療は、義歯や補綴治療が専門の坂詰和彦院長、マイクロスコープを使った精密な根管治療を行う松田敦至先生、矯正と小児歯科を担当する松田祐理恵先生の3人体制。インタビューに答えてくれた松田敦至先生は、大学病院で研鑽を積んだ歯周病治療をさらに進化させ、マイクロスコープの性能をフル活用した精密な根管治療を実践している。患者の歯を残すための努力を惜しまない松田先生に、得意とするマイクロスコープを使った治療から今後の展望まで、幅広く話を聞いた。

(取材日2022年9月1日)

興味本位で進んだ医療の道。悩みを経て今がある

歯科医師をめざした理由を教えてください。

松田敦至先生 坂詰歯科・矯正歯科1

大きな志があったわけではなく、正直なところ興味本位で医療の道を選びました。高校生になって進路を決める際、周りに医師や歯科医師をめざす友人が多かったことも影響していると思います。医療の中でも歯科を選んだのは、生活に身近な分野だったから。大学卒業後は、懇意にしていた先輩と同じ大学の付属病院の歯周病科に入り、その後、先輩が院長を務めるクリニックで勤務した後、2012年に当院の先生に就任しました。興味本位で進み始めた歯科医師の道ですが、とても良いご縁に導かれるようにここまで来た、と感慨深く思っています。

歯科医師としての悩みもあったそうですね。

実は歯科医師として見えない部分を手探りで治療することに疑問を持っていました。特に歯の根の治療「根管治療」はまさにそのような治療ばかり。不確定な治療ですから、大げさに言うと患者さんに嘘をついているように感じることもあったんです。「神経を取った歯は寿命が短くなる」という話を聞いたことがある方も多いかと思いますが、その原因の一つに神経を取った後に歯の根の先に膿がたまることが挙げられます。神経を取る治療は、多くの場合手先の感覚に頼って行われます。見えない状態で行いますから、どうしても神経を完全に取り切れず「取り残し」が生じ、これが膿の生じる原因に。痛みを訴えるのは30代後半以降の方が多いのですが、20~30代での処置で膿がたまり始め、30代後半以降に痛みとして現れるんです。

根管治療に抱いていた疑問やジレンマをどのように解消されたのですか?

松田敦至先生 坂詰歯科・矯正歯科2

きっかけとなったのはマイクロスコープとの出会いです。この出会いが私の歯科医師としての転換期となりました。マイクロスコープを使うと細かいところまではっきり見えるので、不確定な診断を下すリスクや、手探りの根管治療のような神経を取り残す心配も減り、自信を持って治療に取り組めるようになりました。当院では4年前からマイクロスコープを導入していますが、実は使いこなすのがとても難しいんです。私も当初はうまく扱えずにいましたが、マイクロスコープ治療を早い時期から行っておられる先生と出会い、多くのことを教えてもらいました。これもご縁ですね。

マイクロスコープによる精度にこだわった歯科治療

マイクロスコープはどのような治療に用いるのですか?

松田敦至先生 坂詰歯科・矯正歯科3

当院では歯の根の治療や大きな虫歯の治療の際に使っています。はっきりと見える状態で治療するので治療の精度向上に大いに役立っており、マイクロスコープを使うようになってからは、私の歯科医師としてのモチベーションも上がりました。感覚に頼る治療では歯科医師の推測で診療が進められますが、不確定な情報で治療を進められるのは患者さんもご不安でしょう。マイクロスコープを使うと、大きなモニターで患者さんと症状を確認しながら説明できるため、治療の必要性や治療方法についても、スムーズに理解していただけるようになりました。

難易度の高い根管の再治療に積極的に取り組んでいるそうですね。

根管治療をした歯に膿がたまって痛みなどの症状が出たら、再び根の治療が必要になります。これまで歯科では一般的に痛みがなければ根の再治療は「様子見」が主流でした。しかし痛みが出てからの再治療では、ほとんどのケースで抜歯が避けられません。ですから当院では痛みがなくても根の再治療を積極的に行っています。この再根管治療は歯の内部の汚れをしっかり取ることがメインとなります。非常に難易度の高い治療ですが、再び症状が起こらないようにマイクロスコープを用いて患部を確認しながら慎重に丁寧に処置を行います。インプラントや入れ歯は導入する時期が遅ければ遅いほど治療の手段を残せるので良いと思います。患者さんには、できる限り自分の歯を保っていただき、健康寿命を延ばし、おいしいお食事を最期まで楽しんでほしい。それが私たちの願いです。

