精度と安全性を高めるための
ガイド装置を使ったインプラント治療
藤田第一歯科診療所
(市川市/行徳駅)
最終更新日:2022/12/12


- 自由診療
インプラント治療は歯を失った部分に人工歯根となるインプラント体を埋め込み、それを支えに人工歯を装着する治療法で、一般的に入れ歯やブリッジより噛んだ感触が得やすいといわれる。「藤田第一歯科診療所」の藤田太郎先生は、まだインプラント治療後の不具合が目立っていた時代、大学病院の歯科口腔外科に勤務していた。「現在は素材や治療手法の改良が進み、以前のような不具合は起きにくくなっていると思います」と話す。特にインプラント体を埋入する際、角度や深さを適切にコントロールできるガイド装置を使うことで、治療の精度や安全性の向上が期待できるという。大学病院での経験から、インプラント治療に厳しい目を向けてきた藤田先生に、現在のインプラント治療のメリット・デメリット、メンテナンスについて詳しく聞いた。
(取材日2022年11月19日)
目次
入れ歯やブリッジの不満を解消しやすいインプラント治療。治療の精度や安全性を高めることをめざす
- Qインプラント治療のメリットとデメリットを教えてください。
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A
▲必ず治療前に詳しく説明し自分に合う選択をしてもらうことに尽力
失った歯を補う代表的な治療法には、ほかに入れ歯とブリッジがあります。インプラント治療は入れ歯で感じることが多いとされる口の中の異物感、噛むときの違和感、痛みなどの軽減が期待できます。また、治療部分の両側にある歯を削って支えにするブリッジと異なり、インプラント治療では直下の顎の骨に埋めたインプラント体を支えにするため、ほかの歯に影響が少なく済みます。天然歯と同等とはいえませんが、ほかの治療法に比べて噛んだ感触が得やすいのもメリットといえますね。デメリットを挙げるとすれば、外科手術も含むため治療の負担額が大きくなること。そのほか「手術自体が怖い」と、最初から敬遠される方もおられますね。
- Q費用面や医療費控除について教えてください。
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A
▲歯科用CT。立体的に確認し、的確な治療計画の立案につなげる
一般的な治療手順は、歯科用CTによる事前検査、インプラントの埋入、土台の装着、人工歯の接合ですが、医療機関によっては使う素材や治療手法の選択肢があり、その組み合わせにより全体の費用が大きく変わる場合があります。当院の例では、インプラントの埋入に角度・深さを適切にコントロールするためのガイド装置を必ず使い、人工歯も1種類としており、合計費用は土台と人工歯の接合方法の違いで変動します。なお、こうした高額な医療費は、医療費控除の対象となり、所定の時期までに確定申告を行えば、所得税と復興特別所得税が還付される場合があります。重要なことですので、当院では事前に費用面についてもしっかりと説明しています。
- Q治療に使う素材の違いや特徴などはありますか?
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A
▲使用する素材も日本人の口腔環境に合うものを厳選する院長
顎の骨に埋入するインプラント体と上部に装着する土台は、体になじみやすいといわれる高純度のチタンやその合金を使うのが一般的です。一方で人工歯はオールセラミック、人工ダイヤモンド表面にセラミックを焼きつけたジルコニアセラミックなど多様で、強度や見た目の印象などが違ってきます。これらに加え、当院では日本人の口腔内に合うことを重視し、インプラント体と土台、人工歯を国産メーカーにしています。理由としては欧米に比べて小さめな日本人の口腔内に合うよう、選べるサイズが細かく分かれており、より的確な規格で調整するなど安心感があるためです。
- Qインプラント治療で重視する点を教えてください。
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A
▲これまでの経験から、治療する衛生面にも十分な配慮をしている
当院では患者さんにメリット、デメリットを十分に説明して、ご理解いただいて治療に入るよう心がけています。加えて、治療の精度と安全性を高めるために、新たに導入した歯科用CTで患者さんの口腔内から顎の骨までを立体的に捉え、コンピューターでシミュレーションしながら、その方に合うインプラント体のサイズ、埋め込む角度と深さを決定します。埋入の角度がずれたり必要以上に深く入ったりすることがないよう、手術ではマウスピース型のガイド装置を使用します。また、歯茎を大きく切開しないことで回復の早さが期待でき、手術後の再確認も必要ないため手術回数が減らせます。治療期間も多くの方は3、4ヵ月で終了がめざせます。
- Q治療後のメンテナンスが大事と聞きますが、なぜですか?
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A
▲治療後にも一生使える歯をめざし、口腔環境の維持にも注力
治療に使う素材は金属やセラミックでも、周囲の組織には細菌が感染し、歯周病と同様の炎症を起こす可能性があるからです。これはインプラント周囲炎と呼ばれ、主に歯周ポケットから細菌感染が始まり、炎症が粘膜や歯茎に広がり、さらには顎の骨も溶かします。このため天然歯より徹底したメンテナンスが必要で、当院ではご自宅でのセルフケアの方法も丁寧にお伝えしています。さらに数ヵ月に1度の通院で、歯科衛生士による定期検診とクリーニングを受けていただきます。埋入して終わりではなく、その良い状態を患者さんと一緒に維持していくことが重要だと考えています。
自由診療費用の目安
自由診療とはインプラント(1本 ガイド込み)セメント式:36万5000円~、ネジ式:42万円~
※歯科分野の記事に関しては、歯科技工士法に基づき記事の作成・情報提供をしております。
マウスピース型装置を用いた矯正については、効果・効能に関して個人差があるため、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。