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龍 祥之助 院長の独自取材記事

新百合ヶ丘 龍クリニック

(川崎市麻生区/新百合ヶ丘駅)

最終更新日:2024/06/03

龍祥之助院長 新百合ヶ丘 龍クリニック main

1980年の開業以来、40年以上にわたって地域から親しまれてきた「新百合ヶ丘 龍クリニック」。龍祥之助院長は、2011年に父である前院長から同院を引き継ぎ、2021年7月からは龍院長の専門分野である循環器内科を中心とした新たな診療体制を整え、同じ敷地内に新築した建物へ移転した。勤務医時代、重篤な心臓病患者などを診療してきた経験から「重症化する前にできることがあるはず」という気持ちで、生活習慣病などの診療にあたっているという。患者の声に耳を傾けたいという思いから院内に意見箱を設置し、患者が出勤前に受診できるよう朝8時から診療するなど、患者目線の取り組みも印象深い。そんな龍院長に、同院の歴史や特徴、今後の展望などを聞いた。

(取材日2024年3月1日)

街のかかりつけ医として、誠実な医療で地域を支える

長い歴史のあるクリニックと伺っています。

龍祥之助院長 新百合ヶ丘 龍クリニック1

当院は、内科と婦人科を担当する父と小児科を担当する母が1980年に開業したクリニックです。僕は2011年に引き継ぎ、院長に就任しました。2021年までは父が内科と婦人科を週1回担当していましたが、今は、内科と僕の専門の循環器系の診療、そして小児科医師の妻が担当する「親子の外来」を設けています。この建物は2021年に新築したもので、患者さんがあまり緊張せずに来院できる雰囲気づくりを心がけました。診療体制が変わり、建物も新しくなりましたが、両親が築き上げてきた「町のかかりつけ医」としての良い面はしっかりと引き継いでいきたいと思います。

親子の外来では、どのような診療を行っているのですか。

発達障害のあるお子さんやなんらかのトラウマを抱えたお子さんの心と体の不調の診療を行う他、発育の心配や育児の困難、生活上の悩み、親御さん自身の不調などのご相談に乗っています。親子の心のケアに取り組む「心理ケア」も行っています。対象となるのは、0歳から18歳までのお子さんと保護者、妊娠中の方です。

先生が医師の道を選ばれたのは、やはりご両親の影響でしょうか。

龍祥之助院長 新百合ヶ丘 龍クリニック2

そうですね。医師以外の職業をあまり意識したことがないので、きっと両親にうまく誘導されていたのではないでしょうか(笑)。父が開業した当時は住まいもこのクリニックに併設されていました。両親が診療している姿を見ること自体はそれほど多くありませんでしたが、職場がすぐ近くにあることで、子どもながらにやはり医師という仕事に対して意識することは多かったのだと思います。両親だけでなく親戚など周りの環境も影響したと思いますね。龍家は過去20代、およそ400年にわたる医師の家系です。僕は見たことはありませんが、家系図もちゃんと残っているそうです。親戚もほとんど医師や歯科医師なので、僕が医師を志したのはごく自然なことでした。

循環器内科を専門に選ばれた理由も教えてください。

僕が医師になった頃の勤務先の病院は、内科は循環器や消化器などに分かれているのではなく、第一内科と第二内科があるような時代でした。僕が入局した第二内科では、消化器、神経、循環器の疾患を扱っていました。最初は神経や脳神経外科を希望していたのですが、循環器疾患の診療の経験を通して、医療で人を助けることにつながる実感を得られたことが、循環器内科を専門に選ぶきっかけになりました。自分が学んだことを患者さんに還元することは今も意識していて、医学雑誌を読んだり研究会に入ったりするなどして、多くの情報を吸収するよう努めています。新型コロナウイルス感染症の流行で、勉強会やセミナーはオンラインで開催されるようになりましたが、遠方まで行かなくても受講できるので、以前よりも学ぶ機会は増えましたね。

重篤な循環器の病気にもつながる生活習慣病診療に注力

クリニックのコンセプトを教えてください。

龍祥之助院長 新百合ヶ丘 龍クリニック3

地域の方にとって「何でも相談できるかかりつけ医」でありたいと考えています。何か症状があっても、どの医療機関に行ったらいいかわからない方もいらっしゃると思いますので、困った時は龍クリニックに行って相談してみようと思っていただけるような場所でありたいですね。例えば、何か他の症状のついでに「鼻がかゆいんですけどどうなんですか?」と相談していただければ、花粉症へのアプローチもできます。たわいない会話をしながら、地域の方の健康のすべてのことに関われたらいいなと思いますし、それがかかりつけ医の役割だとも考えています。

