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河上 哲 院長の独自取材記事

K-クリニック

(川崎市宮前区/宮前平駅)

最終更新日:2023/05/01

河上哲院長 K-クリニック main

東急田園都市線宮前平駅から徒歩2分の閑静な住宅街に、ひときわ目立つモダンな建物。個人の邸宅かと思いきや、泌尿器科のクリニックというから驚きだ。「K-クリニック」は、「泌尿器科のネガティブなイメージを払拭したい」という河上哲院長の思いを表している。男性だけでなく、子どもも女性も気軽に立ち寄ってほしいとの思いから、自然光あふれる明るい院内にはさりげない患者への配慮が施され、居心地の良い空間となっている。身近に起こり得る尿トラブルの駆け込み寺として、地域住民を支えている同院。そんな同院の魅力について、前立腺がんや膀胱がんの早期発見に努める河上院長にじっくり話を聞いた。

(取材日2023年3月9日)

女性や子ども、誰もが相談できる泌尿器科をめざして

まずはクリニックの歩みと特徴について教えてください。

河上哲院長 K-クリニック1

ここはもともと外科医の父が50年以上前から開業していた場所で、父が亡くなったのを機に、2006年に泌尿器科専門のクリニックとしてリニューアルオープンしました。担当してくれた設計士が、いい意味でクリニックらしくない、洗練された居心地の良い空間をつくり出してくれましたね。泌尿器科というと性病を連想して「受診するのが恥ずかしい」と思ってしまう方が多いのですが、泌尿器の悩みは加齢に伴うものが多く、誰にでも起こり得るもの。決して恥ずかしいことではありません。女性からの相談も多いですし、夜尿症や包茎、停留精巣などお子さんについての相談もあります。待合室は男女別にゾーンを分けて、トイレも2つ。患者さん同士が向き合うことのないようレイアウトにも配慮しています。女性医師も在籍していますので、男性医師には話しづらいことでも気軽に相談しやすいと思います。

幅広い世代の患者さんがいらっしゃる中でも、どのような相談が多いのでしょうか。

一番多いのは頻尿ですね。その次が血尿でしょうか。ほかにも尿漏れや排尿時の痛み、残尿感、PSAの数値が高いことから他院から紹介されてくる患者さんや、内科にかかっていたけれど膀胱炎がなかなか治まらないというご相談も多いですね。女性の場合、女性の病気は婦人科へ相談するものと思われる方が多いようで、決してそれは間違いではないのですが、ずっと婦人科にかかっていてもなかなか排尿に関するお悩みが解決しない場合は、一度泌尿器科にご相談いただければと思います。また、性病も診ていますが、性病にはいろいろな種類があり、中には母子感染や家族間での感染するものもあるので、重症化するまで我慢せず、気軽にご相談いただければと思います。

患者さんに接する時、どのようなことを心がけていますか?

河上哲院長 K-クリニック2

まずは患者さんの話をよく聞くこと。それでも初対面で、ましてや泌尿器のことなので話しづらいこともあると思います。実際、ご自身の抱える症状を遠回しな表現で話される方も多いので、ゆったりと構えてお話を聞くように心がけています。私からお話しするときは、できるだけ難しい専門用語を避けて、患者さんに納得していただけるようにしています。患者さんに、私になら抵抗感なく話せると感じてもらえたらうれしいと思いますね。インターネットの普及などで豊富な医療知識をお持ちの患者さんも増えてきましたが、治療の取捨選択は患者さん一人ではできません。当院では適切な診断のもと、それぞれの治療のメリット・デメリットを含めて、治療時間や治療期間、予算など、患者さんの希望を伺いながら最善と思われる治療計画を提案させていただきます。

頻尿や血尿など、尿がいつもと違ったら泌尿器科へ

泌尿器科ではどのような検査ができるのでしょうか?

