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中沢 勝宏 院長の独自取材記事

中沢歯科医院

(墨田区/錦糸町駅)

最終更新日:2019/10/31

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桜の名所として知られる錦糸公園にほど近く、にぎやかな繁華街の一角にある「中沢歯科医院」を訪ねた。院長の中沢勝宏先生は大学院時代から顎関節症の研究を手がけ、開業以来約50年にわたって効果的な治療法を追求しながら、著書やメディアを通じて広く発信し続けてきた顎関節症治療の専門家。同院には、全国各地から顎のつらい痛みに悩む患者が数多く訪れている。顎関節症の原因は歯科領域にとどまらず、心理的な要因が関連するなど難症例も少なくないといい、中沢院長は「患者さんにとっての『心の杖』となり、一日も早く痛みから解放して差し上げたい」と熱を込める。これまでの歩みや顎関節症治療の変遷、関心を寄せている研究テーマなど、インタビューで幅広く語ってもらった。
(取材日2019年10月7日)

顎関節症治療を核として、幅広い歯科診療に対応

開業当初から顎関節症を専門に手がけてこられたのですか?

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はじめはごく普通のクリニックとしてスタートしたのですが、私の顎関節症に関する研究を知っておられる患者さんや大学からの紹介などもあって、次第に全国各地から患者さんが訪れるようになりました。そうした経緯もあり、今では当院に通っている患者さんのうち、8割は以前に顎関節症を患ったことのある方。中には、沖永良部島など当院までのアクセスがかなり大変なエリアから、定期的に通ってきてくださる方もいるんですよ。遠方ですと、診療にかかる費用に加えて交通費や宿泊費もかかってしまうことになって心苦しいのですが、顎関節症が落ち着いた後も噛み合わせや口腔環境を整えるために「中沢歯科医院でなければ」と頼りにして訪ねて来ていただけるのは、一人の歯科医師として本当に光栄なこと。そうした患者さんのご期待に応えるためにも、一般歯科やインプラント、歯周病など、幅広い診療に対応できる体制を整えています。

クリニックの特徴を教えてください。

もとは今よりもさらに錦糸町駅寄りの場所で開業していたのですが、再開発でこちらに移りました。移転を機に、それぞれの診療ブースを仕切って半個室状態にし、患者さんのプライバシーを確保しました。滅菌などの衛生面も徹底し、治療の際に使う水はすべて精製水を使用しています。完全予約制でほかの患者さんと顔を合わせる機会もほとんどありませんし、初診時には最低1時間はカウンセリングの時間を取って、じっくりとお話を伺います。また、このビル内の一つ下の階に研究所を併設しています。そちらは治療に関する研究をしたり、技工所として使用したりするほか、後進の歯科医師を育成するためのセミナーなどにも利用しています。

この50年の間に、顎関節症の治療はどのように変わりましたか?

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かつては顎関節症の原因は噛み合わせにあるとされ、健康な歯を削ることで余計に噛み合わせを悪くしてしまうような間違った治療法が横行していました。もちろん歯を削ることが顎関節症治療に有用なケースもありますが、それはあくまで症状に対する正しい分析を踏まえることが大前提。顎関節症の原因は顎周辺の骨や関節、筋肉の障害に加えて心理的要因なども挙げられますから、症状の現れ方も実に多様で、専門の歯科医師による正確な診断が欠かせません。今では正しい診断さえつけば、ストレッチや生活習慣の改善などのセルフケアで、比較的早期に改善につながるケースも多くあります。噛みしめや歯ぎしりなどの癖によって無意識に顎に負担をかけてしまっている場合は、夜間就寝時、マウスピースを使って対応していきます。

地道な研究の積み重ねを糧に、的確な治療法を追求

先生が顎関節症研究に取り組まれるようになったきっかけは?

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大学院で顎関節症を学位論文のテーマとして与えられたのがきっかけです。病名としては20世紀初めからあるものですが、きちんと定義づけがなされたのは1956年。しかし当時はまだわからないことばかりで、私が所属していた研究室でも、代々の大学院生が研究に行き詰まり、みんな逃げだしたと言われていたほどです(笑)。私はもともと工学部志望だったこともあり、顎の動きを測定する装置を自分の手でコイルを巻いて一から作ったりして、顎の運動論の解析に明け暮れていました。私が大学院を終える頃には顎関節に関する研究会が発足し、非常に熱気にあふれた議論が交わされていたことをよく覚えています。

これまでの研究を振り返って、どんなことが印象に残っていますか?

