専門のノウハウであきらめない治療を
専門の医師による頭痛治療
あい内科クリニック
(横浜市青葉区/こどもの国駅)
最終更新日:2024/09/04
- 保険診療
「頭全体が重い」「こめかみがズキズキする」――。そんな仕事も家事も投げ出してしまいたくなるほどのひどい頭痛に見舞われながら、「頭痛持ちだから長引く痛みも仕方ない」と、諦めている人は多いはず。だが、「頭痛は治療できる病気」と語るのは、専門家として頭痛の診療に取り組んでいる「あい内科クリニック」の柳本昌子院長。本当につらい痛みから開放されるのか? 頭痛のメカニズムやタイプ、治療法などについて、詳しく解説してもらった。
(取材日2013年6月12日)
目次
頭痛は治療できる病気。我慢できない痛みが長引くときは、早めに専門の医療機関へ
- Qそもそも頭痛はなぜ起こるのでしょう?
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A
頭痛のメカニズムはとても難しいのですが、「脳の表面の血管の収縮拡張」「脳の周りの痛みを感じる神経への圧迫」「痛みの中枢の過剰な興奮」、大きく分けてこの3つが頭痛を引き起こす原因として挙げられています。ただ、どれが一番の原因かはまだまだ研究中。また遺伝性があり、母方から約40%の確立で遺伝するともいわれています。ある程度効く薬も出てきていますが、全員の方に本当に効いているわけではありません。そのあたりも含め、メカニズムとともに今も学会でいろいろと論議されているところです。
- Q頭痛は女性に多いと聞きますが、年齢や季節などでも違いますか?
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A
男女とも年齢問わず頭痛は起こりますが、やはり女性のほうが多く、男性の倍以上。当院を受診されるのも20代〜40代のお仕事や子育てで忙しくされている女性が中心です。季節的には、梅雨時や台風が来る前、雨が降る前などに痛みがひどくなるという方が多いですね。関節痛もそうですが、気圧が下がると痛みを感じやすくなるようです。お子さんの場合は、風邪からきているのか、心理的な要因があるのかなど、判断がとても難しい面もあります。頭痛の治療に通っていらしても成長とともに変わってくるので、その時々で何が一番の原因なのかを探っていくことが大切です。
- Q頭痛にタイプはありますか? また治療法も違うのでしょうか?
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A
ほぼ一日中痛みの続く「慢性連日頭痛」や、ある一定期間同じ時間帯に痛みの起こる「群発頭痛」、肩や首、背中の筋肉の凝りが原因となって起こる「緊張型頭痛」など、頭痛にはいくつか種類がありますが、病院を受診しなければいけないほどの頭痛となると、一番多いのが「片頭痛」です。治療は投薬が基本で、救急病院を受診するほどの片頭痛には、即効性のある注射の治療薬をお勧めすることもあります。また、強い日差しで起こる頭痛なら、日光が直射目に入らないよう帽子をかぶるなど、頭痛の要因を取り除くことも大切です。痛みを伝えるのは難しいと思いますが、的確な診断を受けるためにも、医師の問診には率直にお答えいただくといいでしょう。
- Q受診のタイミングは? その際どのような検査をするのでしょう?
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A
「仕事や家事ができない」「起きていられず寝込んでしまう」など、日常生活に支障が出るほどひどい頭痛があり、市販薬を飲んでもなかなか治まらないようなら受診をお勧めします。目安としては月の半分以上ずっと市販の薬を飲んでいるというような方。1ヵ月に2〜3回頭痛薬を飲む程度で市販薬が効いているうちは様子を見ていただいて大丈夫だと思います。検査は、脳そのものに異常がないかを確認するため、脳波やMRI検査などを行います。また、普段とは違う動けないほどのひどい頭痛で、吐き気も伴うような状態だと、命に関わる、一刻を争う病気が隠れている場合もあります。至急、検査設備の整った医療機関を受診していただきたいです。
- Q頭痛を放置することで起こる二次症状はありますか?
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A
例えば「目がチカチカしてから頭痛が起こる」といった前兆のあるタイプの片頭痛の方は、脳梗塞を起こしやすいといわれています。併せて喫煙の習慣もあると一層リスクが高まり、早い段階で脳梗塞を起こしてしまうことも。また女性は、低容量ピル治療との関係で危険性が高まる場合があるので注意が必要です。しかし一番の問題は、市販薬を大量に飲み過ぎて依存症のようになってしまう方が多いこと。当院にも本当に驚くほどの量の薬を飲んでいる方が来院されます。そうなる前に、ぜひ早めに専門の医療機関を受診されることをお勧めします。