高橋 佑臣 院長の独自取材記事
たかはし歯科
(名古屋市東区/大曽根駅)
最終更新日:2021/10/12
3路線が乗り入れする大曽根駅から徒歩2分の「たかはし歯科」。院長の高橋佑臣(ゆうしん)先生が1975年にJR大曽根センタービルに開業したのが始まりで、2017年にビルの解体に伴って現在の場所にリニューアルオープンしたが、移転後も続けて通院している患者が多いそうで、患者と高橋院長、そして同院のスタッフが信頼関係を築きながらともに年月を重ねてきている印象の診療所だ。歯周病の治療を得意とする高橋院長は、口の健康は体の健康につながると、歯科医院での定期検診やブラッシング指導を受けてほしいと話す。言葉より行動で患者に伝えたいという高橋院長の日々の診療について、たっぷりと話を聞いた。
(取材日2019年4月10日)
地域に根づき、患者との信頼関係を築いてきた
開業されて長くたちますが、ここで開業されようと思ったきっかけは?
僕は島根県出身で、そこで父は内科の診療所を開業していました。もしかしたら父は後を継いでほしかったかもしれませんが、僕は歯科医師の道を選ぶことになりました。愛知県に来たのはまったくの偶然で、特に知り合いがいたということではないのですが、僕が生まれ育ったところは山の中だったので、大学進学と同時に名古屋という都会に来られたのはうれしかったですね(笑)。学生時代は休みの日になると、都会という環境を満喫しましたね。大学卒業後は大学病院に勤め、その後島根へ帰るか考えようと思っていたのですが、名古屋が心地良く住みやすくて、結局気がついたらもう開業して45年近くになりますね。
以前は、違う場所で開業されていたそうですね。
初めは、すぐ近くの大曽根センタービルの中に開業したんです。1975年の開業ですから40年以上になりますが、そのビルが解体されるタイミングで、現在の場所に2017年に移転しました。僕が考えたのは、できるだけシンプルで使いやすく、患者さんが入りやすい歯科医院にすることでした。以前の歯科医院から変わらず通い続けてくださる患者さんもたくさんいてご高齢の方も多いのですが、そのお子さん、お孫さんと何世代にもわたって通院してくださるご家族もいます。お子さんから95歳の方まで年齢幅は広いですね。この前も笑い話になったんですが、妊婦さんだった頃から通っている患者さんがいて、その息子さんも通院しているんですが、年齢を聞いてびっくり。もう40歳でした。患者さんと一緒に、私もクリニックも歳を重ねている感じですね。この地で長く診療しているので、患者さんとの関係もアットホームな感じです。
先生の治療方針を教えてください。
まずは患者さんの痛みを取り除くこと、そして噛めるようにすること、それが基本です。しっかり噛めるようにするために、インプラント治療と義歯にも力を入れています。そして次は予防ですね。僕は大学でも歯周病を専門にしていたので、患者さんの歯を歯周病にさせないために予防歯科に力を入れています。それから、治療には患者さんの希望をできるだけ取り入れるように心がけています。歯科医師としてこの歯は抜いたほうが良いと考える場合であっても、患者さんはどうしてもその歯を残したいという時があります。そういう時は、時間がかかったり遠回りになっても、患者さんが納得されて「やっぱり抜いてほしい」と思われるまでは希望を聞きながら治療を進めていきます。また、治療時の痛みも配慮し、レーザー治療も取り入れています。
口は体全体の健康の入り口。口腔内ケアで健康にも配慮
インプラント治療に注力されていらっしゃるのですね。
インプラント手術を始めて30年になりますね。先ほども話しましたが、「噛める」ということはとても大事なことです。そのため、インプラント治療をして、しっかり食べ物が噛めるようにしていきます。入れ歯のように歯を取り外さなくていいのも患者さんにはメリットが大きいかと思います。実は僕も8本入れているんですよ。それから、当院ではインプラント治療後のアフターケアもしっかり行っています。インプラントは入れたら終わり、ということではないんですね。その後しっかりケアをしていかないと、せっかく入れたインプラントも長持ちせず失うことになりかねません。そうならないために、定期的なメンテナンスとして歯科衛生士による歯ブラシ指導と口腔内清掃を徹底しています。
レーザー治療はどんな症状に有効ですか?