河上哲院長 K-クリニック3

例えば膀胱炎が疑われる場合、どの科でも尿検査をすると思いますが、泌尿器科で行う尿検査は症状に応じて必要な項目を調べ、完全治癒をめざす適切な抗生物質による治療を行います。最近は抗生剤の効きにくい薬剤耐性菌が増加していることもあり、原因をしっかり見極め、適切な薬を処方しないと、一旦症状は治まってもすぐに再発してしまうことになります。当院ではデジタルエックス線検査、尿流量測定、腹部・頸部等の超音波診断、膀胱・尿道用の内視鏡検査などに対応し、精度の高い検査と適切な診断をめざしています。また、泌尿器科がんの早期発見にも力を入れています。

ところで、先生は病院勤務時代、がんの治療を専門とされていたそうですね。

例えば、前立腺がんは2019年の調査では男性のがん患者数のトップとなっていますが、早期発見・早期治療で完治をめざせます。私はがんを専門としていたので、病院勤務時代は多数がん患者さんを診てきました。当時の患者さんの中には今も当院に通ってくださる方もいらっしゃいます。前立腺がんや膀胱がんを早期に見つけて適切な医療機関につなぎ、治療が終わったら引き続き当院で責任をもってフォローする。そんなお付き合いが増えればうれしいですね。医学もどんどん進歩しているので、これからはがんの克服をめざし、その後長生きされる方がどんどん増えていくと思います。

頻尿や血尿からがんが見つかるケースもあるのだとか。

河上哲院長 K-クリニック4

血尿が出ても一日で治まったりすると問題ないだろうと放置してしまいがちですが、痛みのない血尿の場合、悪性であることが多いので注意が必要です。膀胱がんの主な症状は血尿ですが、まれにがんが膀胱を刺激して頻尿が見られることもあります。また、トイレが近くなったのは年のせいだろうと思っていたら、前立腺がんだったというケースも少なくありません。深刻な病気が原因で症状が現れている可能性もあるので、血尿や頻尿、排尿時の痛みなど尿に関するお悩みのある方は、早目の受診をお勧めします。

病院や他科と連携し地域全体で患者をサポート

先生が思う「このクリニックの役割」について教えてください。

河上哲院長 K-クリニック5

私たちにできるのは、がんの疑いがあると絞り込みを行うところまで。最終的な組織診断は病院でやってもらわなければなりません。そして病院でがんと診断されて一定の治療や手術を受けた後は、当院でフォローをする。もちろん大きな手術の後で、クリニックレベルではフォローが難しいケースもありますが、基本的には分業ですよね。クリニックとしての役割をしっかり果たしていきたいと思います。また、地域で生きるクリニックですので、内科ならこの先生、婦人科ならこの先生というように私の専門外のことは他の信頼できる先生を紹介し、逆に泌尿器科のことであれば責任を持って引き受ける診診連携にも力を入れていきたいと思います。気軽に受診できるクリニック同士が連携して地域全体で患者さんをフォローできれば、患者さんにとってもメリットも大きいと思います。

印象に残っているエピソードについて教えてください。

以前、別の症状で相談にいらした方が、「実は20年くらい前から頻尿に悩んでいて、合唱団で交響曲第9番を歌うのが何よりの楽しみだったのにステージにも立てなくなってしまいました」と話してくださいました。尿の問題は趣味にも影響します。そういったお悩みでお力になれたら、私もうれしいですね。

最後に読者へのメッセージをお願いします。

河上哲院長 K-クリニック6

いまだに泌尿器科というと性病をイメージして、なんとなく後ろめたく思う方も少なくありませんが、泌尿器科は性病も診るけれど、決してそれがメインではないということをもっと広く認知していただきたいですね。それと男性だけでなく、女性やお子さんも気軽に受診できる科であるということも。頻尿など尿に関する悩みが解決できれば、格段に生活の質が向上すると思います。また、前立腺がんや膀胱がんも早期に発見できれば完治がめざせる可能性も高いです。風邪をひいたら内科を受診するように、泌尿器のことでお悩みがある時は泌尿器科にご相談いただければと思います。

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