馬渕 直樹 院長、松並 晃弘 副院長の独自取材記事
まぶち歯科医院
(大垣市/大垣駅)
最終更新日:2024/11/11
大垣駅の北西部、県道18号沿い「室村町3」交差点角に「まぶち歯科医院」は立つ。落ち着いたタイル張りの外観で、開業して37年になる。馬渕直樹院長は大垣生まれ、大垣育ちで「長く通ってくださる方が多く、一緒に年を重ねてきました」と優しくほほ笑む。馬渕院長はもともと歯周病治療が専門でメンテナンスや予防にも力を入れており、専用の個室も用意している。2021年4月からは院長のおいで歯科口腔外科が専門の松並晃弘先生が加わり、診療の幅がより広がった。松並先生は「まだまだ自分のことで精いっぱい」と謙遜するが、馬渕院長は「いずれはインプラント治療も取り入れたい」と期待を寄せる。患者の希望をくみ取り「できるだけ自分の歯を残したい」と丁寧な治療を心がける両先生に、患者への思いや今後の展望などについて話してもらった。
(取材日2022年3月18日)
地域に根づき患者とともに年を重ねる
先生が歯科医師をめざされた理由や開業の経緯を教えてください。
【馬渕院長】私はもともと子どもの頃から生き物や工作が好きで理系の仕事に就きたいと考えていました。歯科医師になろうと決めたのは中学生の頃です。岐阜歯科大学に進み、ゆくゆくは地元の大垣市で開業したいと考えていましたので大学の歯周病学講座に籍を置きながら、3年間市内の歯科医院に勤務し、27歳の時に開業しました。この辺りはかつて繊維関係の工場がたくさんあったのですが、今は住宅が増えましたね。開業して10年後に建て替えをし、患者さんも増えましたので数年前にリフォームしてチェアを増設、現在はパーティションで仕切られた半個室のチェアが4台と個室のチェアが2台あります。
患者さんはどのような方が多いのですか?
【馬渕院長】開業当初から通ってくださっている方が多く、40年近く、患者さんとともに年を重ねてきたと感じています。当時10~30代だった方は40~60代になり、中には大正生まれで90代になられた方も。小学生の頃から通っていて、歯科衛生士となり、スタッフとして当院に務めてくれている子もいます。最初の患者さんのお子さん、お孫さんも来てくださり、ありがたく思っています。主訴は初診の場合は、やはり「歯が痛い」、「歯周病が心配」という方が多いでしょうか。長く来てくださる方では、歯周病のメンテナンスに来られる方がかなり多いですね。また、病院の歯科口腔外科とも連携していますが、2021年に松並先生が加わってからはより難しい外科処置や親知らずの抜歯も行うようになり、そうした患者さんも来られています。
松並先生は歯科口腔外科が専門なのですね。
【松並先生】はい、歯科口腔外科や矯正治療は大学でしか専門性を深められないと考え、外科のほうに興味があったことから専門に選びました。こちらには大学院生の頃からアルバイトとして週1回来て診療に関わっています。研修時代は福井県の病院の歯科口腔外科で研修をし、大学病院では抜歯や良性の腫瘤の切除、歯茎を切開して行う歯根嚢胞の治療などを行いました。また、がんや骨折の患者さんが多く、その手術の介助も経験してきました。現在はここで幅広い年代のいろいろな症状の患者さんに接し、一般歯科の初歩から勉強させていただいているところです。
できるだけ削らない、抜かない治療を心がける
先生が治療において大事にされていることはありますか?
【馬渕院長】どのような治療においても、できるだけ患者さんの歯を削る量を少なく、また残すような治療をしたいと思っています。天然の歯はどんなに優れた人工の歯にも勝ると考えているからです。天然の歯と人工の歯との違いは歯根膜があるかないかということでしょう。歯の根っこは直接骨に植わっているわけではなく、歯根膜という薄い膜で覆われており、いわば物を噛むときにクッションやセンサーの役目を果たします。歯をなくしてインプラントを入れて人工歯をかぶせても、それらには歯根膜がないので外部からの刺激や衝撃が直接歯に伝わり、骨や歯へのダメージが大きくなるといえます。ですからどうしても抜歯しなくてはならない症例を除き、天然の歯を残すことを大事にしているのです。
患者さんと接するときにはどのようなことを心がけておられますか?