この50年の間に、顎関節症に関する多くのことが解明されてきましたが、それにはやはり口腔から顎にかけての膨大な情報をわれわれに教えてくれる歯科用CTの登場が大いに役立ったといえるでしょう。顎の運動に関していえば、私は約30年ほど前、大学の解剖学の教授にお願いしてご遺体の顎の関節の解剖をさせていたいただきました。約一年間、一つ一つ手に取って詳細に分析させていただきました。そうした地道な研究で顎の機能と構造を解剖学的に習得できたという経験と自信は、現在の診療にも大いに生かされていると感じています。

後進の先生方の指導にもお忙しそうですね。

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近年は症例が複雑化して診断が難しく、なおかつ採算性の問題などもあって、顎関節の外来を閉鎖する大学病院も出てきました。その一方で、顎関節症に悩む患者さんは増え続けていますから、患者さんは行き場を失ってしまいますよね。そこで私は「臨床医の会」というグループをつくって、互いの手がけた症例について情報交換を定期的に行っています。メンバーは開業医がほとんどで、それぞれ多くの患者さんを抱えていて忙しいですから、一堂に会するというのはなかなか難しいですが、普段からメールで症例に関する相談が来て、アドバイスする機会も多くあります。顎関節症や顎機能障害に悩む患者さんのために、覚悟を持って取り組む若い後輩たちが全国各地に育っていて、本当に心強く感じています。

患者にとっての「心の杖になる」という姿勢を大切に

顎関節症の中にはうつ症状との併発など、歯科だけでは解決できないケースもあるそうですね。

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顎の痛みが原因でうつになったり、うつ病の症状の一つとして顎の痛みが出るなど、その態様は多種多様です。このような場合は当院での治療と並行して精神科専門の医師にも協力していただき、歯科と精神科双方からのアプローチで、解決策を探っていきます。そもそも顎関節症というのは、メンタルとの関係がものすごく大きい疾患です。痛みにとらわれてそのことばかり考えてしまうと、うつ病にならないまでも気分が落ち込み、日常生活に支障を来すこともあります。実際、顎関節症の患者さんは長い間つらい痛みを我慢され、心身ともに疲れ果てて来院される方も多いですから、問診時には患者さんとじっくり向き合ってお話を聞き、患者さんにとっての「心の杖になる」という姿勢を日頃から大切にしています。

顎関節症の患者は女性が多いと聞きます。予防法はありますか?

当院に顎の痛みや噛み合わせの違和感を訴えて来院される患者さんも8割が女性です。やはり女性のほうが、毎朝鏡をよくご覧になって顔のゆがみなどに関心が高いですし、女性ホルモンの増減によって痛みが出やすくなったり、骨吸収が進んで関節が変形しやすくなったりなど、女性特有の体質によるところもあります。予防法として日常的に取り組めることとすれば、噛み締め癖、頬づえやうつぶせ寝など顎に負担のかかりやすい姿勢をやめること。加えて、ジョギングやウォーキングなどの有酸素運動を積極的に行ってメンタルを強くし、痛みを感じにくい体づくりをすることです。

最後に今後の展望と、読者に向けてメッセージをお願いします。

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最近私が興味を持って調べているのは、顎関節症治療に対する脳科学の応用です。脳の特定の一部分に電気や光の刺激を与えることによって、体の失われた機能を取り戻していくといった方法が報告されていますが、これを顎関節症に応用できないかと考えているんです。脳のどの部分に刺激を与えることで、顎の痛みや違和感を取り除ける可能性があるのか、今まさに文献をかき集めて、国内外の仲間と議論しながら勉強しているところです。研究は奥が深くて、何年やっても探求心はあふれてくるばかり。面白くて仕方ありません。今後も若い優秀な先生方と知恵を出し合い、顎関節症の痛みに悩む患者さんを一人でも減らせるように、一日も早くその苦痛を取り除くことができるように、誠心誠意取り組んでまいります。

自由診療費用の目安

自由診療とは

インプラント治療/1本50万円~、マウスピース型装置を用いた矯正/5万円~、治療用マウスピース/3万円~、顎関節症治療/初診2万5000円~

※歯科分野の記事に関しては、歯科技工士法に基づき記事の作成・情報提供を行っております。
カスタムメイド矯正装置(マウスピース矯正)については、効果・効能に関して個人差があるため、 カスタムメイド矯正装置(マウスピース矯正)を用いた治療を行う場合は、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。

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