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誤嚥性肺炎を予防するために口腔ケアを
自宅で行う歯科の訪問診療

藤田第一歯科診療所

(市川市/行徳駅)

最終更新日:2024/07/12

藤田第一歯科診療所 誤嚥性肺炎を予防するために口腔ケアを 自宅で行う歯科の訪問診療 藤田第一歯科診療所 誤嚥性肺炎を予防するために口腔ケアを 自宅で行う歯科の訪問診療
  • 保険診療

通院が困難な人の自宅を、歯科医師や歯科衛生士が訪問する訪問歯科診療は、まだまだ浸透しているとはいえない。一方、誤嚥性肺炎は、嚥下機能が低下した高齢者や寝たきりの患者に多く発生している。その誤嚥性肺炎を予防するには、口腔内環境が清潔に保たれていることが大切である。「藤田第一歯科診療所」の藤田太郎副院長は、積極的に訪問歯科診療を行うことで誤嚥性肺炎の予防に努めている。「日々の口腔ケアはもちろん重要ですが、訪問歯科診療によって定期的に口の中を清掃することも必要です」と語る藤田先生に、誤嚥性肺炎の予防、訪問歯科診療の受け方、メリットなどについて聞いた。

(取材日2024年6月13日)

さまざまな工夫を重ね、自宅でできる最善の歯科診療をめざす。医科歯科連携で併存疾患がある患者にも対応

Q誤嚥性肺炎とは、どのようなものでしょうか?
A
藤田第一歯科診療所 高齢者に注意が必要な誤嚥性肺炎の予防に注力する藤田副院長

▲高齢者に注意が必要な誤嚥性肺炎の予防に注力する藤田副院長

老化や病気などの影響で嚥下機能が低下すると、口腔内の細菌や食べかすなどが気管に入ってしまいます。それによって起こるのが誤嚥性肺炎です。栄養状態が悪かったり、免疫機能が低下している患者さんがかかりやすいといわれています。また、嘔吐などによって、食べ物と胃液を一緒に誤嚥し、発症するケースもあります。肺炎の典型的な症状は発熱、咳、痰ですが、誤嚥性肺炎は「元気がない」「食欲がない」といった症状のみ見られることが多いという特徴があります。体力の弱っている高齢者や寝たきりの人は命に関わる可能性があります。また、何度も繰り返すケースがあるため、注意が必要です。

Q予防のためには何をすれば良いでしょうか?
A
藤田第一歯科診療所 日々のケアだけではなく、歯科医師による専門的なケアも重要

▲日々のケアだけではなく、歯科医師による専門的なケアも重要

口腔内に細菌や食べかすが多いと、誤嚥したとき感染しやすくなります。つまり、口腔内環境が清潔に保たれていれば誤嚥性肺炎になるリスクは少ないと言えるでしょう。そこで毎日のケアが大切になります。とはいえ、人の歯を磨くのはとても難しいため、歯ブラシだけでなくスポンジブラシを使うことをお勧めします。定期的に介護の方やご家族に無理なくスポンジブラシで拭ってもらい、除去できなかったものを月2回の訪問歯科診療できれいに清掃するのが理想です。訪問することによって口腔ケアもアドバイスできますし、口腔ケアを続けることで口の中が刺激され、唾液分泌の促進につながります。唾液が多いと、噛みやすく飲み込みやすくなります。

Q訪問歯科診療は、どのような人が利用できますか?
A
藤田第一歯科診療所 自分で判断して諦めず、まずは相談をしてほしいと藤田副院長

▲自分で判断して諦めず、まずは相談をしてほしいと藤田副院長

訪問歯科診療は、歯科医師や歯科衛生士が患者さんの自宅を訪問し、歯科診療を提供するサービスです。通院が困難な方であれば、どなたでも利用できます。通院しなくても口腔内のケアや治療ができることを知らない人もいますが、訪問診療で入れ歯を作ることもできるんです。利用する場合はケアマネジャーに相談しても良いですし、歯科医院に直接連絡しても大丈夫です。通院するのと同じ診療ができるわけではありませんし、訪問診療が可能かどうかは患者さんのご自宅の環境を見てみないとわかりません。しかし、私たちは何とか工夫をして治療やケアの方法を考えますので、歯科に通えないと諦めていた人は、ぜひ一度ご相談ください。

Q訪問歯科診療のメリットを教えてください。
A
藤田第一歯科診療所 自宅での診療でも外来診療と同様に質の高い診療となるよう尽力

▲自宅での診療でも外来診療と同様に質の高い診療となるよう尽力

治療やケアをすることにより、誤嚥性肺炎の予防が期待できます。さらに、健康な口腔環境を保ち自分の口から食事を取ることは、消化器疾患を防ぐことにもつながります。なお、訪問歯科診療では実は単純な虫歯治療が難しいケースもあります。水を大量に使用するので誤嚥する可能性があるためです。水のコントロールがしやすい治療や、歯ブラシを使用した口腔ケアであれば問題ありません。また、患者さんの容体によっては治療ができないこともあります。例えば、口も開けるのが困難な患者さんは治療が難しいのですが、逆に言うと口を開くことができれば対応できると思います。うがいをすることができない患者さんでも大丈夫です。

Qこちらのクリニックの特徴について教えてください。
A
藤田第一歯科診療所 兄弟だからこそ実現できる、より密な医科歯科連携を推進している

▲兄弟だからこそ実現できる、より密な医科歯科連携を推進している

当院の1階で内科医院を開業している弟と医科歯科連携を取り、相談しながら治療をしています。使用して良い麻酔や薬など、他人だと遠慮して聞きづらい細部のことも、兄弟なのですぐ質問できます。弟から患者さんを紹介される場合も、注意点などを細かく説明してもらえるので、スムーズに治療できます。また、私は口腔外科出身で入院患者のケアも行ってきたため、ほかの疾患を併発している患者さんにも対応できます。訪問診療は外来と設備が異なるだけでなく、患者さんの体勢なども一人ひとり異なるため、誤嚥に注意しながら、訪問診療という環境下でのベストの治療を常に考えています。

ドクターからのメッセージ

藤田 太郎副院長

歯科でも訪問診療ができることを知らない方がまだまだ多いと思います。訪問診療は外来診療ではないからといって治療のクオリティーが下がるわけではありません。治療には限界がありますが、さまざまな工夫をして、自宅でできる最善の治療をめざしますので、諦めないでほしいですね。とにかく家族で悩みを抱え込まず、どんなことでも気軽に相談してください。

※歯科分野の記事に関しては、歯科技工士法に基づき記事の作成・情報提供をしております。
マウスピース型装置を用いた矯正については、効果・効能に関して個人差があるため、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。

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