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龍 祥之助 院長の独自取材記事

新百合ヶ丘 龍クリニック

(川崎市麻生区/新百合ヶ丘駅)

最終更新日:2024/01/24

龍祥之助院長 新百合ヶ丘 龍クリニック main

1980年の開業以来、地域から親しまれてきた「新百合ヶ丘 龍クリニック」。院長は、2011年に父である前院長から同院を引き継いだ龍祥之助先生。2021年7月からは龍院長の専門分野である循環器内科を中心とした新たな診療体制を整え、年内には同じ敷地内に新築した建物への移転も完了する予定だ。勤務医時代、重篤な心臓病患者などを診療してきた経験から「重症化する前にできることがあるはず」という気持ちで日々の診療にあたる龍院長。患者の声に耳を傾けたいという思いから院内に意見箱を設置したり、患者が出勤前に受診できるよう朝8時から診療するなど、患者目線の配慮にあふれている。そんな同院の歴史や特徴、今後の展望などを龍院長に聞いた。

(再取材日2021年3月15日)

昔も今も町のかかりつけ医として変わらぬ誠実な医療を

長い歴史のあるクリニックと伺っています。

龍祥之助院長 新百合ヶ丘 龍クリニック1

当院は、内科と婦人科を担当する父と小児科を担当する母が1980年に開業したクリニックです。僕は2011年に引き継ぎ、院長に就任しました。現在は僕が内科を担当し、父が内科と婦人科を週1回担当していますが、今年の6月末で父が引退を決めているため診療体制が変わります。婦人科がなくなることもあり、今後は僕の専門である循環器系の診療に力を入れていきたいと思います。現在、敷地内にクリニックを新築中で、夏から年末にかけて移転が完了する予定です。待合室が少し広くなる程度で現在の建物との大きな違いはありませんが、患者さんがあまり緊張せずに来院できる雰囲気にしたいと考えています。診療体制が変わり、建物も新しくなりますが、両親が築き上げてきた「町のかかりつけ医」としての良い面はしっかりと引き継いでいきたいと思います。

先生が医師の道を選ばれたのは、やはりご両親の影響でしょうか?

そうですね。医師以外の職業をあまり意識したことがないので、きっと両親にうまく誘導されていたのではないでしょうか(笑)。父が開業した当時、僕は小学2年生で、その頃は住まいもこのクリニックに併設していました。両親が診療している姿を見ること自体はそれほど多くありませんでしたが、職場がすぐ近くにあるということで、子どもながらにやはり医師という仕事に対しての意識はあったのだと思います。両親だけでなく親戚など周りの環境も影響したと思いますね。龍家は過去20代、およそ400年にわたる医師の家系です。僕は見たことはありませんが、家系図もちゃんと残っているそうです。親戚もほとんど医師や歯科医師なので、僕が医師を志したのはごく自然なことでした。

循環器内科をご専門に選ばれた理由は?

龍祥之助院長 新百合ヶ丘 龍クリニック2

僕が医師になった頃は、まだ科が臓器別ではありませんでした。内科は循環器や消化器などに分かれているのではなく、第一、第二とあって、僕が入局した第二内科には、消化器、神経、循環器がありました。最初は神経や脳神経外科を希望していたのですが、循環器での診療を経験し、重篤な症状の患者さんを助けることで、医療で人を助けることにつながるという実感を得ることができました。自分が学んだことを患者さんに還元することは今も意識しており、医学雑誌を読んだり研究会に入ったりするなどして多くの情報を吸収するようにしています。新型コロナウイルス感染症の流行で、勉強会やセミナーはオンラインで開催されるようになりましたが、遠方まで行かなくても受講することができるので、以前よりも機会は増えましたね。

食事制限も運動も無理なく続けて生活習慣病の改善を

クリニックのコンセプトを教えてください。

龍祥之助院長 新百合ヶ丘 龍クリニック3

地域の方にとって「何でも相談できるかかりつけ医」でありたいと考えています。こんな症状があるけど、どこの病院に行ったらいいかわからないという方もいらっしゃると思いますので、困ったときは龍クリニックに行って相談してみようと思っていただけるような場所でありたいですね。例えば、花粉症といったら耳鼻咽喉科に行く方が多いと思いますが、内科で花粉症の患者さんを診ることも多々あります。日頃から通っている患者さんから、何かのついでに「鼻がかゆいんですけどどうなんですか?」と相談され花粉症も診るなど、たわいない会話をしながら、地域の方の健康のすべてのことに関われたらいいなと思います。それがかかりつけ医の役割だとも考えています。

幅広い診療の中でも特に注力している治療は?