レーザー治療は、抜歯後の止血や、歯周病の治療や口内炎の治療をする時などに行います。レーザー治療は基本的にはほとんど痛みを伴わないため、歯科医院での治療が怖い方でも受けていただけるかと思っています。お子さんや妊婦さんなど年齢や体調に関わらず受けていただけるというのもメリットですね。不安があるときは遠慮せず質問してください。
今は予防歯科の重要性が言われていますね。
当院の入り口に看板を掲げていますが「健康の入口を見直そう」ということなんです。口は、体全体の健康の入り口になっています。口腔内の環境を整えて、しっかり噛めるようにしていくことで、さまざまな体の不調の改善に影響する可能性がわかってきています。高齢になってもしっかり噛めることが、健康な体を作ることにつながっているんですよ。ただ、自分でしっかり歯磨きをしているつもりでも、隅々まできれいにすることは難しいです。ですから、定期的に歯科医院に来てもらい、専門家に歯を磨いてもらいブラッシング指導を受けることが大切なんです。それから、患者さんによく話しますが、歯ブラシは1ヵ月に1本取り換えましょう。古くなって先の開いた歯ブラシはではうまく磨くことができず、結局虫歯になりやすいんですよ。
スタッフの活躍はクリニックとしての強み
スタッフさんが活躍されているのがお話から伺えます。
当院のスタッフは、現在、全員が歯科衛生士の資格を持っています。予防歯科の分野において歯科衛生士の担う役割はとても重要なんです。歯と歯の間、歯と歯茎の間など自分で磨くだけでは取り切れない汚れを、歯科衛生士がしっかりと磨き上げます。スタッフ全員しっかり勉強してきているので、僕も信頼して任せることができています。初めは予防歯科に後ろ向きだった患者さんも、歯科衛生士に磨いてもらうことで口腔内がさっぱりするからか、それからは積極的に定期検診に来てくれるようになりますね。また、当院には歯科技工士が常勤しています。ですから入れ歯に不具合があった時も、その場ですぐ修理の対応が可能だったり、仮歯の作製もできますので、歯のない状態で何日もお待たせすることがないようにしていますので、患者さんにとっては大きな利点だと思います。
院外の活動も精力的にされているとお聞きしました。
僕は名古屋歯科医療専門学校歯科技工士科で校長をしています。先ほどもお話しましたが、今は予防歯科の重要性が言われており、それに伴い歯科衛生士の役割が大きくなっています。当院でもこの学校の実習生を受け入れていますが、「医院にとっても患者さんにとっても大切な仕事をしているのだから、プライドをもって仕事に臨むように」と話しています。また、技工士は衛生士に比べて数が少なく残念に思っています。当院のように技工士が常勤している事で患者さんにもメリットが大きいですし、若い人たちにその魅力を伝えていきたいですね。
最後に今後の展望と、読者へのメッセージをお願いします。
実は息子も歯科医師になっており、天白区で開業しています。移転する前は息子も手伝ってくれていました。それから娘も歯科衛生士として当院で一緒に働いています。時には、家族で歯科の治療について話すこともありますね。娘には「お父さんが働いている姿はとても生き生きしている」と言われます。将来的には、こちらのクリニックも息子に引き継いでいければと思っています。患者さんに対しては、日々行っている診療を誠実に行い、行動で示していくということですね。言葉で言うのは簡単ですが、伝わりづらい思いは行動で伝えていくことが大事だと思い、日々の治療にあたっています。
自由診療費用の目安
自由診療とはインプラント/25万円~