歯科衛生士もマイクロスコープを活用しているそうですね。

松田敦至先生 坂詰歯科・矯正歯科4

メンテナンスや歯周病のケアの主役は歯科衛生士なので、当院では歯科衛生士もマイクロスコープを活用しています。実は目視での検査やエックス線検査だけではわからないことが多いんですよ。虫歯だけでなく、歯石の取り残しもチェックできます。マイクロスコープを使うと発見できることの幅がぐんと広がるんです。そして歯を残すための処置の精度が格段に向上します。歯科衛生士もなかなか経験できない処置を任せられているという自負もありますし、技術力向上へのモチベーションにもなっているようです。

可能性を追究し、地域医療に貢献し続けたい

歯科医師として、興味のある分野はおありですか?

松田敦至先生 坂詰歯科・矯正歯科5

歯科の分野を2つに分けるならば「残す治療」と「抜いた後の治療」があります。私は前者に力を入れていますが、歯を残すには、歯自体と土台となる骨の両方を守らなくてはいけません。私は大学病院で歯周病治療、つまり骨を守る技術を学びました。今でも、歯科治療の基本は歯周病治療だと思っています。マイクロスコープに出会ってからは、見えなかった領域を可視化しての治療が可能になり、歯そのものを残す治療レベルは、明らかに向上したと感じています。今関心を寄せているのは、歯と骨の両方の治療を高いレベルで融合すると、歯科治療の世界はどのように広がっていくのか、ということ。両方を極めた例はこれまで少ないと思いますが、とても興味がありますし、その域に達したいと思っています。

機能矯正にも取り組まれていますね。

お口の健康への関心が高い患者さんは、お子さんのお口の健康への関心も高いようで、小児矯正に通っているお子さんも多いんですよ。当院では矯正器具が目立ちにくいマウスピース型装置を用いた矯正も扱っています。お勧めしたいのは、子どもの成長をより良い方向へと促すための機能矯正。歯列や噛み合わせだけでなく、歯列に影響する姿勢や成長のバランスなども観察しながら歯並びにアプローチしていきます。姿勢や噛み合わせの良しあしは、大人になってから、特に40代以降に歯を残せるか残せないかというところに関わってきます。機能矯正は、何物にも代え難い親からお子さんへのプレゼントになると思います。ご相談は年齢に関わらず、親御さんが姿勢や歯並びに気になる点があったらいつでもお越しください。その都度、矯正の必要性を判断し、アドバイスさせていただきます。

最後に、読者へメッセージをお願いします。

松田敦至先生 坂詰歯科・矯正歯科6

歯を失ってからお金と時間を費やすのではなく、歯を残すことにお金と時間を費やすほうが、より良い人生が送れるのではないでしょうか。今は歯科医療の発達で、これまで神経や歯を抜かざるを得なかった症例でも残せることが多くなってきています。私も「歯を残すにはどうしたらよいか」を考えながら、日々診療にあたっています。きちんと画像やデータを用いて説明しますので、歯を抜いてしまう前に一度ご相談ください。患者さんにきちんと伝わる説明を心がけています。当院の目標はこの行田市を「皆さんが自分の歯でしっかり噛める、インプラント治療の必要がない地域」にすることです。これからも行田の皆さんのかかりつけ医として、地域医療に貢献していきたいと思っています。

自由診療費用の目安

自由診療とは

マウスピース型装置を用いた矯正/20万円~ マイクロスコープを使った根管治療/かぶせ物まで含め、21万円~

※歯科分野の記事に関しては、歯科技工士法に基づき記事の作成・情報提供をしております。
マウスピース型装置を用いた矯正については、効果・効能に関して個人差があるため、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。

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