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篠崎 直樹 院長の独自取材記事

矯正・自由が丘歯科室

(世田谷区/自由が丘駅)

最終更新日:2021/10/12

篠崎直樹院長 矯正・自由が丘歯科室 main

自由が丘駅南口から徒歩3分。九品仏川緑道から少し入ったビル2階にある「矯正・自由が丘歯科室」。篠崎直樹院長の「歯を抜かない矯正治療」という診療理念に共感する患者が、近隣のみならず全国各地から訪れているという。「人間の体に要らないものなんてありません。歯も同じこと。1本でも損失してしまうとバランスが崩れ、口腔内全体に悪影響が及ぶこともあります」と話す。最近では歯を抜かずにスペースをつくる矯正技術も進化してきており、症状に合わせて治療方法の選択肢も増えているそうだ。「歯はその人が持っている本来の骨格に合わせて、正しい位置には生えたがっているんですよ」と穏やかな笑顔で話す篠崎院長。矯正歯科医療への思いやクリニックの特徴について話を聞いた。

(取材日2018年10月3日)

本来の骨格に合わせてスペースをつくる非抜歯の矯正

開業して18年たちますが、その間の変化など何かお感じですか? 患者層についても教えてください。

篠崎直樹院長 矯正・自由が丘歯科室1

当クリニックでは「歯を抜かない矯正」を一つの大きな診療理念としていますが、その理念がかなり浸透してきているように思います。従来、矯正といいますと歯を抜いてスペースをつくり歯列を整えますが、歯を抜かなくてもスペースをつくれるさまざまな矯正装置も出てきて技術的にも進化してきています。非抜歯矯正を希望なさる方も多く、全国各地から患者さんが来ています。主に関東圏が中心ですが、遠くは金沢から通っている方もおられます。最近では高齢者も目立ちますね。高齢になると歯周病などで歯を失いがちでマイナス方向へ進むばかりですが、それを少しでも食い止めたいからと非抜歯矯正を希望されます。

なぜ歯を抜かない矯正治療が大切なのでしょうか。

人間の体に要らないものはありません。歯も同様で、長い年月をかけて今の形や本数を獲得してきたのです。たとえ1本でも欠ければバランスが崩れて、やがて口腔全体が崩れることにもつながります。そもそも矯正は自分の歯で一生を過ごすために行うものですが、その矯正のために健康な歯を抜くのは本末転倒ではないかと思うのです。また、歯の本数は、その人の寿命にも密接に関連があります。歯を欠損しても、その時は生死には関わりませんから、軽んじてしまいがちです。ですが、長い目で考えますと咀嚼力や活力にも影響を与え、ひいては寿命にも関わってくるのです。そうしたことを考えますと、歯を抜くのではなく、すべての歯を本来あるべき場所、本来の姿に戻すことが重要だと思います。

具体的にどんな方法があるのでしょうか。

篠崎直樹院長 矯正・自由が丘歯科室2

歯列の乱れは、骨格不全、位置不全、成長不全などによりますが、本来その人が持つ骨格に沿って正しい位置に戻すことで、それらが賦活されていきます。技術的には歯列のアーチを広げる、あるいは後方に移動させるといった方法がありますが、それらを実現させる高度な矯正装置も各種出てきていますので、症状に合わせていろいろな方法を提案できるようになっています。例えば犬歯が八重歯になっている場合は、歯列を横に広げてスペースをつくると、きちんとあるべき場所に戻せることがあります。あるいは、乳歯の段階で抜いてしまって、そこに奥歯が前方方向に生えてしまった場合、奥歯全体を後方に戻すと、そのスペースに本来の歯が生えてきます。歯は正しい位置に生えたがっているんですよ(笑)。ただ、私は狂信的に非抜歯矯正を推奨しているのではなく、精密に診断した上で判断しています。

最初の診断が重要。精密な検査から綿密な治療計画を

普段の診療で心がけていることはどんなことですか?