幅広い診療の中で、特に注力している治療などはありますか。

生活習慣病の治療です。もともと僕の専門は心臓病で、糖尿病や脂質異常症、高コレステロール血症といった生活習慣病と大きく関わる分野ですから、その知識を生かしながら地域医療に携われることは強みだと感じています。診察で感じることなのですが、特に糖尿病はかなり症状が進行していても、自覚症状のない患者さんも多い病気です。ですから、まずは定期的に検査を受けるなどして、ご自分の体の状態を知っていただくことが大切です。当院では、血液を測定して検査当日に結果を出すことが可能なヘモグロビンA1c迅速測定器を導入しています。従来のように検査結果を聞くために再度来院していただく必要がなくなり、患者さんの負担を軽減できるようになりました。

生活習慣病は循環器系の病気と密接に関わっているのですね。

龍祥之助院長 新百合ヶ丘 龍クリニック4

そうなんです。生活習慣病は動脈硬化につながるケースが多いため、循環器を専門的に治療していた時も生活習慣病の治療を行っていました。循環器の病気にかかってしまうと、なかなか根本から治すことができません。勤務医時代に生活習慣病の段階で良くしていけば重症化しなくて済んだのではないかと思われる患者さんも多く診てきましたから、その部分をカバーできるよう当院では取り組んでいます。食事面で僕がよく患者さんにお話しするのは、特定の食品を減らすのではなく、食事の量全体を8割ほどに抑えることです。全体のバランスはそのままに、量を調整することをアドバイスしています。

小児科の開設も視野に、幅広い診療で地域に貢献

通いやすさを重視して、いくつもの工夫をされていると聞きました。

龍祥之助院長 新百合ヶ丘 龍クリニック5

そうですね。会社勤めの方が出勤前にも通院しやすいように、診療は朝8時から開始しています。待ち時間を短縮するためにウェブ予約やウェブ問診を導入し、クレジットカードでの支払いにも対応しています。ウェブ問診は、ウェブ上で問診表に入力していただければ、そのデータをクリニックで医師やスタッフが確認できます。それによって、院内の滞在時間を短縮できますし、感染症対策としても役立っていると思います。発熱のある患者さんの診療は別枠で時間帯を設け、広い駐車場を活用して車内で待機してもらうなど、他の患者さんとの接触回避も心がけています。

今後、力を入れたい分野などはありますか。

大学病院に勤務していた頃は生死をさまよう重篤な患者さんの治療をしていましたが、当院では一次診療の役割を果たし、大病にならないようにいかに管理をするか、予防の面を大事にするべきだと考えています。一人ひとりの予防に対する意識が高まるような働きかけをしたいと思っています。健康診断などを活用していただき、大きな病気にかかる前に食い止め、予防することが当たり前になればいいですね。そのためにも、無理なく続けられる運動や健康的な生活習慣を広めていきたいですし、管理栄養士とも連携して食育や食事へのアドバイスに力を入れていきたいと考えています。近い将来小児科の診療も開始して、家族でかかれる、より地域の皆さんの役に立つクリニックとなっていきたいですね。

最後に読者へのメッセージをお願いします。

龍祥之助院長 新百合ヶ丘 龍クリニック6

健康な体を保つには、まずは自分の体を知ること、そして病気に対する正しい知識を持つことが大切です。特にお子さんを持つ親御さんは、子育てや家事で忙しいために自分のことが二の次になっているように感じますので、もっと自分のことを気にかけてほしいですね。自分の健康を保つことが結局は家族のためになりますし、お子さんに比べて親御さんたちは症状が悪化してから来院されることが多いので、もっとご自分の優先順位を上にしてほしいと思います。また、日頃から運動習慣を持つことも大切です。新型コロナウイルス感染症の流行でスポーツ習慣が途絶えてしまった方も目立ちます。若い頃は病気自体をあまりしないので無頓着になりがちですが、高齢になってから運動を始めることはなかなか難しいものです。若い頃から運動習慣を心がけ、将来の健康につなげていただきたいですね。

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