桂山 龍彦 院長の独自取材記事
助光デンタルクリニック
(名古屋市中川区/伏屋駅)
最終更新日:2025/09/22
「ここが歯科医院?」と思わず足を止めるような、洗練されたたたずまいの「助光デンタルクリニック」。桂山龍彦院長が1987年に開業。めざすのは、痛みの少ない、通いやすい歯科医院だ。吹き抜けの待合室や、花を飾った空間づくり。院内に流れる水のせせらぎ、そうした演出の一つ一つにも、患者の緊張をほぐしたいという真摯な気持ちが込められている。それは、「歯科医院が苦手な人にこそ、安心して通ってほしい」という桂山院長の思いが根底にあるからだ。患者の言葉に丁寧に耳を傾ける姿勢は、スタッフにも浸透。院内に流れる穏やかな空気が、桂山院長の人柄を物語っているようだ。「患者さんの笑顔に出会えることが、何よりの喜びです」とほほ笑む桂山院長に、診療に込めた思いや、その先に見据えるものについて話を聞いた。
(取材日2025年6月24日)
歯科医院らしさを払拭し、また来たい場所であり続ける
洗練された院内の雰囲気が印象的ですが、どんな意図でこの空間をつくられたのですか?

「歯の治療は怖い、痛い」というイメージを和らげるために、「歯科クリニックっぽくないこと」にこだわっています。待合室は吹き抜けで開放感あふれる空間に。歯科クリニック特有のにおいがしないようにしたり、気持ち良く過ごしていただけるよう生け花を飾ったりしています。1階の診療室は診療チェアの間にパーティションがないオープンスタイルです。個室がいいという方もいらっしゃるのですが、プライバシーを保てる一方で、患者さんをお一人にさせてしまうことがありますからね。オープンスタイルなら、万が一患者さんが倒れたり、急変したりしてもすぐに対応できるので、「目が行き届く」ということを優先しています。
2階はクリニックとは思えない、別世界のような雰囲気ですね。
2階は予防歯科を中心に審美歯科診療、インプラント治療などを行うフロアになっています。コンセプトは「水に浮かぶ異空間」。3台の診療チェアの前には人工の川が流れていて、水のせせらぎとアロマの香りに包まれて、ゆったりと治療やメンテナンスを受けていただけるようになっています。「どうしてそこまでするの?」と言われることもありますが、例えば、ホテルならお客さんをもてなすためにお花を飾ったり、香りに気を配ったりするのは当然のこと。心地良い空間づくりにはこだわっています。病気を治すだけではなく、患者さんが「ちょっと歯科医院に行ってきれいになってこよう!」と楽しい気持ちで来院いただくために、このような環境づくりは大切ではないかと思っています。
現在の患者さんの層ついて教えていただけますか?

通ってくださる患者さんの年齢層は幅広いですね。小さなお子さんから、100歳近いご高齢の方まで、本当に満遍なく来ていただいています。主訴も多様で、「歯が折れた」「腫れた」といった急なトラブルから、矯正やインプラント治療、歯周病治療、審美的なご相談まで、あらゆるニーズに対応しています。地元の方や、周辺地域遠方から通ってくださる方が多い印象ですが、中には飯田市熊野町、福井県など、こちらが恐縮するほど遠方から通ってくださる方もいます。何かあったら困るからとご自宅の近くのクリニックをご紹介するのですが、それでも当院がいいと言って通ってくださる方もいて、ありがたいですね。
予防することが、痛みの伴う治療の回避につながる
痛みに配慮した治療を心がけているそうですね。

可能な限りの工夫と配慮で、患者さんの痛みに対する不安やストレスを減らすよう努めています。麻酔一つ取っても、できるだけ痛みを感じさせないようにしています。治療前に痛みを心配されている方はとても多く、あらためて「歯科医院は痛い」というイメージが根強いことを実感します。だからこそ、そもそも虫歯や歯周病をつくらなければ、痛みを伴う治療自体が必要なくなるのではないか。そう考えて、予防歯科に力を入れ、痛い思いをすることのないように歯を守っていきたいと考えています。そうすれば、歯科医院が嫌な場所ではなく、楽しく通える場所になるのではないでしょうか。
最近、新しい歯周病治療機器を導入されたと伺いました。
過酸化水素に青色レーザーを照射することで、フリーラジカル(活性酸素)を発生させて歯周病菌の殺菌を図る「ブルーラジカルレーザー機器」という機器で、これを使って歯周ポケットの中の歯周病菌にアプローチしています。外科的な処置を行わずに済むため、体への負担が少なく、比較的短期間で症状の変化を感じやすいという特徴があります。歯周病が治癒するわけではありませんが、腫れや膿、口臭といった症状の軽減は大いに期待できます。自由診療ですので、状態を確認した上で、選択肢の一つとしてご提示しています。こうした先進の機器によって口腔内の変化が実感できれば、患者さんもセルフケアに前向きに取り組めるようになるのではないかと考えています。
日々の診療において、大切にされているのはどんなことでしょうか?