生活習慣病の治療です。もともと僕の専門は心臓病で、糖尿病や脂質異常症、高コレステロール血症といった生活習慣病と大きく関わる分野ですから、その知識を生かしながら地域医療に携われることは強みだと感じています。診察で感じることなのですが、特に糖尿病の患者さんは、実際はかなり重い糖尿病であっても自分が糖尿病だと思っていないことが結構あります。ですからまずは定期的に検査を受けるなどして、ご自分の体の状態を知っていただくことが大切です。当院では、血液を即座に測定し検査当日に結果を出すことが可能なヘモグロビンA1c迅速測定器を導入しています。従来の検査では採血してそれを検査会社に提出して調べてもらっていましたから、結果が出るまでに時間を要し、患者さんには検査結果を聞きにまた足を運んでいただく必要がありました。でもこの迅速測定器の導入によって、そうした負担を軽減できるようになりました。

生活習慣病は循環器系の病気と密接に関わっているのですね。

龍祥之助院長 新百合ヶ丘 龍クリニック4

生活習慣病は動脈硬化につながるケースが多いため、循環器を専門的に治療していた時も生活習慣病の治療を行っていました。実際に循環器の病気にかかってしまうと、なかなか根本から治すことができません。生活習慣病の段階で良くしていけば重症化しなくて済んだのではないかと思われる患者さんも多く診てきましたから、その部分をカバーできるよう当院では取り組んでいます。例えば食事面で僕がよく患者さんにお話しするのは、特定の食品を減らすのではなく、全部を8割ぐらいに抑えるということです。基本、全体のバランスを崩さずに量を調整するようお話ししています。

若い頃からの運動習慣が将来の健康な毎日に結びつく

通いやすさを重視し、いくつもの工夫をされているとか。

龍祥之助院長 新百合ヶ丘 龍クリニック5

そうですね。会社員の方が出勤前でも通院しやすいよう、診療は朝8時から開始しています。また、待ち時間を短縮するためにウェブ予約を導入したり、クレジットカード払いにも対応しています。最近は、ウェブ問診表も導入しました。ウェブ上で問診表に入力していただければ、そのデータをクリニックで確認することができます。それによって、院内の滞在時間を短縮することができますし、感染症対策としての役割もあります。今は新型コロナウイルス感染症が流行する中ですから、発熱のある患者さんの診療は別枠で時間帯を設け、広い駐車場を活用して車内で待機してもらうなど、他の患者さんとの接触回避も心がけています。

今後どのようなことに力を入れていきたいですか?

大学病院に勤務していた頃は、生死をさまよう重篤な患者さんの治療をしていましたが、ここでは一次診療の役割を果たし、大病にならないようにいかに管理をするか、予防の面を大事にするべきだと考えています。一人ひとりの予防に対する意識が高まるような働きかけをしたいと思っています。健康診断などを活用していただき、大きな病気にかかる前に食い止め、予防することが当たり前になればいいですね。予防はモチベーションを保ち続けることが大変だと思います。食べたいものをたくさん食べられない、つらい運動をしなければならないなどの我慢も多い。でもそういうことを楽しんでできるように、小さいうちから教育として取り入れられたら、もっと日本人に予防の意識が根づくと思います。

読者へのメッセージをお願いします。

龍祥之助院長 新百合ヶ丘 龍クリニック6

健康な体を保つには、まずは自分の体を知ること、そして病気に対する正しい知識を持つことが大切です。特にお子さんを持つお母さんは、子育てや家事で忙しいために自分のことが二の次になっているように感じますので、もっと自分のことを気にかけてほしいですね。自分の健康を保つことが結局は家族のためになりますし、お子さんに比べてお母さんたちは症状が悪化してから来られることが多いので、もっとご自分の優先順位を上にしてほしいと思います。また、日頃から運動習慣を持つことも大切です。若い頃は病気自体をあまりしないので無頓着になりがちですが、高齢になってから運動を始めることはなかなか難しいものです。若い頃からの運動習慣が将来の健康につながっていくと思います。

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