篠崎直樹院長 矯正・自由が丘歯科室3

患者さんの主訴をよく聞くことです。何に悩んでおられるのか、どのように治したいか、患者さんの考えや要望をよく伺って、それに沿った治療方法を提案しています。診療で一番重要なのは最初の診断ですね。治療の80%は診断が左右するのではないでしょうか。そのため、エックス線や3D歯科用CT、口腔内3Dスキャナーなどで顎の骨や顎関節、歯の位置、噛み合わせを精密に検査しています。また、矯正を行うことによってどのように歯が動くかというシミュレーションも画像で見せながら説明しています。患者さんはどのように歯が動くかよくわからないと思いますが、画像を見ればより理解しやすいですよね。最初の画像は治療の途中でもお見せしているんですよ。矯正していくうちに、最初はどんな状態だったか忘れてしまいますし、最初と比べてこんなに変化したということがわかれば、患者さんもやる気が出てくると思います。

矯正は小児の頃に受けたほうが良いのでしょうか。

非抜歯矯正は、本人の骨格に合わせて歯が並ぶスペースを本来の形に戻す治療です。建築で言えば基礎工事のようなもの。何事も基礎が大事ですから、子どもの頃からしっかりと基礎を構築していくことが望まれます。小児の矯正は骨格や関節の成長を利用しながらきれいな歯列に導くことができます。また、口呼吸や舌で前葉を押す癖、頬づえをつく癖などの癖を取るだけでも歯列が整うケースもありますので、そういった癖を正す指導も行っています。乳歯の時に歯列が乱れていると抜歯してしまうケースもありますが、乳歯も必要であるから生えているわけですので、将来の成長を考慮した上で治療法を考えることが大切だと思います。

ところでこちらの診察室は明るくて気持ちいい空間ですね。

篠崎直樹院長 矯正・自由が丘歯科室4

開設当初、親族に歯科医師がいるわけでもなく、クリニックを設立するのは初めての経験でしたが、素人ながら患者の立場に立って考えていきました。明るくて居心地が良く、リラックスできる空間をめざしました。最初はユニット1台から始めたんですよ。今は、ユニットは4台ですべて個室にしています。歯科医師は私のほかに2人在籍していますので、カウンセリングルームも3室用意して、随時患者さんとお話できるようにしています。待合室にはキッズスペースも用意していますので、親御さんが診療している時に、そこで遊んでいるお子さんも多いですね。兄弟で通っているお子さんもいて、キッズルームと診察室、替わりばんこに過ごしています(笑)。

さらに技術を習得し、非抜歯矯正の高みをめざす

そもそも矯正の歯科医師をめざされたのはどんなきっかけだったのでしょうか。

篠崎直樹院長 矯正・自由が丘歯科室5

中学生の頃から日曜大工が好きで、自分のベッドや机を手作りしていました。細かい作業が得意だったので、それを生かせる仕事がいいだろうと思い歯科医師の道をめざしました。矯正を専門にしたのは、東京医科歯科大学の講義を受けていく中で、外からの力によって体を変化させていくのは歯列矯正だけではないかという言葉を聞いて、そのダイナミックさに魅力を感じたのです。よく考えれば外力によって変化させることができる部位というのは他にありませんよね。中には手術という手法もありますが、矯正は自然治癒力をうまく利用しながら歯列を変化させるという点でとても興味が湧いたのです。

これまでで何か心に残ったエピソードがあれば教えてください。

ご高齢の女性、70代だと思うのですが、その方が矯正を行って、人生ががらりと変わったと喜ばれているのを知りました。その方は直接表現するのが苦手な方で、治療後も控えめだったのですが、ブログにその後のことをいろいろと記しておられたのです。他の患者さんから教えてもらって拝読しましたら、治療後、とても前向きになってアグレッシブな人生を過ごしておられるそうです。外国に留学もされたようです。ここでの矯正治療のことも書いていただいて、その時は表情にはあまり出されませんでしたが、喜んでいただけたのだなと、とてもうれしく思いました。

最後に、今後の展望と読者へのメッセージをお願いいたします。

篠崎直樹院長 矯正・自由が丘歯科室6

長く非抜歯矯正に携わってきましたが、まだまだ技術的に未熟なところがありますので、さらに高度な技術習得に努めていきたいですね。日本の矯正治療は外国と比べると4~5年は遅れていると感じています。最新の知見を得るべく外国の学会発表にも積極的に参加して、知り得た技術を自分の中で熟成させて、患者さんたちに発信していきたいと思います。先ほどもお話ししましたが、人間の体には要らないものはありません。歯を抜くことなく矯正することも可能な場合がありますから、歯列や噛み合わせで悩んでいる方はぜひご相談ください。

自由診療費用の目安

自由診療とは

矯正治療/表側矯正75万円~、リンガル(裏側)矯正110万円~、マウスピース型装置を用いた矯正85万円~

※歯科分野の記事に関しては、歯科技工士法に基づき記事の作成・情報提供をしております。
マウスピース型装置を用いた矯正については、効果・効能に関して個人差があるため、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。

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