痛みの少ない治療、丁寧な説明、そして患者さんが満足して帰れること。この3つを基本にしています。中でも重視しているのが、治療前の聞き取りです。例えば「歯が痛い」と言って来院されたとしても、本当に求めているのは見た目の改善だったり、噛めるようにしてほしいという希望だったりすることがあるんですね。まずは患者さんの言葉の背景にある本音をくみ取ることが大切です。正確な診断には、まずしっかりした聞き取りが必要だと考えていますし、それは若い先生たちにも繰り返し伝えていることです。患者さんの思いをくみ取った上で、納得のいく診療につなげていけるよう日々心がけています。
相談しやすい「ミニ大学病院」のような存在をめざす
多くのスタッフさんが在籍されていると思いますが、診療体制や連携で工夫されている点はありますか?

口腔外科や矯正は、専門の先生が担当しています。もちろん難しいケースは、信頼できる専門の医療機関をご紹介しています。大切なのは、患者さんにとって最善の方法を一緒に考え、柔軟に対応すること。当院の特徴は、そうした治療の一貫性と、継続的に口腔管理ができる点だと考えます。歯科衛生士も10人ほど在籍していて、担当制で患者さんとしっかり関わる体制です。クリーニングなどを受ける際に、私たち歯科医師には言いにくいことを歯科衛生士に相談してもらい、そこから情報共有されることもあります。こうした連携が、気軽に通っていただける環境づくりにつながっていると思います。全体ミーティングや症例検討、勉強会も頻回に行っています。クリニック全体で連携の強化と個々のスキルアップを図り、「ここなら相談しやすい」と思ってもらえるミニ大学病院のような存在をめざしています。
長きにわたって地域に根差して診療されていますが、これまでを振り返ってみて思うことはありますか?
開業してから、もう38年になります。卒業から数えると、歯科医師としては41年。振り返ると本当にあっという間でした。時代の変化とともに新しい機器を導入するなど、いろいろなことにチャレンジしてきましたが、やはり一番のやりがいは、患者さんが言ってくださる「良かった」というその一言に尽きます。患者さんの笑顔が見られた時に、やっていて良かったなと心から思うんです。40年以上歯科医師を続けてきたからといって、何か特別な勲章があるわけではありません。でも、歯科医師になった時から変わらないのは、「患者さんに喜んでもらうことがすべて」だという想いです。その気持ちは、これからもずっと大事にしていきたいですね。これから先、どこまで現役でいられるかはわかりませんが、一日一日を大切に診療を続けていきたいと思っています。
最後に、今後の展望と読者にメッセージをお願いします。

痛みの少ない、通いやすい歯科医院であり続けることです。これは開業当初から変わらない、大きな目標です。特別なことをしているつもりはありませんが、患者さんに「来て良かった」「相談して良かった」と言ってもらえるような治療をめざしていますし、それがこの仕事を続けていく原動力にもなっています。どんな小さなことでも、遠慮なく聞いていただければ大丈夫です。わからないことや不安なことがあれば、しっかりご説明しますし、必要に応じて最善の選択肢をご提案します。せっかく歯科に足を運んでくださったのですから、「こんなこと聞いてもいいのかな」と思わず、なんでも話していただければと思います。ぜひ気軽にご相談ください。
自由診療費用の目安
自由診療とはインプラント/1本45万円~、ホワイトニング/2万円~、PMTC/8800円~、ブルーラジカルレーザー機器を用いた歯周病ケア/1歯6000円~
※歯科分野の記事に関しては、歯科技工士法に基づき記事の作成・情報提供をしております。
マウスピース型装置を用いた矯正については、効果・効能に関して個人差があるため、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。