【馬渕院長】患者さんのお話をよく聞くことを大切にしています。といっても長い付き合いの方が多いので、ざっくばらんにいろいろお話ししていますね。初めての方には「どうされましたか」という質問から始め、お悩みを徐々に掘り下げていきます。お話から原因に行き着くことも多いですね。歯を残すことは大事にしているのですが、抜いたほうが他の歯を守ることになる場合もあり、そうしたときには患者さんとのお話がより大切になってきます。患者さんとしてはたとえ1年2年でも自分の歯で噛みたいというお気持ちなので、できるだけそれに応えたいと思うと私も悩みます。説明は専門用語を使わずわかりやすくと心がけており、必要に応じて口腔内写真を撮影して一緒に見て話し合うなど、安心し納得して治療を受けていただくよう努めています。
松並先生が心がけておられることも教えてください。
【松並先生】大学病院では開業の先生からの紹介の患者さんがほとんどでしたので、ある意味「覚悟」をお持ちでした。院長が話したように、残しても駄目になることがわかっている歯なら抜いてしまったほうがいいということでご自分でも抜歯を決めておられるのです。しかしここでは、治療のメリットとデメリットを十分にお話しして選択肢を提示し、患者さんに治療法を選んでいただくことに重きを置いています。ご自身で決められないという方にはこちらから提案もしますが、一方的な押しつけにならないように患者さんの希望をくみ取り相談しながら治療していくようにしています。さらにできるだけ歯を削る量を少なくし、患者さんの負担が大きくならないように気をつけています。
治療の幅を広げ、患者に長く寄り添う歯科医院に
こちらでは予防やメンテナンスにも力を入れていると伺っています。
【馬渕院長】はい、やはりトラブルを未然に防ぐ予防は将来的に歯を失わないために最も重要なことだと考えています。当院の2つの個室のうち1室は予防やメンテナンス、ホワイトニング専用の部屋にしており、切削器具は置いていません。壁紙は優しい感じにしてチェアはリラックスして座れるものを選んでいます。ここではゆっくりと落ち着いて予防や審美的なケアを受けていただきたいですね。
メンテナンスでは歯科衛生士の方の役割が大きいのでは?
【馬渕院長】はい、当院は受付のスタッフ以外歯科衛生士です。皆、ブラッシング指導をはじめとするケアに専門的な立場から一生懸命取り組んでくれており、患者さんの定期通院につながっていると思っています。歯科医師には話せないこともスタッフには話せるという方もいるようですね。患者さんから「〇〇さんでお願いします」と指名をされることもあります。ベテランも多く、一番長い人は開業の翌年から勤務してくれているんですよ。受付も含めスタッフは仲が良くて、和気あいあいとしているところも当院の自慢です。
今後の展望についてお考えをお聞かせください。
【松並先生】一般歯科はもちろんいずれはインプラント治療や、マウスピース型装置を用いた矯正も学び、必要とする患者さんに提供できればと考えています。また、せんだって友人が「喫煙で歯茎が黒ずんでしまったがどうしたら良いか」と相談に来てくれたのですが、そのように歯肉の着色が気になるときに行う審美的なケアも行っていけたらと思います。
【馬渕院長】これまで築いてきた患者さんとの関係を大切にして、皆さんのお口の健康を支えるお手伝いを続けていきたいと思います。松並先生が来てくれましたので、より難症例の歯周外科治療や親知らずの抜歯、さらにはインプラント治療も当院でできるようになればというのが願いです。さらに、多くの患者さんが高齢になられましたので、できれば昔行っていた訪問診療を再開させたいという気持ちもあり、地域の皆さんに末永く寄り添っていけたらと思っています。
自由診療費用の目安
自由診療とはホワイトニング/3万3000円~